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断熱材は現在の高気密・高断熱の住宅を実現するうえで重要な役割を担っています。
断熱が不十分だと冷暖房効率が低下したり、壁内結露が起こり建物の躯体が劣化するなど、大きなトラブルに見舞われます。
また、2017年の建築物省エネ法改正により2020年までには全ての建築物について、省エネ基準への適合が義務化されることになりました。
平成27年7月8日に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(平成27年法律第53号)が公布されました。
本法では、建築物のエネルギー消費性能の向上を図るため、住宅以外の一定規模以上の建築物のエネルギー消費性能基準への適合義務の創設、エネルギー消費性能向上計画の認定制度の創設等の 措置が講じられました。
この記事では、木造住宅に使われている断熱材の種類やその特徴について説明をしていきます。
また本文に入る前に、家づくりにおいて最も重要なことを伝えさせてください。
マイホームを建てたい!と考えたら、何よりも先に始めなければならないことがあります。
それは、「出来るだけ多くの住んでいる地域に対応している住宅メーカーの資料集めすること」です。
ここだけの話、家づくりで後悔している人のほとんどは、この「住宅メーカーの比較」を怠っていたというケースが非常に多いのです。
例えば、5,6社見ただけで住宅展示場で一目惚れした家に決めてしまったり、営業の人の話に流されてしまったり・・・。
ほとんどの人にとって家は一生に一度の大きな買い物。
後から、改築や建て直しをすることになり、何千万円もの損をしてしまう方も実際に存在します。
そんな失敗をしないためにも、事前に多くの住宅メーカーのカタログを集め1度は比較してみることが何よりもまず最初にやるべきことなのです。
「でも数多くある住宅メーカーからカタログを取り寄せるなんて、時間もかかるし面倒くさい」
ほとんどの人がそう思うでしょう。
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「予算的にハウスメーカーは厳しい。。。」
「絶対に知名度のある会社がいい!」
このように先入観を持つのではなく、まずは必ず1度出来るだけ多くの住宅メーカーに目を通して下さい。
最初は比較対象じゃなかった会社や、名前も知らなかった会社が実は自分たちにとってはベストな住宅メーカーだったという方は非常に多いです。
後から取り返しのつかない後悔をしないよう、面倒くさがらず資料を取り寄せてしまうことをおすすめします。
それでは解説を進めていきます。参考にして下さい!
もくじ
断熱材とは~種類別!価格や性能を不動産のプロが徹底比較
熱の遮断や保温のために用いる材料です。
熱絶縁材とも呼ばれます。
室内と室外の熱移動を少なくして、外気が室内に伝わらないようにします。
熱伝導率の低い素材を隙間なく埋めることで、住宅の気密性を保つことができます。
室内外の温度差から生じる結露を防ぐ役割もあります。
断熱材は主に繊維系断熱材と発泡系断熱材に分かれます。
繊維系は細かな繊維の隙間に空気を閉じ込めて断熱性を確保しています。
一方の発泡系は細かな気泡の中に空気を閉じ込めて断熱性を確保しています。
熱伝導率とは
熱の伝わりやすさを数値にしたもので、単位はw/m・Kで表示されます。
数値が小さい程、熱が伝わりにくい断熱性能の高い素材になります。
住宅に使われる断熱材は、熱伝導率が0.1 w/m・Kより小さいものを使用します。
また、断熱材の厚さでも熱の伝わりやすさが変わってきます。
次に住宅の断熱工法ですが、主に「外張り断熱工法」と「充填断熱工法」の2種類があります。
外張り断熱工法とは
柱などの構造材の外側にボード状の断熱材を張り付ける工法です。
構造躯体の外側から張り付けるため躯体が長持ちしやすい、施工が比較的容易、断熱材が途切れないため隙間ができにくいなどのメリットがあります。
充填断熱工法とは
柱などの構造材の間にある空間に断熱材を入れる方法です。
スポンサードリンクコストが比較的安くすみ、建物の内部に充填するので敷地面積に影響がでません。
