注文住宅を建てると決めてから計画・完成・引渡しまでの流れを不動産のプロが解説

注文住宅は、家づくりの計画を立てて完成するまでに1年以上かかることも珍しくありません。

建売住宅とは違ってたくさんの工程があり、業者との多くの打ち合わせがあります。

どのような流れで家づくりが進んでいき、各工程でどれくらいの期間がかかるか把握できていないと、適切なスケジュールを立てられません。

そこで今回は、以下3点について紹介しています。

・注文住宅が完成するまでの流れ
・注文住宅完成までの期間や施工期間
・住宅ローンの流れと注意点

この記事を読むことで、適切なスケジュール立てができ、円滑に家づくりを進めていけますので、ぜひ参考にしてください。

注文住宅が完成するまでの流れ

注文住宅が完成するまでの一般的な流れは以下のとおりです。

注文住宅は、建売住宅とは違い非常に多くの工程を経て住宅完成へと至ります。

どのような内容の工程があるか把握し、逆算してスケジュールを立てるようにしましょう。

●注文住宅の完成までの流れ

1.どんな家・暮らしにしたいかイメージする
2.資金計画を立てる
3.土地を探す
4.業者を選ぶ
5.敷地や地盤の調査
6.土地購入と契約
7.プランニングや設計
8.建築請負契約
9.建築確認申請
10.住宅ローン
11.施工〜完成
12.引渡し、入居

それでは、1つ目の工程から順に見ていきましょう。

1.どんな家・暮らしにしたいかイメージする

注文住宅を建てる際に、まずは「どんな家にしたいか」「どのような暮らしをしたいか」を思い描くことから始めます。

マイホームには、これから何十年と暮らしていくわけですので、少しでも家族が暮らしやすく、後悔の少ない家を建てることが大事です。

イメージすることは家づくりにおいて土台となる大切な部分ですので、しっかりと家族で話し合い、要望を出し合う必要があります。

家族で話し合う場合は、以下の項目は押さえておきましょう。

●住みたいエリア

最寄り駅や通勤・通学時間、スーパーや商業施設、医療福祉施設、教育施設、公園などの充実度など

●家のつくり

木造、鉄筋コンクリート造、平屋、2階建て、3階建て、2世帯住宅など

●広さや間取り

3LDKや4LDK、リビングや主寝室、子ども部屋の広さなど。将来的な家族構成を考慮して広さや間取りを決める

●設備

カーポートや床暖房、食洗機、ウォークインクローゼット、太陽光発電など

各項目について、家族で希望の条件を出し合いリストアップしましょう。

そして、すべての希望条件が叶うとは限りませんので、条件に優先順位を付けておくと家づくりがスムーズに進みます。

注文住宅の間取りの決め方については下記の記事で詳しく解説をしています。

関連記事⇒注文住宅の間取りはどう決める?失敗しない方法を不動産のプロが解説

2.資金計画を立てる


どんな場所でどのような家に住みたいかのイメージができたら、資金計画を立てます。

資金計画は、以下の点を決めておくようにしましょう。

・自己資金額
・住宅ローンの借入予定額
・毎月、年間返済可能額
・利用する金融機関
・返済期間
・ボーナス返済の有無
・金利タイプ(固定金利、変動金利)

