PR
<記事の情報は、2023年9月7日時点のものです>
注文住宅を建てる際に、住宅会社をどこにしよう?
ということは、多くの人が悩むことです。
家づくりは地元の企業に依頼した方が安心感がありますよね。
地域に根付いた工務店を思い浮かべる人もいるでしょう。
家づくりのパートナーとなる住宅会社選びは、自分の考え方や、家づくりにかけられる予算、時間などの状況によって合った会社を選ぶ必要があります。
工務店に依頼しよう!と思っても、どの工務店が自分にあっているか?ということは判断がつきにくいですよね。
この記事では、工務店とはそもそも何なのか?
ということをハウスメーカー、設計事務所と比較してお伝えします。
また、自分に合った家づくりができるように、工務店の選び方についても解説します。
注文住宅を工務店に依頼して建てようと考えている方や、注文住宅の依頼先を検討中の方は参考にしてください。
また本文に入る前に、家づくりにおいて最も重要なことを伝えさせてください。
マイホームを建てたい!と考えたら、何よりも先に始めなければならないことがあります。
それは、「出来るだけ多くの住んでいる地域に対応している住宅メーカーの資料集めすること」です。
ここだけの話、家づくりで後悔している人のほとんどは、この「住宅メーカーの比較」を怠っていたというケースが非常に多いのです。
例えば、5,6社見ただけで住宅展示場で一目惚れした家に決めてしまったり、営業の人の話に流されてしまったり・・・。
ほとんどの人にとって家は一生に一度の大きな買い物。
後から、改築や建て直しをすることになり、何千万円もの損をしてしまう方も実際に存在します。
そんな失敗をしないためにも、事前に多くの住宅メーカーのカタログを集め1度は比較してみることが何よりもまず最初にやるべきことなのです。
「でも数多くある住宅メーカーからカタログを取り寄せるなんて、時間もかかるし面倒くさい」
ほとんどの人がそう思うでしょう。
そこでぜひ活用してほしいのが、SUUMOのカタログ一括請求サービスとNTTデータグループが運営する家づくりのとびら。
マイホームの建設予定地を入力するだけで、そのエリア対応の住宅メーカーのカタログをスマホから簡単に取り寄せることが出来ます。
SUUMOでは工務店を中心に、家づくりのとびらはハウスメーカー中心に無料で資料を取り寄せられます。
「予算的にハウスメーカーは厳しい。。。」
「絶対に知名度のある会社がいい!」
このように先入観を持つのではなく、まずは必ず1度出来るだけ多くの住宅メーカーに目を通して下さい。
最初は比較対象じゃなかった会社や、名前も知らなかった会社が実は自分たちにとってはベストな住宅メーカーだったという方は非常に多いです。
後から取り返しのつかない後悔をしないよう、面倒くさがらず資料を取り寄せてしまうことをおすすめします。
それでは解説を進めていきます。参考にして下さい!
工務店って何?ハウスメーカー、設計事務所との違い
注文住宅を建設する場合、その依頼先として代表的なのが、工務店、ハウスメーカー、設計事務所で、それぞれ違った特徴があります。
注文住宅の建設期間は1年ほど。
その期間を少しでもストレス無く、楽しい期間にできるように、それぞれの特徴を理解して自分に合った依頼先を検討してください。
工務店とは?