次に木造住宅に使われる主な断熱材の種類をご紹介します。
繊維系断熱材
1.グラスウール
グラスウールはガラスを高温で溶かし繊維状にした断熱材です。
リサイクルガラスを使用することで、環境にも配慮されています。
高性能で低コストであることから、日本の住宅で一番広く使われている断熱材です。
吸音性にも優れているため、音楽スタジオや高速道路の防音壁にも用いられています。
繊維をさらに細くした高性能グラスウールも広く採用されています。
住宅用に使われるグラスウールの密度には10K、16K、24K、36Kとあります。
しかし、低密度のグラスウールを使用すると、熱を持った空気が断熱材の中で移動してしまうため、思うような効果が発揮できません。
より細かい繊維でできた高密度のグラスウール方が断熱効果は高くなります。
長所は低コストで施工しやすい、吸音性が高い、シロアリの被害を受けにくい、不燃材料のため防火性に優れている、火災がおこっても有毒なガスや煙が発生しない。
短所は湿気に弱いことで、水蒸気に触れてしまうと断熱性能や吸音性能が落ちてしまうため防湿施工が必要になります。
また、他の断熱材に比べて軽いために隙間が生じやすく、施工の際に丁寧な作業が必要になるなどがあげられます。
熱伝導率は16Kで0.045 w/m・K、高性能グラスウール16Kで0.038 w/m・Kになっています。
グラスウールは壁の中に充填する工法(充填断熱工法)で行いますが、その際に十分な湿気対策が必要になり、室内側に防湿シートなどを貼り付けて対応します。
通常湿気は壁を通って室外に逃げる性質を持っているので、防湿層が無い場合、壁内に水蒸気が入り込み内部結露をおこしてしまいます。
通気層工法と呼ばれる工法で、断熱材と外装材の間に空気層を設けて湿気を逃がす対策も行われています。
2.ロックウール
玄武岩、鉄炉スラグなどを高温で溶かし、繊維状にした人造鉱物繊維のことです。
グラスウールに比べてコストは高くなりますが、耐熱性や吸音性はグラスウールよりも高くなります。
長所はリサイクルが可能、グラスウールに比べて吸湿性が低いので経年劣化が少ない、シロアリの被害を受けにくいなど。
短所は硬質のため折り曲げると繊維が割れる可能性がある、吸湿してしまうと断熱性能や吸音性能が落ちてしまうなどがあげられます。
熱伝導率は0.038 w/m・Kになっています。
ロックウールは用途や使用場所に合わせた様々な形状の製品があります。
木造住宅では主に、充填断熱で使用される袋詰にされたマット状が一般的です。
その他に外張り断熱で使用されるボード状のものがあります。
3.セルローズファイバー
古新聞などを裁断し、ホウ酸と硫酸アンモニウムを加えた繊維系の断熱材です。
新聞をリサイクルして使用することができます。
長所はホウ酸を使用しているので燃えにくい、防虫作用がありカビが発生しにくい、調湿作用があるため壁内結露がおきにくい、高密度のため防音効果が高い。
短所はグラスウールやロックウールに比べてコストが高くなる、施工に専用の機材が必要になる、他の断熱材に比べて重いため、自重で隙間ができる可能性があるなどです。
熱伝導率は0.038 w/m・Kになっています。
セルローズファイバーは壁や屋根に充填する方法と、ブロアーによる乾式吹込みをする方法があります。
グラスウールやロックウールでも吹き込み施工を行うことは可能ですが、施工者の体への負担が大きいため、袋状のものが一般的です。
セルローズの場合は、肌への負担などがないため吹き込み工法をすることが可能です。
これにより隙間のない施工が可能となり断熱欠損をなくすことができます。
4.羊毛断熱材
原材料の羊の毛を使った繊維系断熱材です。
一度も使用していない羊毛を使うバージンウールと、リサイクルされた羊毛を使うリサイクルウールがあります。
リサイクルウールの方が安価ですが、断熱性能に差がでます。
長所は調湿性能に優れている、天然素材のためホルムアルデヒドを含まない、燃えにくく水を弾く力も強い、防音性能が高い。
短所は価格が高いことがあげられます。
熱伝導率はバージンウールで0.040w/m・K、リサイクルウール0.044w/m・Kになっています。