将来的な家族構成やマイホームの修繕計画によって、資金計画も変わってきます。

子どもの教育費や将来的なリフォーム・修繕費なども考慮して、毎月の返済可能額を決めるようにしましょう。

転職したり不景気になる可能性もあるため、ボーナス返済に依存した計画にはしない方が安心です。

関連記事⇒家を建てる時の自己資金はいくら必要?平均と住宅購入時に必要な目安となるお金

3.家を建てる土地を探す

家族の希望をもとに、住みたいエリアや暮らしたい家、おおよその予算が決まった後は、土地探しをします。

希望の条件を不動産会社に相談をして、土地探しを始めます。

住みたいエリアにもよりますが、希望の条件を満たす土地はそう簡単に見つからいものです。

そのため、条件の中で妥協できる点は妥協をするようにしましょう。

また、土地探しを始めると「もっと良い土地が出るのでは?」と、期待が膨らみ、より好条件の土地が出るのを待ってしまって、いつまでも土地を決められないことがあります。

土地探しをする際は、「2ヵ月以内で必ず決める」など、期限を決めて探すようにしましょう。

土地探しについては下記の記事で詳しく解説をしています。

関連記事⇒理想の注文住宅を建てるために!土地探し方のポイントやその後の工程と流れ

4.ハウスメーカーや工務店を選ぶ


ハウスメーカー、工務店、設計事務所とある中で、どの業者に依頼をするかは大事なポイントです。

どの業者を選ぶかによって、予算や工期、アフターサービス、デザイン、設計、設備なども変わってきます。

以下は、ハウスメーカー、工務店、設計事務所の主なメリット・デメリットです。

ハウスメーカーで家を建てる場合

大和ハウスや積水ハウス、住友林業など、多くのメーカーがあり、上場している企業もたくさんあります。

ハウスメーカーは規模が大きく倒産の心配が少ないこと、モデルハウスなどがあるため完成イメージを持ちやすく、品質が安定していて工期も短いことなどがメリットです。

一方で、多額の広告宣伝コストにより価格が割高で、デザインや設計、設備などの自由度が高くないことなどが、デメリットとして挙げられます。

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メリット


・会社の規模が大きく倒産リスクが小さい
・住宅展示場やモデルハウスによりイメージがしやすい
・規格化されていて品質が安定している
・工期が短い

デメリット

・広告宣伝コストや人件コストで価格が高い
・デザインや設計、設備の自由度が低い

工務店で家を建てる場合

工務店は、地域密着型で地域の特性をよく理解し、小回りが効くことがメリットです。

ハウスメーカーのように広告宣伝コストや人件コストがかからないため、割安な価格で家づくりができます。

また、デザインや設計、設備の自由度も高く、融通も効きます。

一方で、会社の規模が小さいためハウスメーカーよりも倒産リスクがあり、工法やデザインに斬新さがない点、住宅展示場やモデルハウスがなくイメージしづらい点がデメリットです。

●メリット

・地域密着型で地域の特異性も理解している
・余計なコストがないため割安
・デザインや設計の自由度は高い
・小回りや融通が効く

●デメリット

・会社の規模が小さい
・工法やデザインに斬新さがない
・完成のイメージがしづらい

設計事務所で家を建てる場合

設計事務所で注文住宅を建てるメリットは、デザイン性が優れているうえに自由度が高いことです。

提案力もあるため、敷地条件が悪くても満足できる家づくりができます。

施工状況のチェックなど監理業務もおこなうため安心です。

デメリットは、工事費の10〜15%程度の設計監理料がかかることです。

大きなコストとなるため、価格も割高になります。

また、デザイン性を重視するあまり、居住性が損なわれる場合もありますし、工期が長いため注意が必要です。

●メリット


・デザイン性が高い
・敷地条件が悪くても任せられる
・施工状況のチェックもする
・見積書の確認や施工業者選びのアドバイスもする

●デメリット

・設計監理料のコストが高い
・居住性に難があることも
・工期が長い

5.敷地や地盤の調査を行う

希望の土地を見つけ、業者選びもできた後は、敷地や地盤の調査へと進みます。

これらの調査は業者に依頼をすれば、その業者が調査するか、別の専門業者を手配してくれます。

敷地調査は、その土地にどんな家を建てられるかを調査するもので、高低差や方位、形状、電気やガスなど各種法的制限の把握が可能です。

地盤調査は、地盤に問題がないかを調査するものですが、仮に軟弱地盤とわかった場合は地盤改良工事が必要になってきます。

6.土地購入と契約

敷地や地盤の調査をして問題がないとわかったら、次のステップは土地の購入・契約です。

土地の購入・契約をする際は、「重要事項の説明」や「手付金の支払い」など、以下の流れで進んでいきます。

重要事項の説明を受ける

土地の契約前に宅地建物取引主任者による重要事項の説明を受けます。

不動産会社は購入予定者に対して重要事項説明をしなければならないことが、宅地建物取引業法によって定められています。

重要事項説明は、専門用語による説明箇所も多いため、少しでも不明な点があれば遠慮せずに聞くようにしましょう。

手付金の支払い

土地の契約時に手付金の支払いをするのが一般的です。

手付金は、売買金額の10%程度かかります。

もし、契約後に買主の自己都合でキャンセルする場合は、手付金は基本的に戻ってきません。

また、契約時には、手付金以外にも仲介手数料などの諸費用が必要です。

重要事項の説明や手付金の支払い後、売買契約を締結します。

契約締結後は、具体的なプランニングや契約へと進みます。

7.建てたい家のプランニングと設計を行う


「こんな家に住みたい」というイメージをより具体的にしていくのが、プランニングと設計です。

業者と打ち合わせをしながら決めていきますが、事前に以下の点は家族内で明確にしておきましょう。

・採用したい工法や設備
・外観や内装デザイン
・リビングやダイニングの広さ
・和室の有無
・駐車スペースの広さやカーポート
・子ども部屋の広さ
・家全体的の雰囲気

