注文住宅のメリット・デメリット~プロが教える建売住宅との違いとは?

「注文住宅」って、「贅沢」「高額」「安心」「高品質」などのイメージがありますよね。

このようなイメージから、「注文住宅なんて高くて無理!」と思う人がいる一方、「注文住宅しか考えてない!」なんていう人もいるでしょう。

住まいを買うのって戸建てやマンション、中古や新築、そして注文住宅か建売住宅、選択肢はたくさんありますよね。

どんな住まいを購入するかを決めるにあたり、「イメージ」だけで決めるのは賢明だとはいえません。

今回は注文住宅のメリットとデメリットを挙げながら、注文住宅の良さや注意点などを解説します。

デメリットには価格の高さも含まれますが、建売住宅と比べてどれくらい割高なのか。

またその分どんなメリットが得られるのかについても触れていきます。

注文住宅を選択肢に入れている人、また注文住宅なんて考えていないという人にも参考にして頂けるはずです。

注文住宅のメリット4つ

まずは注文住宅の4つのメリットを見ていきましょう。

①自由に設計できる

注文住宅の醍醐味ともいえるのが、自由に間取りや外観をカスタムできるということでしょう。

内装だけでなく、基礎や工法、断熱材や換気システムなど、構造、設備を好きに選択することができます。

自由設計というのは、単に「今」住みやすい家を作れるというだけではありません。

家族の将来を見越した家を作れるというのも、メリットの1つです。

例えば子どもの成長に合わせて、変更しやすい間取りにすることもできます。

1人部屋が必要になるのって、早くても小学生になってからですよね。

小さい内は、親や兄弟と一緒の寝室で就寝しますからね。

となると2人の小さいお子さんがいる4人家族は、家を建てる時には3LDKも必要ないことが多いんです。

せいぜい使っても2部屋。子どもが大きくなるまでは残りの1部屋は、ゲストルームにしたり納戸になっていたりするものです。

だったら最初は2部屋にして、子どもの成長に合わせて3部屋にすればいいんです。

どうやってそんな芸当をするのかというと、まず建築時には2部屋の内の1つの部屋を10~12畳ほどにし、収納とドアを各2つずつ付けます。

子どもが小さい内は広い1部屋として使い、1人部屋が必要になる頃に、真ん中で2つに分けるんです。

こうすれば5~6畳の部屋が2つ完成します。

分け方は壁を作るのもありですし、今では床から天井までぴったり収まる可動式収納なんてものもあります。

これで部屋を分割するのもありですね。

あらかじめリフォームを見越した間取りを作っておけば、将来的に臨機応変に家族構成や年齢に合わせた住まいに変えることができます。

また「家事動線にこだわりたい!」なんて人は、キッチンのすぐ近くに洗濯機置き場を作り、そのすぐ近くにベランダを作るなんてことも自由自在。

ベランダは洗濯物を干すのはもちろん、ゴミ置き場としても重宝するものです。

料理、洗濯、ゴミ出しを数歩でできるようにすれば、お母さんの負担は激減です。

もちろん間取りだけが自由設計なわけではありません。

例えば寒がりは人や寒い地方の人は、「暖かさ」にとことんこだわることもできます。

床暖房って、多くの場合リビングやダイニングにしか付いていないものですよね。

それが注文住宅だったら、全館に搭載することもできるんです。

トイレ、廊下、洗面所にまで床暖房を張り巡らすことで、家全体の気温差がなくなります。

どこにいても暖かいのはもちろん、高齢者などのヒートショックなども起こりにくいといいます。

でも「将来分割できる部屋の作り」「家事動線を優先した配置」「全館床暖房」の分譲住宅って、そうそうありませんよね。

それはその人にとっては便利かもしれませんが、やはり「万人受け」しないからです。

誰もが当たり障りなく暮らせる家って、やっぱり「普通の家」なんです。

つまり注文住宅は、「普通じゃない家」を作るにはもってこい。

もちろん普通の家を作るにあたっても、家の構造から携わることができるのは住む上での安心に繋がります。

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②予算を調整できる


分譲住宅だと「ちょっと高い」「安いけどここが気に入らない」など、予算と希望に合致した家ってなかなか見つからないものですよね。

注文住宅はその点、予算と相談しながら家を作ることができます。

