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いざマンションを売却しようと考えても、どのような手順で進めていけばいいのかわからないものです。
また、どうせ売るのであれば、少しでも高く売りたいもの。
マンションの効果的な売り方や、良い不動産会社の選び方を知っておけば、通常よりも高値で売れる可能性があります。
とはいえ、
「どうすればマンションを高値で売れる?」
「売るタイミングはいつがいいの?」
「売れなかった場合はどうしたらいい?」
などなど、進め方や売り方がわからず、多くの疑問を抱えている人の方が多いことでしょう。
そこで今回は、マンションの売り方や高値売却のコツ、注意点や売れない場合の対策、必要書類やかかるお金などについてまとめています。
この記事をご覧いただくことで、マンションを安心して売却に出すことができます。
通常よりも高値で売れるようになる可能性がありますので、参考にしてください。
もくじ
今が売り時!2019年のマンション市況から売り時を
読み解く
マンションを売却するのであれば、2019年は良いタイミングなのでしょうか。
売主からすれば、少しでも高値で売れる時期を狙いたいものです。
高く売るためには、市況が良く相場が高い時期に動く必要があります。
ここでは、マンションの売り時とも言われる2019年の様子や、マンション価格の推移について見ていきましょう。
マンション売るなら2019年内がおすすめ
マンションの売却を考えているのであれば、2019年内がタイミングとしては1つおすすめです。
なぜなら、近年マンション価格が上昇しており、2020年以降は価格が下落すると言われているためです。
マンション価格が下落してしまうと、新築だけでなく中古マンションの相場も下がってしまいます。
そのため、少しでも高く売りたい場合は、相場が高く需要があるタイミングを狙うべきです。
ここ数年マンション価格は上昇中
まず、さまざまなデータを見ても、ここ数年のマンション市場相場が上昇していることがわかります。
たとえば、以下は不動産経済研究所の「首都圏新築マンション平均価格」です。
2010年 | 4,716万円 |
2011年 | 4,578万円 |
2012年 | 4,540万円 |
2013年 | 4,929万円 |
2014年 | 5,060万円 |
2015年 | 5,518万円 |
2016年 | 5,490万円 |
2017年 | 5,908万円 |
2010年〜2017年の平均価格ですが、多少の増減はあるものの、基本的に右肩上がりで上昇をしています。
2010年〜2017年の間で平均価格は約1,200万円も高くなっています。
また、一般社団法人日本不動産研究所の「東京23区のマンション価格と賃料の中期予測」のマンション価格推移は、以下の通りです。
2010年 | 78.5 |
2011年 | 77.3 |
2012年 | 77.6 |
2013年 | 81.0 |
2014年 | 85.9 |
2015年 | 93.5 |
2016年 | 93.4 |
2017年 | 98.9 |
2018年 | 101.0 |
2019年 | 100.9 |
2020年 | 98.5 |
2025年 | 95.0 |
2018年までは上昇し、2019年は横ばい、そして2020年から下落する予測となっています。
マンション価格が上昇した理由
上記のように、マンション価格は上昇を続けてきました。
価格が上昇している主な理由は次のとおりです。
- 2013年の日銀金融緩和によって住宅ローンが利用しやすくなった
- 東京オリンピックへ向けたマンション建設や、インフラ整備による建築費の高騰
- 多くの海外マネーが流れ込んでいる
日銀の金融緩和によって住宅ローン金利は非常に低くなり、収入が少ない人でもローンが通りやすくなるなど、マンションを購入しやすくなりました。
また、2020年東京オリンピック開催決定によって、マンションや施設の建設ラッシュ、インフラ整備によって建築費や地価が上昇し、マンション価格に反映されています。
そして比較的リスクも低く、世界の主要都市に比べると価格が安いこともあり、海外投資家が注目し、多くの海外マネーが流れ込んでいます。
こういったこともあり、マンション価格は上昇を続けてきたのです。
今後マンション価格が下がるかもしれない理由
これまで価格が上昇を続けてきたマンション市場ですが、2020年以降は下落していくとの声が多くあります。
下落の引き金になると言われている主な要因は次のとおりです。
- 2019年10月の消費増税
- 2020年東京オリンピック終了
現時点では、2019年10月に現在の消費税8%から10%へ増税予定です。
増税が延期される可能性もありますが、「リーマンショック級の出来事が起きない限り増税する」という方針が変わらないのであれば、10%へ増税されるでしょう。
前回増税時(5%→8%)と同じように、増税後は買い控えが起こる可能性が非常に高いです。
特にマンションのような高額な商品であればなおさらで、多くの人が増税前に駆け込みで購入します。
そして、増税後に需要が冷え込み景気が後退することで、マンション価格も下がってしまいます。
また、現在は東京オリンピック開催前で多くの建設ラッシュ・インフラ整備によって建築費などが高騰し、マンション価格上昇へつながっています。
しかし、オリンピックが終われば、これらも落ち着くと考えられており、景気後退の要因となってしまいます。
消費増税やオリンピック終了することで需要が冷え込み、マンション価格が下落する可能性があるため、価格が高いうちに売却を検討した方がいいでしょう。
マンションの売り方9つのステップ
マンションを売却する場合、どのような進め方をしていくのか事前に把握をしておきましょう。
流れを知っていることで、前もって準備ができ、スムーズに進めていくことができます。
ここでは、マンションの売り方9つのステップについて見ていきましょう。
- 相場を調べる
- 複数業者で比較をする
- 依頼する不動産会社を決定する
- 業者と媒介契約を締結
- 売却価格の決定
- 内覧に備える
- 購入希望者との価格交渉
- 売買契約を締結
- 引き渡し
それでは、売り方の1つ目のステップから紹介していきます。
1.相場を調べる
マンションを売却する際の1つ目のステップとなるのが、相場を調べることです。
自分が売却しようと考えているマンションがいくらぐらいで販売されているか確認をしましょう。
どれくらいの価格で売買されているか知ることで、1つの判断基準を持つことができます。
相場をわかっていないと、査定や交渉の際に損する条件を呑むことになります。
2.複数業者で比較をする
1社ではなく複数業者に査定依頼を出します。
そして、査定金額や業者の特徴を比較します。
3.依頼する不動産会社を決定する