設計事務所や工務店など、デザイン・設計の自由度が高い業者に注文住宅を依頼する場合は、打ち合わせに非常に多くの時間がかかる可能性があります。

8.建築請負契約

プランニングや設計が完了したら、施工業者と建築請負契約を締結します。

契約の際には、「工事請負契約書」「工事請負契約締結書」「見積書」「設計図書」の4つの書類があり、いずれも相当なボリュームです。

そのため、事前に写しなどをもらい、わからない部分を当日聞けるようにしておきましょう。

9.建築確認申請

プランが建築基準法に適合しているかチェックするために、行政や民間の指定確認検査機関に建築確認を申請します。

そして確認審査を受け、建築確認済証の交付を受けたら工事を始めることが可能です。

もし、審査の結果、不適合と判断された場合は建築ができません。

10.住宅ローンの審査と申込

既に家が完成している建売住宅を購入する場合は、これから建設する注文住宅とでは資金繰りが異なります。

一般的に、住宅ローンの融資が実行されるのは、引渡しのタイミングですので、通常どおりの進め方では土地の支払いに融資が間に合いません。

そのため、ローン融資までの間につなぎで借入れをするつなぎ融資を利用したりします。
ただし、金融機関によってつなぎ融資が利用できない場合もあります。

また、一般的な住宅ローンに比べ金利が高いため、想定以上に返済負担が大きくなる可能性もあるため注意が必要です。

住宅ローンを利用する際は、金利や金利タイプ、返済額、諸費用、返済期間、ボーナス払い、団体信用生命保険の内容など、詳細をしっかりと確認したうえで利用するようにしましょう。

関連記事⇒住宅ローンはいくらくらい借りられる?簡単シュミレーション3ステップ

11.施工〜完成


建築請負契約や建築確認申請などを経て、いよいよマイホームの着工です。

業者によっても異なりますが、一般的に以下の流れで工事を進めていきます。

【1】基礎立ち上げ:捨てコンや配筋工事、配筋検査、立ち上げ打設、養生・型枠ばらし、基礎完了検査など

【2】資材搬入・足場設置:プレカット材の搬入や土台敷き、基礎断熱、先行足場設置、配管・外部給排水工事など

【3】上棟〜中間検査:上棟式、屋根防水シート施工、金物・筋交い施工、電気配線施工、給排水工事など

【4】木工事:ベランダ下地施工、断熱材施工、防水施工、外壁施工、フローリングや壁ボードなどの内装工事、ユニットバス据付など

【5】仕上げ:外壁シーリング施工、雨どい施工、屋内電気開口、キッチン据付、電気引込連携工事、照明器具取付など

【6】建物完成:役所による施工完了検査、養生撤去や補修工事、外構工事、最終美装、

ハウスメーカー、工務店、設計事務所によって、着工から完成までの期間が異なります。

12.引渡し、入居

引渡しを受ける際に、あらためて入居後のアフターメンテナンス内容について確認をしておきましょう。

住宅ローンの融資も実行されますので、売買代金の支払いも完了します。

注文住宅完成までの施工期間

家づくりの流れだけでなく、住宅完成までの期間や施工期間についても把握をしておきましょう。

そうすることで、より明確なスケジュールを立てられます。

注文住宅完成までの期間


前述の12工程にかかる期間は以下のとおりです。

・1.どんな家・暮らしにしたいかイメージする〜2.資金計画を立てる:1ヵ月〜3ヵ月程度
・3.土地を探す〜5.敷地や地盤の調査:3ヵ月〜6ヵ月程度
・6.土地購入と契約〜9.建築確認申請:3ヵ月〜10ヵ月程度
・10.住宅ローン〜12.引渡し、入居:4ヵ月〜12ヵ月程度