予算オーバーになったら1つ設備のランクを落としたり、逆に余裕があれば土地を見直したりと、住宅にかける予算を調整できるのも魅力の1つです。

③資産価値が高い

注文住宅は、分譲住宅と比べて資産価値が高く、落ちにくいものです。

基本的に、気密、断熱、耐震、設備、どれをとっても建売住宅の1つも2つも上の品質だといえます。

中古物件として売り出すときには、「〇〇ホーム施工」などの文句を加えると、購入者の安心に繋がり、需要が高まります。

周辺の相場価格より高く売ることも可能でしょう。

一般的に木造家屋は築20年で価値がゼロになるともいわれていますが、注文住宅だったらそれ以上の築年数でも価値がつくケースも考えられます。

また分譲住宅と比較してアフターフォロ-が充実しており、作りも強固なため、維持費用が安く抑えられるという傾向があります。

④地盤調査~地鎮祭~棟上げ~完成 全てを見届けて安心


注文住宅は土地をあらかじめ所有してもいなくても、更地の状態から家づくりを見届けることができます。

分譲住宅の場合も家が完成する前に現場を見ることはできますが、多くの場合、大方出来上がっている段階でしょう。

更地の状態から見られるということは、現場を随時確認できるということです。

単に家づくりの工程を見られて面白いというのもありますが、それは現場の大工さんに対する手抜き工事の抑止力にもなります。

また地鎮祭や棟上げなどのイベントは、所有者としての覚悟や喜びにも繋がるもの。できたものを買うのとは大きく違います。

一生に一度の大きな買い物です。

作る過程を見るという経験は、長年住む家への愛着をさらに強くするものです。

注文住宅のデメリット3つ

注文住宅のメリットを見てみると、「家を建てるなら注文住宅だよなぁ」という気になりますよね。

しかし一番の懸念点はやはり価格。

建売住宅と比べてどれくらい高いのか?

また価格以外のデメリットについても確認してみましょう。

①価格が高い


注文住宅のメリットとして「予算を調整できる」ことを挙げましたが、やはり根本的には建売住宅より高額。

その点はデメリットだといえるでしょう。

上記は、フラット35を提供している住宅金融支援機構による、住宅取得資金の平均をグラフ化したものです。

2017年度の平均は、注文住宅が3,359万円、建売住宅が3,337万円となっています。

「あれ、ほとんど大差ないじゃん?」

と思ったかもしれませんね。

しかし両者の大きな違いは、土地の費用が含まれているかどうか。

注文住宅は、「住宅のみ」の価格。

建売住宅は「土地込み」の価格ですから、注文住宅がいかに高額かわかります。

逆に考えれば、土地さえあれば建売住宅と同じような費用負担で作ることができるので、親御さんから土地が贈与や相続されるのって、本当にありがたいんですよね。

土地をあらかじめ所有している人はいいですが、ここに土地の費用を加えたら5,000万円ではきかないでしょう。

建売住宅の2倍とまではいいませんが、1.5倍ほどは費用が変わってくるでしょう。

ちなみに同調査によると、中古戸建は2,393万円、中古マンションが2,844万円となっています。

やはりなんでもオーダーメイドで作るのは、満足度は高い一方、費用は高額になるものです。

②入居まで時間がかかる

注文住宅は、ハウスメーカーから間取り、設備、構造、なんでも自由に決められることができます。

しかしそれは入居までに時間がかかるということ。

建売住宅だったら建築中に契約したとしても、入居までは半年もかからないでしょう。

できているものを買うのであれば、1~2ヶ月あれば入居できます。

注文住宅はというと、土地がある状態だったら早くても半年。

土地から選ぶとすれば、最低+1~2ヶ月。

優柔不断の人だった+半年は見た方がいいと思います。

時間がかかるのもそうですが、打ち合わせの多さも覚悟したほうがいいです。

まずハウスメーカーを決めるのには、複数社と簡易的な間取りを決めた上で見積もり額を提示してもらう必要があります。

この時点で各社には、数回足を運ぶ必要があります。

ハウスメーカーが決まれば、そこからは1社と家づくりの話し合いが始まりますが、ここからがまぁ長い長い。

打ち合わせ回数は、5回や10回ではありません。

注文住宅って、本当に些細なところまで全部決めなくてはならないんです。

自由設計は注文住宅のメリットだといいましたが、コンセントの場所、窓の高さ、収納の奥行なんかは数センチで決める必要がありますし、壁紙は何百枚もあるサンプルから選ぶんです。