査定金額や特徴をもとに比較した後は、売却を依頼する不動産会社を決定します。
マンションを高値で売るためには業者選びが非常に重要ですので、慎重に決めましょう。
4.業者と媒介契約を締結
依頼する不動産会社を決めたら、業者と媒介契約を締結します。
一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約と3つの媒介契約があります。
以下のようにそれぞれで特徴が異なります。
【一般媒介契約】
複数業者で販売可能。
自ら見つけた相手と直接契約もできる。
レインズへの登録義務や契約の有効期限はない。
【専任媒介契約】
契約締結した業者のみ販売可能。
自ら見つけた相手と直接契約もできる。
契約成立後7日以内にレインズへ登録、契約の有効期限は最長3ヶ月で報告義務は14日に1回以上。
【専属専任媒介契約】
契約締結した業者のみ販売可能。
自ら見つけた相手と直接契約は不可。
契約期間は最長3ヶ月で報告義務は1週間に1回以上。
このように、どの媒介契約を選択するかで内容も異なりますので、事前に決めておきましょう。
5.売却価格の決定
媒介契約を締結した後は、正式な売却価格の決定へと進みます。
価格は不動産会社と相談をして決めることになります。
物件に好材料・好条件が揃っていたり、時間的余裕があれば相場より高くなります。
あまり良い条件がなく時間的余裕もない場合は、相場より安く設定することが多いです。
6.内覧に備える
物件が売れるかどうかは、内覧に大きくかかってきます。
内覧で良い印象をどれだけ与えられるかで、売れる時期や金額が変わってくるため非常に重要です。
内覧を良いものにするために、ハウスクリーニングやホームステージング、資料の作成や丁寧な対応など、しっかりと備えるようにしましょう。
7.購入希望者との価格交渉
購入希望者としては少しでも割安な価格で家を手に入れたいと考えているため、価格交渉を希望するケースは多いです。
そのため、事前にどこまでであれば値下げは可能か決めておきましょう。
また、価格交渉があることも想定して、当初の売却価格を設定する必要があります。
8.売買契約を締結
価格交渉がまとまったら売買契約の締結へと進みます。
売買契約の際には、登記済証もしくは登記識別情報、固定資産税納付書、印鑑証明書など、他にもたくさんの書類の準備が必要です。
スムーズに契約を進められるよう、準備しなければいけない書類は早いタイミングで揃えておきましょう。
9.引き渡し
売買契約の締結が完了した後は、引き渡しとなります。
物件引き渡しの日程に関しては、買主と売主で契約日に決めておきます。
引き渡しの際は鍵の受け渡しだけでなく、売買代金の受領や管理費などの精算も行います。
どうすればマンションは高く売れる?
マンション高値売却13つのコツ
マンションを売るのであれば、少しでも高く売りたいと誰もが考えていることでしょう。
マンションを高値で売るためのコツを事前に把握していれば、通常よりも高く売れる可能性があります。
ここでは、以下13つのマンションを高値売却するための「コツ」について見ていきましょう。
- 事前に価格相場をチェックする
- Webサイトには多くの写真を掲載する
- 物件の強みと弱みを両方載せる
- 複数業者で比較をする
- 販売を得意とする不動産会社を選ぶ
- 焦り売りしないでいいように時間的余裕を持つ
- 安易に値下げをしない
- ハウスクリーニングできれいで清潔感のある室内にする
- 不要品などは室内に置かない
- ホームステージングを利用して魅力的な空間をつくる
- 物件のアピールポイントを整理しておく
- 購入希望者が知りたい情報をまとめておく
- ホームインスペクションで安心感を与える
それでは、一つひとつ紹介していきます。
1.事前に価格相場をチェックする
少しでもマンションを高く売却したいと考えているのであれば、事前に価格相場をチェックするようにしましょう。
売却を考えているマンションと似たような物件がいくらぐらいで販売されているかを知らないと、業者から価格を提示されても高いか安いか判断できません。
また、値下げ交渉を受けた場合の限度ラインの設定も根拠がないものとなってしまいます。
不動産情報サイトで近隣の似たような物件情報を見るなど、自分自身で確認するようにしましょう。
2.Webサイトには多くの写真を掲載する
マンションを高値で売るためにも、まずはたくさんの人に物件に興味を持ってもらう必要があります。
興味を持つ人が増えれば、こちら側の希望価格で購入してくれる人が見つかる可能性が高くなるためです。
興味を持つ人を増やすためにやっておきたいことが、Webサイトには多くの写真を載せることです。
たくさん写真があるほど、興味を持ってくれる人が増える可能性があります。
実際、賃貸マンションや中古マンションなどの不動産情報サイトを見たときに、興味を持った物件や問い合わせをしたマンションは写真が多くありませんでしたか?
写真がたくさんあるほど閲覧者へ提供する物件情報も増えるため安心感にもつながります。
物件への問い合わせを増やすためにも、写真は多く掲載するようにしましょう。
3.物件の強みと弱みを両方載せる
情報サイト等にマンションを載せる場合は、物件の強みと弱みの両方を載せるようにしましょう。
なぜなら、見ている人に安心・信用してもらえるようにするためです。
ネットショッピングなどでも同じことが言えますが、多くの人が商品の特徴だけでなく、弱み・評判などもリサーチしたうえで買う・買わないを決めます。
マンションのような高額な買い物であればなおさらです。
物件の弱みを隠していても、すぐに調べられてバレてしまいます。
そのため、自ら強みだけでなく「弱み」の部分もさらけ出しましょう。
その際大事なのが、ただ弱みを載せるだけでなく、弱み+弱みを解消する内容をセットで載せることが大切です。
たとえば、「西日で室内が暑い」と聞くとネガティブなイメージしかありません。
しかし「西日なので部屋が明るく洗濯物も乾きやすい」「反対側にある寝室は東向きなので、朝日が入って気持ちがいい」など、ネガティブな要素を解消する内容も載せておけば、興味を持ってくれる人が増える可能性があります。
見ている人が勝手に弱みを見つけ出して物件への興味を失うことがないように、自ら強みと弱みを載せて、さらに興味を持ってくれるようにしましょう。
4.複数業者で比較をする
マンションを高く売るためのコツの1つが、複数業者で比較をすることです。
マンションに限ったことではありませんが、業者によって査定基準が異なります。
同じ物件であっても「A社の査定金額は2,000万円だったが、B社は2,200万円でC社は2,120万円だった」など、提示される金額に差が生じてしまいます。
査定金額=売却金額ではないですし、高ければ良いというわけではありませんが、実績やノウハウに基づいた根拠、そして自信がなければ高い金額を提示することはできません。