羊毛断熱材は素材が柔らかいため、充填部分に応じてカットすることができます。
防湿フィルムには包まず裸のままで充填します。
弾力性があるので、両端を軽く引っ張りタッカーで留めることで隙間なく埋めることができます。
発泡系断熱材
5.ポリスチレンフォーム
発泡系の断熱材としては一番広く使われており、主成分のポリスチレンに難燃剤を混合して発泡させ成形したものになります。
単に発砲スチロールと呼ばれることもあります。
成形方法には2種類あります。
押出法ポリスチレンフォーム
ポリスチレン樹脂に発泡剤と添加剤を混ぜ合わせ、型から押し出して成形されます。
そのため形状はボード状になります。
木造住宅の外張り断熱に最も適しており、その他に基礎断熱や床断熱、バスユニット、玄関土間などにも使用されます。
ダウ化工㈱のスタイロフォームが有名です。
長所は自重による型崩れや壁内での落下がない、水に強く吸湿しにくい。
短所は繊維系断熱材と比べると高価、衝撃に弱いなどがあげられます。
熱伝導率は0.028 w/m・Kになっています。
ビーズ法ポリスチレンフォーム
ビーズ法ポリスチレンフォームは「EPS」と呼ばれており、ポリスチレン樹脂に発泡剤と難燃剤、添加剤を混ぜた原料ビーズを予備発泡させた後に、金型に入れて加熱をします。
金型に入れた発泡粒子が過熱されることで膨張し、金型通りに成形されます。
押出法との違いは、金型の形状を変えることによって、ボード状や筒状など様々な形にすることができます。
長所は断熱性能が高い、水に強く吸湿しにくい。
短所は繊維系断熱材と比べると高価、熱に弱いなどがあげられます。
熱伝導率は0.034w/m・Kになっています。
6.ウレタンフォーム
ポリオールとポリイソシアネートを発泡剤や触媒などと一緒に混ぜ合わせて作った断熱材です。
ウレタンは小さな硬い泡の集合体で、泡の中には熱伝導率の小さいガスが封じ込められており、高い断熱性を持っています。
住宅では外張り断熱に使われるボード状のウレタンフォームと、壁の中に吹き付けて発泡させるウレタンフォームがあります。
吹き付けの場合は現場で専門業者が作業を行います。
小さな隙間にもウレタンフォームが入りこみ、気密性の高い住宅づくりが可能になります。
また自己接着性があるため接着剤が不要になるメリットもあります。
なお、住宅で使われているウレタンフォームは「硬質ウレタンフォーム」で、クッションやマットレスに使われているのは「軟質ウレタンフォーム」になります。
長所は断熱性能が高い、気密性が高い、耐久性がある。
短所は値段が高い・硬いので施工に手間取るなどがあげられます。
熱伝導率はボードの場合が0.024w/m・K。
吹き付けの場合が0.035 w/m・Kになります。
7.フェノールフォーム
フェノール樹脂を発泡硬化させて作ったプラスチック系の断熱材です。
フェノール樹脂はフェノールと呼ばれる有機化合物とホルムアルデヒドを原材料に、人工的に作られた世界で初めての合成樹脂になります。
フェノールフォームの形状はボード状になっており、断熱性能に優れていることから、外張り断熱に向いています。
火災がおきた際に煙や有毒ガスが発生しにくいのも特徴です。
反面、ポリスチレン系と比べて値段が高くなることがあげられます。
代表的な製品としては、積水化学工業㈱のフェノバボード、旭化成建材㈱のネオマフォームがあります。
長所は経年劣化しにくい、断熱性能が非常に高い、熱に強く燃えにくい。
短所は値段が高い、衝撃に弱い、水や湿気に弱いなどがあげられます。
熱伝導率は0.020w/m・Kになっています
断熱材まとめ
断熱材には多くの種類があり、それぞれ特徴を持っていることが分かります。
住宅会社によって取り扱っている断熱材や工法が異なりますので、よく調べてみる必要があります。
また、断熱材を選ぶ際には費用対効果を考える必要があります。
性能が高い断熱材を選ぶことは重要ですが、その分コストが高くなるため、建物価格に反映されてしまいます。
断熱材にはそれぞれメリット、デメリットがありますので、予算を考えながら最適な断熱材を選んでください。
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