工務店と呼ばれる会社の形態は様々ですが、一般的に、建築工事に関わる業者を総括する会社のこと。
会社の規模は、従業員数名の中小規模から従業員数百名の企業まで幅広く、新築工事以外にもリフォームや公共工事、外構工事、設備工事まで幅広手がけています。
設計事務所が設計した物件の工事を行うのも、工務店です。
工務店の企業形態は様々なので、全ての工務店にあてはまるわけではありませんが、多くの工務店にあてはまることからメリット・デメリットをお伝えします。
工務店のメリット
- コストが原価に近い
企業規模が小さい工務店は、ハウスメーカーに比べて経営諸経費が少ないので、原価に近い金額で工事を行うことが可能です。
- とにかく安全な設計
工務店の手がける住宅の設計は、雨漏りなどを出さず、地震や災害に強い安定した設計重視。
規模が小さく、地域に根付いた工務店は、口コミによって経営状況が良くも悪くもなってしまいますので、雨漏りや災害時の損傷などが起きないことを大前提に住宅設計と工事を行う傾向があるのです。
- 工事が難しい土地も対応できる
工務店は、設計事務所が設計した住宅や、ハウスメーカーでは高額になってしまう難しい土地の家づくりを行う機会が多いです。
そのため、工事が難しい土地でも原価に近く、なるべく安く対応することができるのです。
- 地元の情報をよく知っている
長年地域に根付いている工務店は、その地元の出身者が多く在籍していることが多く、地元の風土や、災害によって受けやすい損傷、起きやすい経年変化をよく知っています。
その情報から、良さ活かして、欠点をカバーする家づくりが期待できるでしょう。
- 過去の工事経験を活かしてくれる
幅広い工事を手がける工務店は、公共工事やリフォームなどの工事経験を新築に活かしてくれます。
比較的リフォームの方が年間の工事数は多い傾向にあり、リフォームも新築も同一の設計者が行うため、豊富なリフォームの実績から、将来的なリフォームを見越した設計の提案を行ってくれます。
- 親切なアフターサービス
地域に根付いた工務店は、もしも自分たちが手がけた住宅に不具合が起きた場合には、いち早く駆けつけてくれる傾向があります。
口コミが命であり、自分たちがつくった家にひとりひとりが強い責任感を持って関わりますので、当然のことですね。
ハウスメーカーが○年保!などと宣伝していますが、工務店はあえてその様に売り出さなくても、何年経っても面倒を見てくれる親切さがあります。
工務店のデメリット
- 工事の得意・不得意がある
工務店は、どんな工事でも行いますが、会社によって得意・不得意が別れます。
過去に豊富な実績がある工事については得意で、実績のない工事については手探りで行うことに。
そのため、実績がなく不得意な工事は費用が高くなったり、工期が遅れるなどの問題が起こることもあります。
私の所属していた建設会社は在来軸組み工法が得意だったのですが、2×4工法のリフォームも請け負っていました。
大きな問題は起きませんでしたが、やはり在来軸組み工法のリフォームに比べると積極的な提案はできず、慎重に恐る恐るリフォームを行っていましたね。
工務店に依頼する場合には、過去の施工実績などから、その工務店が得意とする工法と、自分の要望が一致するかを確認した上で依頼しましょう。
- 設計の自由度は低いことも
雨漏りに配慮し、安全第一を心がける工務店の場合、住宅のデザインが保守的になります。
ハウスメーカーのように設計の自由度に明確な制限はありません。
しかし、工務店の考え方次第で設計の自由度が極端に低くなる場合も。
工務店は、安全を求めるために、使用する材料はメーカーの保証がある既製品であり、扱い慣れていて、それなりに実績があるものを使用する傾向があるため、その点についても設計の自由度に制限をかけています。
- 会社の経営状況がわからない
規模の小さい工務店は、経営状況が判断しにくいです。
建設中の依頼先の倒産を保証する制度は充実していますが、本来であれば絶対に避けたい事ですよね。
どうしても心配な場合は、経営状況や倒産の危険性を調べた上で依頼をするのもひとつの手段です。
ハウスメーカーとは?