知人が紹介してくれた業者、家の近くにある不動産会社など、最初から1社に絞るのではなく、複数業者で査定を行いましょう。
ある程度査定金額が高い業者の中から依頼するところを決めるようにしましょう。
そうすることで、通常よりも高値で売却することが可能です。
不動産一括査定サイトを活用すれば、1回の情報入力で複数の不動産会社に査定依頼を出せるため、時間もかかりません。
5.販売を得意とする不動産会社を選ぶ
不動産一括査定サイトなどを活用し、複数業者で比較をする際、査定金額の高さだけでなく、販売を得意とする不動産会社を選ぶようにしましょう。
業者によって賃貸に強いところもあれば、販売を得意とする不動産会社もあります。
賃貸に強い業者に任せても、ノウハウが少ないため通常よりも売却金額が安くなってしまう可能性があります。
一方、販売を得意とする不動産会社であれば、実績豊富でノウハウも蓄積されているため、通常より高く売れる可能性があります。
また、販売を得意とする不動産会社の中でも該当エリアに強みを持つところを選ぶようにしましょう。
不動産はエリアによって市場が異なるため、該当エリアを得意とする業者を選ぶことが重要です。
査定金額がある程度高く、販売を得意として物件のエリアに強い業者を選ぶことで、高値での売却が実現可能です。
6.焦り売りしないで、いいように時間的余裕を持つ
高値で売却したいのであれば、時間的余裕を持って売却に臨むべきです。
「1ヶ月半で売却しないといけない」など、売却期間に時間的余裕がない場合は、どうしても高く売ることより早く売ることを優先しないといけなくなります。
早く売る場合は、時間的制約から条件が甘くなりがちです。
そのため、売却価格も安くなり、当初想定していた売却益が遥かに少なくなる可能性があります。
時間的余裕があれば早く売る必要がないため、自分が希望する価格で販売を続けることが可能です。
焦り売りしないでいいように、時間的余裕を持って売却するようにしましょう。
そうすることで、通常よりも高値で売却できる可能性があります。
7.安易に値下げをしない
あたりまえの話ですが、高値で売却したいのであれば簡単に値下げをしないことです。
購入希望者から価格交渉を受けた際や、物件の問い合わせが少ない場合に、安易に値下げをしないようにしましょう。
もし、値下げをするとしても、事前に値下げ可能なラインを決めておくことです。
8.ハウスクリーニングできれいで清潔感のある室内にする
スポンサードリンクマンションを高く売りたい場合は、事前にハウスクリーニングを利用して室内をきれいにしておきましょう。
高値で売るためには、購入希望者が内覧をする際に好印象を与える必要があります。
どれだけ、Webサイト等で印象の良い物件だとしても、内覧で良い印象を与えることができなければ、高値での売却は難しいばかりか購入してもらえない可能性が高くなります。
通常よりも高く売りたいのであれば、内覧は非常に重要なポイントです。
そして、内覧で良い印象を与えるためにしておきたいことの1つが、事前のハウスクリーニングです。
床や壁、水回りなど、長年の使用によって汚れが溜まっている可能性があります。
購入希望者からすれば、高い買い物をするわけなので、汚れが目立つようなマンションだと購買意欲が低下してしまいます。
プロの手で隅々まで清掃をしてもらうことで、きれいで清潔感のある室内を実現できます。
きれいで清潔感のある空間づくりができれば、購買意欲の低下を防ぎ、通常よりも高値で売却することが可能です。
ハウスクリーニングを利用するにはコストがかかりますが、必要経費と捉え、きれいにすることを重視しましょう。
9.不要品などは室内に置かない
現在、住んでいるマンションを売却する場合は、不要品などを室内に置かないようにしましょう。
不要品などがあると、散らかっているように見えて室内が狭く感じてしまうなど、良い印象を与えることはありません。
内覧をする場合は、事前に不要品を別の場所に移動させておくか、処分するなどしておきましょう。
不要品があると、マイナスにはなってもプラスに働くことはありません。
せっかく良い物件でも不要品があるせいで魅力が伝わりきれなかった、ということもありますので注意が必要です。
10.ホームステージングを利用して魅力的な空間をつくる
マンションを少しでも高く売却したいのであれば、ホームステージングの利用を検討するといいでしょう。
ホームステージングとは、売却するマンションの室内に家具・インテリア等を配置し、モデルルームのような空間をつくるサービスのことです。
売却するマンションのターゲット層を意識した魅力的な空間をコーディネートし、売れる物件を演出してくれます。
ターゲットに向けた空間づくりをしてくれるのが、ホームステージングの特徴です。
また、業者によってはホームステージングだけでなく、不要品の一時預かりや売却期間中のアドバイス・コンサルティングなども行うケースもあります。
11.物件のアピールポイントを整理しておく
内覧の際に検討者に渡せるよう、物件のアピールポイントを整理した資料を準備しておきましょう。
資料にまとめておけば、内覧後も時間がある際に読んでもらえますし、内覧の際に説明できなかったことも訴求できます。
内覧の際に時間が取れる人ばかりではないですし、説明をしてもすべてが伝わるとは限りません。
そのため、内覧後に検討がしやすいように、こういった資料を準備しておくことはとても大切です。
資料が決め手となり売買が成立する可能性もあります。
12.購入希望者が知りたい情報をまとめておく
内覧の前に購入希望者が知りたいであろう情報をまとめておきましょう。
- 共用施設のルール
- 日当たりや風通し
- マンション内や近隣住民のトラブル
- 地域の治安
- マンション住民のコミュニティ
- 管理費や修繕積立金
- 長期修繕計画
- 固定資産税
- 近くのスーパーや商業施設
- 美味しい飲食店
- 幼稚園や学校の評判
など、マンションの購入を検討している人は、さまざまなことが気になるものです。
不動産サイトに載っている情報はごく一部であり、その他多くの情報も考慮したうえで、購入するかどうかを判断します。
購入希望者が知りたいであろうこと、居住者でなければわからないことを中心に情報をまとめ、内覧の際に聞かれたときにしっかりと答えられるようにしておきましょう。
また、物件のアピールポイント同様、資料にまとめておいてもいいでしょう。
13.ホームインスペクションで安心感を与える
ホームインスペクションを実施すれば、マンションが高値で売れる可能性があります。
ホームインスペクションとは、第三者の専門家が行う住宅診断のことです。
住宅に精通したホームインスペクターが、欠陥の有無や劣化状況、改修箇所などについて丁寧に調査を行います。
中古住宅の流通が普及しているアメリカでは、住宅取引の7割〜9割程度でホームインスペクションが実施されている洲もあります。