上記のとおり、家づくりの状況によっては1年以上の期間がかかります。

業者と打ち合わせをする際は、どれくらいの期間がかかるか確認しながら、立てたスケジュールを微調整していきましょう。

施工期間

ハウスメーカー、工務店、設計事務所のどの業者に家づくりを依頼するかによって、施工期間が変わります。

デザインや工法によって工期は変わりますが、一般的な工期は以下のとおりです。

・ハウスメーカー:3ヵ月程度
・工務店:5ヵ月〜6ヵ月程度
・設計事務所:5ヵ月〜

規格化されているハウスメーカーが最も短い期間で完成ができ、工務店や設計事務所の工期は長めです。

住宅ローンの流れと注意点

スムーズに家づくりを進めていくために、住宅ローンの流れや注意点についても把握しておくことは大切です。

家づくり同様、逆算してスケジュールを立てたり、自分に合った金融機関を選ぶ必要があります。

ここでは、住宅ローンの流れや注意点について見ていきましょう。

住宅ローンの流れ


一般的に、住宅ローンを利用する際の流れは以下の1〜5です。

1.金融機関を選ぶ
2.住宅ローンの事前審査
3.住宅ローンの本審査
4.住宅ローンの契約
5.ローンの実行(融資)

事前審査は1週間程度、本審査には2〜3週間程度かかります。

また、1行ずつ審査を受けていると、審査落ちした場合に時間がかかるため、2〜3行同時に事前審査へ申し込みをする人が多いです。

どの金融機関の住宅ローンを利用するかで、期間も異なりますので、必ず事前に確認するようにしましょう。

住宅ローンの注意点

注文住宅を建てる際に住宅ローンを利用する場合は、次の3点に気をつけるようにしましょう。

1.つなぎ融資

注文住宅では、住宅が完成して引渡しされるまでに数回支払いのタイミングがあります。

自己資金で賄える場合は問題ありませんが、住宅ローンを利用したい場合はつなぎ融資を検討しなければなりません。

つなぎ融資は、土地代金の支払いにも利用できるなど便利ですが、一般の住宅ローンより金利が高いデメリットがあります。

金利の高いつなぎ融資の利用も考慮したうえで、資金計画を立てるようにしましょう。

2.自己資金はできるだけ多く

住宅ローンを利用する際は、可能な限り自己資金を多くして、借入金額を少なくしましょう。

住宅ローンは20〜30年以上長く付き合っていくものですし、子どもの教育費や将来のマイホーム修繕費、固定資産税や都市計画税など、ローン返済以外にもさまざまな費用がかかるためです。

以下のように、借入金額が少なくなれば毎月返済額は大きく変わります。

※金利2.0%(固定)、35年返済、ボーナス返済なし、元利均等の場合

・借入金額3,000万円:毎月返済額99,378円
・借入金額2,800万円:毎月返済額92,753円
・借入金額2,500万円:毎月返済額82,815円

借入金額を少なくして毎月のローン返済額を抑え、ゆとりを持って生活できるようにしましょう。

3.将来のことも考慮して金利プランを決める


住宅ローンは、固定金利と変動金利があり、どちらかを選択しなければなりません。

一般的に、固定金利は、金利が固定されていて返済額が一定なため、返済計画が立てやすいのがメリットです。

一方、変動金利は、目先の金利が低いため一定期間返済額を抑えられるメリットがあります。

雑誌やWebサイトなどで「固定金利がオススメ!」「絶対変動金利!」など、紹介されたりしていますが、周りの意見に惑わされず、自分たちに合った金利タイプを選ぶことが大事です。

●固定金利のメリット

・金利が変わらず毎月の返済額が一定
・返済計画が立てやすい

●固定金利のデメリット

・目先の金利が変動金利より高い

●変動金利のメリット

・目先の金利が固定金利よりも低い
・低金利が続けばその恩恵を受けられる

●変動金利のデメリット

・市場金利が上昇すると返済額が高くなっていく

固定金利は、返済額が一定ですが、低金利が続くと支払い過ぎるリスクがあります。

変動金利は、低金利の恩恵を受けられますが、金利が上昇すると返済額も増えていきます(5年ルールや1.25倍ルールあり)。

しっかりと選ぶようにしましょう。

注文住宅を建てると決めてから完成までの流れまとめ

今回は、注文住宅完成までの流れや期間、住宅ローンの流れや注意点について紹介いたしました。

最後に大事な点をまとめると、以下の4点あります。

・注文住宅はたくさんの工程があり完成までに1年以上かかることもある
・ハウスメーカー、工務店、設計事務所のどこに依頼するかで工期が変わる
・つなぎ融資の利用や金利タイプは決めておく
・家づくりも住宅ローンも逆算してスケジュールを立てる

ぜひこの記事を参考に、適切なスケジュールを立て円滑に家づくりを進めていきましょう。

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