ハウスメーカーとは、規格化された住宅を建設する住宅会社のことを言いますが、その形態は様々。
木造住宅、鉄骨住宅が主に取り扱われる構造で、その企業によってできる工法が限られています。
ハウスメーカーの多くが大手企業で、住宅展示場に出展していたり、テレビCMを放映し、知名度が高いのも特徴です。
スポンサードリンクハウスメーカーの企業形態は様々なので、全てのハウスメーカーにあてはまるわけではありませんが、多くのハウスメーカーにあてはまることからメリット・デメリットをお伝えします。
ハウスメーカーのメリット
- 住宅の特徴が明確
ハウスメーカーは、取り扱う住宅の特徴が明確で、『売り』となるポイントがはっきりしています。
厳しい建設業界で大企業であり続けるには、独自の技術や取り扱う住宅の個性は欠かせません。
独自の技術や工法を取り入れていたり、その会社しかできないデザインを売りにしているため、会社選びがしやすいです。
- 住宅が規格化されている
ハウスメーカーの住宅は規格化されているのが特徴です。
このことから、以下のメリットが挙げられます。
・管理しやすいので品質のばらつきが少ない
・使われる材料の選択肢が限られているので仕上げを選びやすい
・規格内でおさめれば予算オーバーしにくく、ローコストも実現できる
規格化は、どこで誰が建てても、そのハウスメーカーの品質が守れるようにされているため、全国的に営業展開をしていくためにも欠かせないこととなっています。
- 職人の技術力が一定
一般的に、住宅の工事は下請け会社が行います。
ハウスメーカーの下請けになるには、一定の技術力が必要になるため、手抜き工事などの心配はまず無いでしょう。
住宅が規格化されているため、工事がしやすいのも特徴です。
- ブランド力
有名なハウスメーカーの住宅は、知名度と品質の良さからブランド化されることがあるのもメリットのひとつです。
住宅の資産価値が下がりにくく、将来的に売却する場合でも売れやすい傾向があります。
- 大企業に依頼する安心感
ハウスメーカーの多くが大企業なため、経営状況を確認した上で依頼できるのも安心感がありますね。
また、工務店に比べると圧倒的に工事件数が多いので、口コミの数も多く、事前に様々な意見を確認することができます。
- リフォームやメンテナンスも安心
住宅に住んだ後も建設会社との付き合いは続きます。
ハウスメーカーの場合、メンテナンスはグループ企業が担当することになることが多いのですが、依頼先が明確で、サポート体制や保証体制が明確に確立されているのも安心材料のひとつですね。
ハウスメーカーのデメリット
- 規格化されている
規格化されていることは、メリットでも紹介しましたが、デメリットにもなります。
デメリットとしては、規格外になるとコストがかかる・選択肢が限られているので自由度が少ないということが挙げられます。
依頼する前に、ハウスメーカーが定める規格を理解して、自分が望む住宅のイメージに合う住宅を選びましょう。
- 宣伝費等の諸経費が上乗せされる
ハウスメーカーが経営を続けるためには、宣伝費と経営費がたくさん必要になります。
ハウスメーカーに工事を依頼した場合、それらの経営諸経費が建築費に上乗せされているということを理解しておきましょう。
- 設計士が現場に行きにくい
ハウスメーカーの設計士は何棟もの住宅をこなさなくてはいけません。
そのため、実際に現場に足を運ばずに設計をすることもあり、写真とデータだけで設計を行う場合も。
設計内容を詰めるのが営業担当だけの場合もあり、工務店や設計事務所と比べると、施主と設計士関係は希薄の場合が多いです。
- 工事が難しい土地は断られる場合もある
工事が難しい土地というのは、急斜面、せまい、全面道路が狭い等の条件を抱えた土地のことです。
その場合、工務店よりも工事金額が極端に高額になってしまい、工事ができないことがありますので注意が必要です。
設計事務所とは?