ホームインスペクターは、壁や床、天井、サッシ、ドア、給水設備、給湯設備、排水設備…など、他にもたくさんの箇所をチェックしてくれて、現在の状況や今後のメンテナンス状況などを客観的に教えてくれます。
ホームインスペクションを実施しておくことで、第三者の専門家から見た家の状況が確認できるため、購入希望者は安心感を得ることができます。
ホームインスペクションは業者によって料金が異なります。
目視であれば5万〜6万円程度、機材を使っての診断であれば10万円以上は見ておいた方がいいでしょう。
コストはかかりますが、説得力があり大きな安心材料となります。
信頼できる不動産会社の選び方
満足のいくマンションの売り方をするためには、信頼できる不動産会社への依頼が不可欠です。
信頼できる不動産会社をパートナーにできれば、通常より高値で、かつ、スピーディーに売れる可能性があります。
ここでは、信頼できる不動産会社の選び方について見ていきましょう。
- 業者の免許番号更新回数を確認する
- 一括査定をして価格の高い業者を選ぶ
- 担当者が熱意があり親身に相談に乗ってくれるか
- 業者の実績を確認する
- 該当エリアを得意とする業者を選ぶ
- 販売に強い業者を選ぶ
- 口コミや評判を確認する
上記7つのポイントを1つずつ紹介していきます。
1.業者の免許番号更新回数を確認する
信頼できる不動産会社の選び方の1つが、免許番号の更新回数を確認することです。
マンションなどを仲介するには宅地建物取引業の免許が必要であり、業者には免許番号が割りあてられます。
そして、免許番号には「免許更新回数」が記載されるようになっています。
「東京都知事(2)第〜〜〜〜号」という免許番号表記であり、()内が更新回数です。
免許は5年に1度更新が必要となっているため、更新回数が多いほど業歴が長い不動産会社であることを表します。
ただし、更新回数が多いことが、必ずしも信頼できる不動産会社につながるというわけではありません。
更新回数が多く業歴が長い不動産会社でも信頼できないようなところはありますし、更新回数が少なくても立派で信頼できる業者はたくさんあります。
そのため、免許番号の更新回数はあくまでも参考指標の1つと捉えるようにしましょう。
2.一括査定をして価格の高い業者を選ぶ
一括査定をして査定価格が高い不動産会社を選ぶのも1つのポイントです。
少しでも高く売却をしたい売主にとって、査定価格があまりにも安い業者は信頼どころではありません。
最初から依頼する業者を1社に絞ってしまうと「買取価格は他より高いです」と言われても、その業者が本当に高いのかどうか判断できません。
一括査定サイトを活用すれば、複数業者に査定依頼を出すことができるため、査定金額が高い業者に依頼することが可能です。
もちろん、異常に査定金額が高い場合は怪しんだ方がいいですが、相場並み、もしくは相場より少し高い業者であれば信頼できる可能性があります。
査定金額がある程度高いうえで、他の要素もチェックして信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
3.担当者が熱意があり親身に相談に乗ってくれるか
担当者の雰囲気や対応などは、信頼できる不動産会社を選ぶうえで、大事なポイントの1つです。
担当者にどれだけ熱意があって、相談にも親身に乗ってくれるか、できれば確認しましょう。
担当者は業者の窓口であるため、一生懸命取り組んでくれて仕事もできる人であれば、非常に頼もしいものです。
逆に、担当者に熱意が感じられず、親身に相談にも乗ってくれない場合は避けた方がいいでしょう。
また、担当者の礼儀・マナーがなっていない場合や約束を守らないなど、仕事の仕方に問題がある際も同様です。
どのような業者・担当者に売却を依頼するかで、売却価格や売却までの期間も変わってきます。
そのため、担当者に熱意があり、親身に相談に乗ってくれる業者の中から選ぶようにしましょう。
少なくとも業者絵選びに失敗する可能性は低くなるはずです。
4.業者の実績を確認する
信頼できる不動産会社を選ぶためにも、業者の実績を確認するようにしましょう。
不動産会社にとって、これまでどのような物件を仲介してきたかは、非常に重要なアピールポイントです。
そのため、多くの業者がホームページに実績を掲載しています。
業者選びをする際は、これまでどのような物件を取り扱ってきたのか、数や内容を確認しましょう。
実績が豊富であれば、たくさんのノウハウも蓄積されているでしょうし、それだけ多くの人が選んだ業者だということです。
不動産会社を選ぶ際は、ある程度実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
5.該当エリアを得意とする業者を選ぶ
信頼できる不動産会社を選ぶために、物件のあるエリアに強い業者を選ぶようにしましょう。
地域ごとに特性があるため、その地域に強い不動産会社を選ぶことで、より高く・スピーディーに売却できる可能性があります。
いかに知名度の高い大手であっても、そのエリアに精通していない場合は、売却が上手く進まないことは決して珍しいことではありません。
該当エリアに精通した業者であれば、ノウハウが蓄積されており、効率の良いプロモーションやアプローチができるため、満足のいく結果が出る可能性があります。
物件のあるエリアに強い不動産会社を選ぶことも1つの基準です。
6.販売に強い業者を選ぶ
販売に強い業者を選ぶことも、信頼できる不動産会社を選ぶためのポイントの1つです。
業者によって賃貸を得意とすることもあれば、販売に強い場合もあります。
賃貸を得意とする業者に売却の依頼をしても、良い結果は期待できません。
賃貸のノウハウはあっても、売却に関するノウハウは他社より少ないためです。
しかも、賃貸を本業としているため、どうしても販売は後回しになってしまいます。
販売に強い業者であれば、多くのノウハウをベースに効果的なプロモーションで物件を強力にプッシュしてくれます。
業者は仲介手数料等をメインの収益としているため、一生懸命販売をしてくれるのです。
ホームページを見て賃貸物件がメインで載っていて、販売物件がほとんど載っていない業者は避けたほうが無難でしょう。
7.口コミや評判を確認する
信頼できる不動産会社を選びたい場合は、口コミや評判も確認をしましょう。
良い評判が多いから安心できる、悪い口コミが多いと利用するのは危険と、必ずしもそういうわけではありません。
しかし、良い業者であれば自ずと良い口コミ・評判がたくさんあるものです。
逆に悪い業者であれば口コミや評判も悪いものが目立つようになります。
信憑性の低い口コミ・評判が見られることもありますが、1つの参考指標としてチェックはした方がいいでしょう。
信憑性の高いものであれば、実際に業者を利用した人の感想を知ることができます。
これを見れば一目瞭然!