キッチンやお風呂、トイレなどの設備は、各メーカーのショールームにいって、タオル掛けの形からシャワーヘッド、床、壁、浴槽…とにかく全部決定していく必要があります。

どれか1つ決めるのでも大変な作業を、家1軒分するのですから、時間がかかるのは当然といえば当然ですよね。

選ぶ過程まで楽しめるのならいいですが、毎週末、担当者と顔を突き合わせて話し合うのは正直辛いです。

「そこまでやりたくない…」というのなら、建売住宅を買った方が「簡単」ではあります。

ただそんな時期も、家が建ってしまえば楽しい思い出にはなります。

いっときの苦労を惜しまず、将来のためにこのときばかりは家族一丸となって頑張ってみてください。

③「理想」と「実物」が違うことも


何ヶ月も話し合いに話し合いを重ねて、ようやく家が建ったときの喜びや達成感はひとしおです。

ここは建売住宅にはないところでしょう。

でも実は出来上がった家が「理想とは違った」「私の考えていたイメージと違う!!」というのも、注文住宅ではよくあることなんです。

自分で好きなように設計したはずなのに、なぜイメージ通りにはいかないことがあるのかというと、やはり実物を見ないで色々なことを考えなければならないからです。

例えばモデルルームで見た吹き抜けが気に入ったから、「なんとしても我が家にもつけたい!」といって実際につけるとしましょう。

でも吹き抜けって正直、モデルルームのような広いお宅だから映えるものだといえます。

一般的な建坪30坪くらいのお宅だったら、よほど上手に施さないと吹き抜けの良さは活かせません。

「これだったら吹き抜けなんかにしないで上の階を広く使えば良かった…」

なんてことにもなってしまうんですね。

今の時代、どこのメーカーでも設計の段階で3Dの予想図が見られるものです。

確かに3Dは、平面図よりイメージはわきます。

でもやっぱり実物が見られない以上、「イメージ」の中で間取りや色々なことを決めていかなければならず、家が建ったときに「あれ…?」ってなってしまうこともあるんですね。

それを最大限避けるためには、ハウスメーカーの人とよく相談するのにつきます。

「ここ吹き抜けにしたらおかしいですかね?」
「逆にどうゆうところに吹き抜けにするといいでしょうか?」

などと積極的に意見をもとめましょう。

相手は百戦錬磨のプロです。

間取り図を見れば、どんな家になるかは手を取るようにわかるでしょう。

こちらはお客様ですから、彼らは「できません」「やらない方がいいです」とはいいません。

でも一歩踏み込んで意見をもとめれば、「私だったらこうしますね」などのアドバイスをもらえるはずです。

ここでちょっとしたポイントですが、アドバイスをもらうのなら「営業担当者」ではなく、「設計担当者」の方がいいです。

「営業担当者」は、主にお金の話をする人。「設計担当者」は、設計の話をする人です。

また吹き抜けを例にしてみますね。

吹き抜けを付けるのは、どこのメーカーでもまずオプションです。

つまり吹き抜けをつけてもらえば費用が上がるので、営業担当者は「いいですね!」「素敵です!」など前向きな言葉しかいわないんです。

設計担当者もハウスメーカーの人間ですから利益をもとめたいところはあるでしょうが、彼らは設計士としてのプライドがあります。

設計士は「いい家」を作ることでお客様から満足してもらい、それが評価や喜びに繋がるものです。

そのため営業担当者よりはこちらの「味方」というか、こちら目線で話をしてくれる傾向があります。

もちろん人によるところもありますから、費用を高くすることしか考えない設計士もいるかもしれないのでそこは要注意です。

まとめ


注文住宅のメリットとデメリットとともに、家ができるまでの簡単な流れや、大変なところなんかもわかっていただけたんじゃないかと思います。

注文住宅はこだわればこだわるほど、時間とお金がかかります。

その一方、「部分的にこだわりを入れる」「イメージを形にするのが得意」「物事をスパスパ決められる」なんて人は、比較的お金をかけずに、スムーズに入居までこぎつけることもできるでしょう。

建売住宅よりかなり割高ではありますが、注文住宅は費用をかけた分、価値が高く、安心と家族の暮らしやすさにも繋がります。

長く住める、愛着を持って住める、後世にも引き継げる品質という対価には、ある程度の費用を投じる価値があります。

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