設計事務所とは、建築物の立案、設計、作図、工事監理などの建設工事の設計業務を行う建築士の事務所のこと。
住宅の場合、その施工は工務店が請負います。
その形態は様々で、従業員数は1~数百名と幅広く、アトリエ系・中堅系・ゼネコン系・ハウスメーカー系に分けられます。
手がける工事の幅も住宅のみの場合もあれば、公共工事まで扱う場合と様々。
設計事務所の企業形態は様々なので、全ての設計事務所にあてはまるわけではありませんが、多くの設計事務所にあてはまることからメリット・デメリットをお伝えします。
設計事務所のメリット
- 自由でデザイン性に優れた住宅設計
設計事務所の住宅設計は、個性的でデザイン性が高く、ハウスメーカーや工務店に比べて自由度が最も高いです。
規格化や使いやすい部材というのは、あくまで住宅会社側の都合に過ぎません。
その都合に縛られず、限りなく自由でその上デザイン性に優れた設計を行うことができます。
- 土地の良さを活かす設計
設計事務所の建築計画は、その土地の環境を熟知した上で成されるため、ハウスメーカーや工務店に比べて、ひとつの設計に多くの時間をかけることができます。
土地のいいところを最大限に活かし、良くないところは設計でカバーできる。
それが設計事務所の手がける住宅のすばらしい部分です。
- 難しい土地の場合結果的にコストが抑えられる
狭かったり、傾斜地だったりする難しい土地の場合、ハウスメーカーや工務店では考えつかないような住みやすい住宅を設計してくれることが期待できます。
また、難しい条件を抱えた土地は土地自体の価格が安いため、設計事務所の設計費が掛かったとしても、結果的にコストが抑えられることもあります。
- 図面の枚数が多くイメージしやすい
設計事務所の家づくりは、ハウスメーカーや工務店に比べて圧倒的に描かれる図面が多いため、イメージがしやすく、細部まで要望を実現することが期待できます。
- 丁寧な設計監理
設計監理とは、設計者が図面と工事が適合し、品質が確保できているかを確認することをいいます。
設計事務所の場合、設計費を十分に請求するため、設計監理も工務店やハウスメーカーと比べて時間をかけて丁寧に行うことができ、比較的厳しい視点からの設計監理が期待できるでしょう。
設計事務所のデメリット
- 設計料が高い
設計事務所に設計を依頼した場合、設計費として工事総額の10~15%を相場として設計報酬を支払うことになります。
その分手厚い設計や監理を期待できますが、ハウスメーカー、工務店の場合は3~5%が相場なので、設計費は割高になる傾向ですね。
- 個人に依頼するということ
設計事務所に依頼するきかっけは、その建築士の作品が気に入ったり、人柄が好きになることが多いです。
そのため、会社というよりも建築士個人に設計を依頼するという意味合いが強くなるため、仮に担当者が病気や怪我などで不在になってしまった場合には、要望が叶えにくくなる可能性も。
依頼する前には、その設計事務所のバックアップ体制についても具体的に確認しておくと安心です。
- 最も時間がかかる
用意する図面が多く、細部まで打ち合わせが必要なので、ハウスメーカーや工務店の設計に比べて時間が掛かります。
工事自体も、前例のない完全にオリジナルな家づくりとなるため、比較的時間がかかってしまう傾向に。
入居まで十分な時間が確保できることを確認した上で依頼しましょう。
- メンテナンスが大変になることも
デザインにこだわりすぎるあまり、住宅自体の雨漏りや風化がしやすくなり、ハウスメーカーや工務店の住宅に比べてメンテナンスに手間がかかることもあります。
家の手入れをなるべくしたくない人は、事前に要望として伝えておくことも大切です。
あなたに合うのはどれ?
それぞれの特徴を把握した上で、あなたの考え方や家づくりの状況から合う依頼先を確認しましょう。
工務店が合うタイプ
- 予算にあまり余裕がない
- 住宅には丈夫さや確かな品質を求める
- アットホームな雰囲気の企業が好き
- 職人ともコミュニケーションを取りながら家づくりがしたい
- 地元を良く知る会社に依頼したい
- RC造の住宅に住みたい
- 困った時にすぐ対応してほしい
ハウスメーカーが合うタイプ
- ブランド志向
- 住みたい家の雰囲気がはっきり固まっている
- ある程度選択肢を絞られた中から選びたい
- 住宅会社には安心感を求める
- 平坦で区画された土地を持っているor購入予定
- 入居まであまり時間がない
- 明確な保証がほしい
設計事務所が合うタイプ
- 本物志向
- デザイナーズ住宅が好き
- 住宅にはオリジナリティーを求める
- 土地の形状がいびつ
- 土地が狭い
- 入居まで時間に余裕がある