マンション売却時のお金と書類まとめ
「マンションの売却を考えているけど、どのような費用がかかる?」
「売却する際はどんな書類を準備すればいい?」
など、お金や必要書類について疑問を持っている人も多いことでしょう。
ここでは、マンション売却の際にかかるお金や必要書類についてまとめています。
ぜひ参考にしてください。
マンションを売る時にかかるお金・税金まとめ
マンションを売却する際に、どのようなお金・税金がかかるか把握しておきましょう。
「マンション売却=お金が入ってくる」というイメージが強いかもしれませんが、さまざまな費用がかかります。
それぞれの費用について見ていきましょう。
マンション「売却時」にかかるお金まとめ
まずは、売却する際にかかるお金について紹介していきます。
どのようなお金がかかるか把握し、具体的に資金計画を立てるようにしましょう。
1.仲介手数料
不動産会社の仲介によってマンションを売却する場合は、業者に対して仲介手数料がかかります。
仲介手数料は宅地建物取引業法によって、以下のように上限が定められています。
売買価格 | 取引額 |
200万円以下の部分 | 5%以内 |
200万円超400万円以下の部分 | 4%以内 |
400万円超の部分 | 3%以内 |
そして、売買価格が400万円を超える場合は、次の速算法で上限を算出可能です。
【(売買価格×3%+6万円)+消費税】
例えば売買価格が4,000万円の場合は、仲介手数料上限は136万800円となります。
あくまでもこれらは上限であり、業者によって上限いっぱい請求するところもあれば、半額程度の場合もあります。
2.印紙税
マンションを売却する際は印紙税がかかります。
印紙税とは、売買契約書に添付する印紙代のことで、以下のように売買価格によって金額が異なります。
売買価格 | 印紙税 |
1,000万円以下 | 5,000円 |
5,000万円以下 | 10,000円 |
1億円以下 | 30,000円 |
5億円以下 | 60,000円 |
3.登録免許税
登録免許税とは、抵当権の抹消費用や住所変更登記の費用のことです。
売却するマンションに住宅ローンが残っている場合は、ローン完済後、抵当権を抹消する必要があります。
抵当権の抹消に関しては司法書士に委託するのが一般的で、費用は不動産1件につき1,000円です。
そして、新しい家に住み替えをするにあたり、住所変更登記も必要になります。
こちらも司法書士に委託するのが一般的で、手続きには1,000円かかります。
また、抵当権抹消登記、住所変更登記、どちらも司法書士に委託をすることから司法書士の報酬が1万円〜3万円程度必要です。
4.追加の広告費
追加の広告費は必ず支払わなければならないものではありません。
しかし、業者によっては売却途中で依頼をしたチラシ代などの広告費を請求してくることがあります。
不動産会社へ支払う費用は、基本的には仲介手数料のみですが、稀にこのような業者もあります。
事前に仲介手数料以外の費用がかかるかどうか確認しておきましょう。
5.住宅ローン一括返済時の繰上返済手数料
マンションを売却する際は、住宅ローンを完済する必要があります。
完済をする場合は、金融機関が定める繰上返済手数料がかかりますので、事前に確認しておきましょう。
なかには繰上返済手数料が無料の金融機関もありますが、およそ5,000円〜3万円が相場です。
6.引越し費用
マンションの売却にあたり、引越し費用も必要になってきます。
売却するマンションから新しい家へ引越しをしなければならないためです。
場合によっては、マンション→仮住まい→新しい家と、2回分の引越し費用がかかります。
引越し費用は荷物量や移動距離などにより異なりますが、10万円〜30万円程度は考えておいた方がいいでしょう。
7.仮住まい費用
マンションを売却した後に住み替え先を探す場合は、一度仮住まいで生活をする必要があります。
新居が決まるまでに時間がかかるケースもあるため、費用負担が大きい可能性があります。
どのような仮住まいにどれくらいの期間住むかシミュレーションを行い、資金計画を立てましょう。
8.新居にかかる費用
マンション売却後になりますが、新居関連の費用もかかります。
新居の取得費用や購入資金、火災保険料、不動産取得税、仲介手数料、住宅ローンと新居購入の諸費用、家具・家電の購入費など、さまざまな費用がかかってきます。
9.譲渡所得税
マンション売却後にはなりますが、売却をして利益が出た場合(譲渡所得)は翌年に譲渡所得税がかかります。
譲渡所得とは、
【売却価格−(取得費用+売却費用)】
上記で算出でき、以下の所有期間に応じた税率が課せられます。
所有期間5年以下 | 短期譲渡所得 30.63% |
所有期間5年超 | 長期譲渡所得 15.315% |
ただし、3,000万円特別控除、買い替え特例、軽減税率の特例などもあるため、よほど譲渡所得が高くなければ、税金はかかりません。
また、譲渡所得税以外にも住民税がかかります。
住民税の税率に関しても所有期間によって異なります。
- 短期譲渡所得 9%
- 長期譲渡所得 5%
マンション売却時に「戻ってくる」お金まとめ
マンションを売却することでかかる費用もあれば、戻ってくるお金もあります。
資金計画を立てるうえでも把握が必要な内容ですので、売却によって戻ってくる主なお金について見ていきましょう。
1.火災保険料
マンションを売却すると火災保険料が戻ってきます。
一般的に、火災保険料は住宅ローンを利用する際に一括支払いしているものです。
そのため、売却することで残っている期間分の保険料が戻ってきます。
つまり、住宅ローンの返済期間が長く残っているほど、戻ってくる保険料も多くなります。
ただし、自ら解約手続きをする必要があるため忘れないようにしましょう。
2.住宅ローン保証金
マンション売却後、住宅ローン保証金も戻ってきます。
住宅ローン保証金は、ローンを利用する際に保証会社に支払っているお金です。
火災保険料同様、最初の時点でローン返済期間分を一括で支払っています。
そのため、マンションを売却したら残りの期間分の保証金が戻ってきます。
どれくらい戻ってくるか知りたい場合は保証会社に確認をしましょう。
3.管理費や修繕積立金
マンションを売却すると管理費や修繕積立金を買主に請求できます。
管理費や修繕積立金は月払いとなるため、支払いをした月分を日割り計算し、買主に請求することでお金が戻ってきます。
管理費や修繕積立金自体がそれほど大きな金額ではないため、戻ってくる金額は少ないですが、しっかりと把握しておきましょう。
4.固定資産税
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に対してかかる税金です。
マンション売却時点で既に支払い済みの固定資産税がある場合は、買主に請求ができます。
仲介業者が日割り計算をして買主に請求するため、売主は特別やることはありませんが、固定資産税が戻ってくることも覚えておきましょう。
マンションを売るときに必要な書類まとめ
マンションを売却する際は、さまざまな書類を準備する必要があります。
準備に時間がかかる書類もありますので、どのような書類が必要かを把握し、早い段階から動き出すようにしましょう。
ここでは、マンションを売る際に必要な書類について紹介しています。
本人確認書類
マンションを売るときには本人確認書類が必要です。
具体的には運転免許証や健康保険証などの身分証明書、そして、住民票や印鑑証明書、実印などを揃える必要があります。
一般的に住民票や印鑑証明書は発行から3ヶ月以内ものです。
登記済権利書もしくは登記識別情報
マンションを売却する際は、登記済権利書もしくは登記識別情報も必要です。
これらの書類は所有者であることを証明するために必要で、法務局で交付されます。
不動産登記法が改正された2005年以降に取得した物件であれば、登記識別情報が発行されるケースもあります。
マンションの管理規約、使用細則、維持関連の書類
管理規約や使用細則、維持関連の書類も必要になってきます。
どのような管理がなされているのか、ルールはどうなっているのかなど、中古マンションを選ぶ人からすると物件の管理関連は非常に気になる点です。
マンションは管理を買えと言われるほど、資産価値を保つためにも重要なポイントになります。
そのため、これらの書類を準備する必要があります。
また、買主からすると、入居後にかかる管理費や修繕積立金の確認にもなります。
ローン残高証明書もしくはローン返済予定表
引き渡しをする際にローン残債を知らせるために必要な書類です。
振込先の情報
銀行口座の通帳など、振込先の情報が必要です。
売主から買主へ振込先情報を伝え、売買代金を振込みしてもらいます。
購入時の契約書や重要事項説明書、パンフレット
マンション購入時の売買契約書や重要事項説明書、パンフレットなどがあれば用意しましょう。
買主にとっても安心材料となります。
物件の図面
売買するマンションの間取りを正確に確認できるように図面を用意しておきましょう。
設備の仕様書
設備の仕様書についても準備しておく必要があります。
リフォームをして新しい設備機器に取り替えた場合は、その設備の仕様書が必要です。
仕様書・説明書・保証書などがあることで、買主は安心して設備を利用できます。
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
しっかりと固定資産税が納税されているかどうか、金額はいくらか確認をします。
また、移転登記をするときなど、登録免許税の算出にも使われます。
自分に戻ってくるお金にも関係してくるため、必ず最新のものを用意してください。
マンションを売る際の注意点7つ
マンションを売却する際には、注意しなければならないこともあります。
これらの注意点を知らずに進めていると、あとで後悔する可能性があります。
ここでは、マンションを売る際の主な7つの注意点について確認していきましょう。
- 高すぎる査定額を出してくる不動産会社には注意
- 売却時には住宅ローンを一括で返済する必要あり
- マンションを売る前のリフォームは最低限に留める
- 仲介手数料などの費用がかかる
- はじめから1社に絞って査定・売却を進めない
- 住み替え先をどうするか決めておく
- 確定申告を忘れないようにする
それでは、1つ目の注意点から紹介していきます。
1.高すぎる査定額を出してくる不動産会社には注意
複数業者で査定をしてもらい、あまりにも高い査定金額を提示してくる業者には注意しましょう。
売却する側としては少しでも高く売れれば本望ですが、売却価格は市場との需給バランスで成り立っており、あまりに高い金額は非現実的です。
しかし、高すぎる査定金額を出してくる業者は決して珍しくありません。
なぜ高い金額を提示するかというと、その業者に売却を任せてほしいためです。
業者としては売却に成功すれば仲介手数料をもらえるため、できれば多くの物件を担当したいと考えています。
そのため、他社よりもうんと高い金額を提示し、顧客の興味を惹こうとするのです。
仮に高めの金額で販売をしても「もう少し安くした方が早く売れる」などを理由に、価格を適正な水準に戻していきます。
他社と同じくらいの査定金額であればまだいいですが、突出して高い場合は注意が必要です。
2.売却時には住宅ローンを一括で返済する必要あり
マンションを売る際の注意点の1つが、住宅ローンを一括返済する必要があることです。
住宅ローンを利用している場合は、売却に伴い一括でローンを完済しなければなりません。
そのため、住宅ローン残高より売却価格が安い場合は、不足分を他の資産で補う必要があります。
他の資産で補えない場合は、別のローンを利用して補填する方法もありますが、住宅ローンより金利が高いため返済も大変です。
明らかに売却価格が住宅ローン残高より少なく、不足分が発生しそうな場合は、どのような方法で補填するか考えておきましょう。
場合によっては、売却を再検討することも必要です。
住宅ローン残高よりも売却価格の方が高い場合は、ローンを一括返済できるため問題ありません。
3.マンションを売る前のリフォームは最低限に留める
「室内をフルリフォームしていた方が高く売れるのでは?」と考えがちですが、リフォームに力を入れるほど売れにくくなる可能性もあるため注意が必要です。
中古マンションを探している人の中には、フルリフォーム済みの物件を探している人もいますが、購入後に自分たちの希望どおりリフォームをしたいと考えている人も多いです。
そのため、価格や間取り、立地などの条件が合う物件が見つかっても、リフォームしすぎていることが理由で選択肢から外れることもあります。
特に築年数が古い中古マンションの場合は、購入後にリフォーム・リノベーションを施し、自分たちに合った空間づくりをしたいと考えている人がたくさんいます。
売却前のリフォームは最低限に留めておきましょう。
4.仲介手数料などの費用がかかる
マンションの売却=お金が入ってくるというイメージしか持っていない人もいますが、費用もかかるため注意が必要です。
不動産会社へ支払う仲介手数料や、金融機関への一括返済手数料などがあります。
特に仲介手数料は大きなコストとなるため、事前にどれくらいかかるかリサーチしましょう。
これらの費用も考慮したうえで資金計画を立てるようにしましょう。
5.はじめから1社に絞って査定・売却を進めない
マンションを売却する場合は、はじめから査定・売却依頼先を1社に絞らないようにしましょう。
「知人の紹介だから」などを理由に業者を決めるのもいいですが、不動産会社によって提示される査定金額に差がありますし、どれだけ販売に強いかも異なります。
ある程度査定金額が高く、そのエリアの販売に強い業者に依頼をしないと高値で売ることは難しいです。
そのためにも、はじめから1社に絞るのではなく、複数業者を比較したうえで依頼する業者を決める必要があります。
安易に業者を決めて、その業者が査定金額が低く販売実績やノウハウが乏しい業者だった場合は、通常より安値での売却になる可能性があるため注意が必要です。
6.住み替え先をどうするか決めておく
マンションを売る際は、事前に売却後の住み替え先をどうするか考えておきましょう。
売却前・売却後のどちらのタイミングで住み替え先を見つけ引っ越しをするかで、資金計画も変わってきます。
たとえば、売却前に住み替え先を確保する場合は、売却益を受け取る前に住み替え先の住居費が必要です。
購入をする場合は、かなりまとまったお金が必要になります。
売却後に住み替え先を確保する場合は、売却益を得た後に探せるため、住居費に困ることは少なくなります。
ただし、マンションを売却して新しい住み替え先が決まるまでに、仮住まいで暮らす必要があります。
仮住まい費用と2回分の引っ越し費用(マンション→仮住まい、仮住まい→新しい住居)がかかりますので注意してください。
資金状況にもよりますが、どのタイミングで住み替え先を確保するかによって資金計画が大きく変わってきます。
7.確定申告を忘れないようにする
マンションを売却したあとは、確定申告を忘れないようにしてください。
毎年、確定申告をしている自営業やフリーランス、役員の方などであれば大丈夫ですが、サラリーマンやOLなど普段確定申告をしない人たちは注意が必要です。
売却後、翌年2月〜3月に確定申告を行います。
売却益が出た場合も3,000万円特別控除などがありますし、損失が出たとしても損益通算や繰越控除が可能です。
そのため、どちらの場合も大幅な節税が期待できます。
確定申告が初めての人にとっては非常に面倒で難しい作業に感じるかもしれませんが、確定申告に関する本もたくさん売られています。
弥生やfreeeなどのソフト、税理士へ依頼することも可能です。
まずは、確定申告をしないといけないことを忘れないようにしましょう。
マンションが売れない時はどうすればいい?
マンションが売れない場合、うすればいいのでしょうか。
対策には「値下げ」や「買取」などがあります。
これらの対策を講じることにより、売却できる可能性が高くなります。
ここでは、マンションが売れない場合の対策と、注意点について見ていきましょう。
これらを把握しておくことで、売れない場合もスムーズに対処ができるようになります。
次の一手を打つのはいつがべスト?値下げの判断ポイント
マンションが売れない場合に効果的な対策の1つが値下げです。
値下げをすれば、より多くの人に興味が持ってくれますし、価格がネックで検討を止めていた人が購入へ踏み切る可能性があります。
値下げをするかどうかの判断ポイントは、物件や市場の状況、経済的理由などによって異なるため、必ずしも「◯◯のタイミングで値下げした方がいい!」というものはありません。
しかし、以下のポイントを基準として値下げへ踏み切る人は少なくないため、ぜひ参考にしてください。
1年以上売れない場合
マンションを売りに出して1年以上売れない場合は、さすがに値下げをした方がいいでしょう。
なぜなら、1年も売れないということは、この先も売れない可能性があるためです。
長期間売れずにいると、資金の面など、さまざまな計画に狂いが生じてしまいます。
もし、1年以上売れていなくて値下げをする場合は、僅かな金額ではなく大胆な値下げが必要になってくるでしょう。
エリアの相場よりも高くなった場合
相場は常に一定ではないため、景気や周辺状況の変化で相場が下がり、売却価格が割高になる場合があります。
よほど付加価値のあるマンションであれば相場より多少高くても売れますが、現在でも売れていないうえに目立った付加価値がない場合は、値下げをしないと売れない可能性があります。
割高に感じる物件は、最初から検討候補に入ることも少ないため、問い合わせや内覧件数も著しく少なくなってしまいます。
相場より高くなった場合は、相場と比較して適正なラインまで値下げをするといいでしょう。
早く売りたい場合
経済的事情などがあって少しでも早く売らないといけない場合は、値下げを検討した方がいいでしょう。
仮に買取に出すにしても、多少値下げをして仲介で売却した方が多くのお金が入ってきます。
「あと2ヶ月で売らないといけない」「◯月までにはお金が欲しい」など、明確なタイムリミットがあり、時期が迫っている場合は積極的に値下げに動かないと、間に合わなくなってしまいます。
早く売りたいときは「買取制度」も検討する
マンションを早く売りたい場合は、買取を利用するのも1つのポイントです。
買取とはその名の通り、業者に買い取ってもらう方法であり、仲介とは違う以下のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- 確実に売却(買取)できる
- 現金化までのスピードが早い
- 瑕疵担保責任に問われない
- リフォーム費用が必要ない
- 売りに出していることが近所にバレない
仲介だと対個人での販売で、物件がいつ売れるか保証がありません。
販売を開始して1年以上売れていない物件もたくさんあります。
売れなければお金も入ってこないため、次の新しい生活の資金計画も崩れる可能性があります。
買取であれば個人ではなく業者が買い取ってくれるため、すぐに売却が完了し、お金が入ってきます。
買取をした業者がリフォームをして転売するため、リフォーム費用も必要ないことがありますし、瑕疵担保責任にも問われません。
【デメリット】
- 仲介よりも金額が安い
買取の大きなデメリットとなるのが、仲介で売却するよりも金額が安いことです。
買取価格は、仲介の相場より2割〜3割前後は下がります。
そのため、仲介よりスピーディーで確実に売ることはできますが、当初考えていたほどのお金が入ってくることはありません。
仲介の売却価格が2,000万円だとしたら、買取の場合は1,400万〜1,600万円程度です。
場合によってはさらに安いケースもあります。
仲介よりも安い金額に合意できなければ買取を利用することはできません。
これらのメリット・デメリットを把握したうえで、買取制度も検討してみるといいでしょう。
マンションを住み替える際のポイント・注意点
マンションを住み替える際には、注意点もあります。
どのような注意点があるか知らずに進めてしまうと、当初の資金計画が狂い、資金の捻出が難しくなる可能性があります。
ここでは、マンションを住み替える際の主なポイントや注意点について紹介していますので、参考にしてください。
「マンションを売る」「住み替え先を買う」どちらを優先するか決める
マンションを売却後に新しい家に住み替えをする場合は、「マンションを売る」「住み替え先を買う」どちらを先にするか、事前に決めておく必要があります。
どちらを先に優先するかで、行動スケジュールや資金計画も大きく変わってくるため非常に重要です。
以下は、それぞれを優先した場合の主なメリット・デメリットです。
先にマンションを売る
先にマンションを売る場合は、売却して得たお金を住み替え先の購入資金に充てることができます。
そのため、売却益によっては新居を住宅ローン利用なしで購入することも可能です。
また、売却した後にじっくりと時間をかけて住まい探しができるため、理想に近い家を見つけられる可能性があります。
ただし、マンション売却後は仮住まいが必要になるため、その費用負担も考えておかなければなりません。
先に住み替え先を買う
マンションを売却する前に住み替え先を買う場合は、購入資金にマンションの売却代金を充てることができないため、別途資金を用意する必要があります。
そのため、住宅ローン残債が少ない人や完済している人、資金的に余裕がある人におすすめの方法です。
先に住み替え先を確保できれば、マンションを空室にできるため売却もしやすくなります。
また、先にマンションを売る方法のように仮住まいを用意する必要がありません。
ただし、この方法を利用する場合は、経済的余裕がないと難しいため慎重に進めるようにしましょう。
このように、「マンションを売る」「住み替え先を買う」でメリット・デメリットが異なりますし、進め方も変わってきます。
経済面を考慮したうえで、どちらの方法で進めていくか事前に決めるようにしてください。
先に住み替え先を確保する場合は、つなぎ融資も検討
マンション売却前に住み替え先を確保する場合は、まとまった資金が必要です。
売却後に探す場合は売却して得たお金を使用することができますが、売却前なので自己資金等で住宅費用を賄う必要があります。
経済的余裕がある人であればいいですが、そうでない人にとっては住まい費用の捻出が難しいです。
そこで検討したいのが、つなぎ融資です。
つなぎ融資を利用すれば、まとまった自己資金がなくても住み替え先を購入することができます。
ただし、利息や手数料はかかりますし、金利は3%前後と住宅ローンよりも高めです。
ただし、つなぎ融資を取り扱っている金融機関はそれほど多くないため、必ずしも希望する金融機関でつなぎ融資を利用できるとは限りません。
また、つなぎ融資の借入期間は6ヶ月〜1年間が一般的です。
そのため、借入金額が少なくても毎月の返済金額は高くなる傾向があります。
つなぎ融資を利用する際は、これらのことにも注意して利用するようにしましょう。
引っ越し費用がかかることも念頭に置く
マンションから新居へ住み替える際は、引っ越し費用もかかります。
事前に資金計画を立てる際に、忘れないように盛り込むようにしましょう。
また、売却前に住み替え先を確保している場合は1回の引っ越しでいいですが、売却後に家探しをするのであれば2回の引っ越しが必要です。
マンションから仮住まいへの引っ越し、仮住まいから新居への引っ越しと、比較的短期間のうちに2度の引っ越しを行うため、コストがかかります。
体力的にしんどく感じる可能性もあります。
家の大きさや荷物の量にもよりますが、1回あたり20万円〜30万円かかることも珍しくありません。
引っ越し費用や仮住まい費用についても考慮したうえで資金の準備をおこなってください。
離婚後のマンションを売る際のポイント・注意点
離婚が理由でマンションを売却する人もいることでしょう。
離婚後も元夫・元妻のどちらかが住んでいくのとは違い、売却する場合はいくつか気をつけたいポイントがあります。
事前に売却の際のポイントや注意点を知っておけば、よりスムーズに進めていくことが可能です。
ここでは、離婚後のマンションを売る際の主なポイント・注意点について確認していきましょう。
売却をしたら財産分与する
離婚後マンションを売却する人も多いです。
売却する場合、まずは住宅ローンを返済しなくてはいけません。
そのうえで、売却益を元夫・元妻で財産分与します。
財産分与をする際は、元夫・元妻で2分の1ずつです。
そのため、住宅ローン契約者や家の名義が夫だからといって、売却益をすべて受け取れるわけではありません。
また、マンションを売却しても住宅ローンが残る場合は、他の資産を充てるなどして返済する必要がありますので注意してください。
財産分与に関しては、マンションの引き渡しが終わってからとなります。
売却金額で住宅ローンを完済できない場合(オーバーローン)
離婚後マンションを売却して、住宅ローンを完済できるのであれば何の問題もありませんが、売却してもローン完済ができない場合は抵当権の抹消ができません。
そのため、マンションの売却をあきらめるか、他の資産やローンを利用して住宅ローンを完済するか、どちらかで進めていく必要があります。
他の資産やローンを利用する場合は、以下のような方法があります。
- 貯金や保険の解約金など夫婦の共有財産
- 無担保ローンでお金を借りる
貯金や保険の解約金など共有財産がある場合は、そこから不足分を補完できるように動きましょう。
離婚後の清算方法などもあらかじめ決めておけば、揉めることもないでしょう。
また、共有財産などからの捻出が難しい場合は、無担保ローンを利用する方法もあります。
ほとんどの金融機関で無担保ローンを取り扱っているため、審査さえ通れば利用が可能です。
ただし、無担保ローンは住宅ローンよりも金利が高くなります。
また、審査も必ず通るわけではないため、審査が不安な人は注意しましょう。
無担保ローンを利用する場合も、夫婦で負担するようにしてください。
状況によっては任意売却の選択肢もある
離婚後マンションの住宅ローン返済が滞っている場合は、任意売却をする方法もあります。
任意売却であれば、以下のような特徴・メリットがあるため、競売よりはおすすめです。
競売より高値で売れる
任意売却であれば、競売よりも高値で売ることが可能です。
競売の場合は市場価格の5割〜7割程度での売却となるため、かなり安値で取引されます。
しかし任意売却の場合は、市場価格をベースに価格設定できるため、高値で売却することが可能です。
高値で売却できた方が残りの住宅ローンを完済できる可能性が高くなります。
完済はできなかったとしても、ローン残債が少なくなるため残りの返済が楽になります。
費用負担が少ない
通常、マンションを仲介で売却する場合は、仲介手数料や登記料などがかかります。
これらの諸経費は売却金額の3%〜5%程度かかるため、大きな負担です(1,000万円だとしたら30万円〜50万円程度)。
しかし任意売却であれば、これらの費用がほとんどかかりません。
また、諸経費は売却したお金から支払ったいいため、手持ち資金が減ることを防げます。
滞納している管理費や修繕積立金、固定資産税、住民税、抵当権抹消費用、書類作成費用、仲介手数料など、すべて売却金額から支払われます。
任意売却期間中は住宅ローン返済をしなくていい
任意売却であれば、売却期間中に住宅ローン返済がないため、負担なく住み続けることが可能です。
一時期住宅ローン返済を気にしなくていいため、住まい探しやマンションの売却活動に集中できます。
引っ越し費用を用意できる
競売の場合は、マンションを売却しても手元に資金を残すことができません。
しかし、任意売却であれば債権者との交渉次第で引っ越し費用(20万〜30万円)を残すことが可能です。
引っ越し費用も大きな負担となるため、残せる可能性があるのは大きなメリットです。
任意売却であれば、このような特徴・メリットがあります。
債権者・連帯保証人の同意が必要でブラックリストにも載るなどのデメリットもありますが、競売よりは条件が良い点が多いです。
もし、住宅ローンを滞納等している場合は、競売よりも任意売却を検討してみるといいでしょう。
相続したマンションを売る時のポイント・注意点
相続したマンションを売る際も、これまで紹介したようなお金・税金がかかります。
「相続したものなので税金がかからないかもしれない」と考える人もいるかもしれませんが、通常の売却と同じように
- 「印紙税」
- 「抵当権抹消登記の登録免許税」
- 「譲渡所得税」
これらがかかります。
ただし、3,000万円の特別控除やマイホームを売ったときの軽減税率の特例などがあるため、大幅な節税が期待できます。
また、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例もあります。
相続したマンションの場合、取得費がわからないケースも多いですし、減価償却によって取得費が少額になり税負担が大きくなるため用意されている特例です。
相続して3年10ヶ月以内に売却した場合に利用でき、譲渡所得の取得費に相続税額の一部を加えることができます。
この特例により、マンションに払った相続税額分を譲渡所得から控除できるため、節税が可能です。
このように、相続したマンションを売る際も通常どおり税金がかかりますが、さまざまな特例があるため税負担を軽減できます。
まとめ
今回は、マンションの売り方や高値売却のコツ、注意点や売れない場合の対策、必要書類やかかるお金などについて紹介いたしました。
最後にもう1度、大切なポイントをまとめると次の点が挙げられます。
- 不動産会社選びはとても重要
良きパートナーと出会えれば満足のいく売却ができる - ホームインスペクションやホームステージングなど、マンションの魅力付けが大切
- 売れない場合は早めに次の一手を打ち、早期売却を目指すこと
- 2020年以降マンション市場が冷え込む可能性があり、2019年は売却のチャンス
ぜひここで紹介した内容を参考にして、マンション売却を進めてみてください。
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