- 予算に余裕がある
- 設計士とは入念に打ち合わせをしたい
注文住宅づくりで後悔しないためには、パートナー選びがとても大切な要素になります。
自分の考え方や、おかれた状況を把握した上で、適したパートナー選びをしてください。
注文住宅の構造について
注文住宅の構造として代表的なのは木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造です。
注文住宅を建てる際のパートナー選びとしては、住宅をどの構造で作るか?ということも重要な要素になってきます。
木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の特徴について理解した上で、どの構造で家づくりをするか検討しましょう。
木造
木造とは、構造材に主に木材を使った住宅のこと。
在来軸組み工法、2×4工法、木質パネル工法が主な工法です。
それぞれの特徴について確認しましょう。
在来軸組み工法
- 多くの工務店が得意とする工法
- 古くから日本で親しまれてきた伝統的な工法
- 基礎の上に土台や柱や梁となる材木で建物を組み、筋交いで強度を持たせる構造
- 間取りの自由度が高い
- 将来的にもリフォームしやすい
- 木材の基本的な加工はプレカットと言って、工場で行われる場合が多い
- 施工には一定の技術力が必要
- 現場の腕によって品質が左右されることがある
- 化学物質を使わない住宅が作れる
- 梁や小屋組みなどの構造体を見せる仕上げができる
- 虫害が起こりやすい
2×4工法
- 北米で生まれた工法
- 2インチ×4インチの木材と合板をパネル状にして組み合わせ、構造体を作る
- 現場の技術力で品質が左右されにくい
- 壁の位置、窓の位置、窓の大きさに制約がある
- 新築時とリフォーム時の間取りの自由度は低い
- 工事期間が短い
- 気密性が高い
- 化学物質を使わない住宅が作れる
- 虫害が起こりやすい
木質パネル工法
- 木質系ユニット工法とも言う
- 工場生産されたパネル状の壁や床を組み立てて住宅を形成する
- 部材が工場生産で品質が確か
- 現場の技術力に住宅の品質が左右されない
- 壁の位置、窓の位置、窓の大きさに制約がある
- 新築時とリフォーム時の間取りの自由度は低い
- 工事期間が短いが工場の準備期間が必要
- 気密性が高い
- 断熱性が高い
- 虫害が起こりやすい
- 接着剤を多用する
鉄骨構造
鉄骨造とは、構造体を鉄骨でつくる住宅のこと。
住宅の場合、軽量鉄骨造(厚さ6mm未満)、鉄骨ユニット造が主な工法となります。
鋼材の優れた靭性を活かし、強度を持たせる工法です。
それぞれの特徴を確認しましょう。
軽量鉄骨造(鉄骨軸組み)
- 基礎の上に柱や梁となる鉄骨で建物を組み、筋交い(ブレース)で強度を持たせる構造
- 木造よりも耐震性に優れる
- 部材が工場生産で品質が確か
- 木造よりも大空間をつくれる
- 間取りの自由度が高い
- 工事期間が短いが工場準備期間が必要
- 気密性が高い
- 構造体が重いので地盤補強が必要
- 耐火被覆が必要
- 断熱工事が必要
- 自然派素材との相性が悪い
- 虫害が生じない
鉄骨系ユニット造
- 部屋ごとに外壁や配線を組み込んだ状態で工場生産し現場で組み立てる構造
- 工場生産なので品質が確か
- 現場の技術力に品質が左右されない
- 工事期間は短いが工場の準備期間が必要
- 間取りの制限が大きい
- 細部にこだわれない
- 広い工事スペースが必要
- 虫害が生じない
鉄筋コンクリート構造
鉄筋とコンクリートで構造体をつくる工法。
引張力に優れた鉄筋と圧縮力に優れたコンクリートを組み合わせ、耐久性を持たせる構造で、大規模建築にも使われます。
工務店の場合、現場で配筋し、現場でコンクリートを打設して構造体を作りますが、ハウスメーカーの場合は工場でコンクリートパネルを製造し、現場で組み立てる方法が一般的です。
特徴を確認しましょう。
現場施工のRC造の場合
- 優れた耐久性・耐火性・耐震性・防音性・気密性
- 大空間ができる
- 大きな開口部ができる
- 自由なデザインが実現できる
- 火災保険が安い
- 重厚感がある
- 虫害が生じない
- 結露が発生しやすい
- 重量が重いので適切な地盤補強が必要
- 工事期間が長い
工場生産のRC造の場合
- 優れた耐久性・耐火性・耐震性・防音性・気密性
- 大空間ができる
- 大きな開口部ができる
- デザインに制約がある
- 火災保険が安い
- 重厚感がある
- 虫害が生じない
- 結露が発生しやすい
- 重量が重いので適切な地盤補強が必要
- 工事期間は短いが工場の準備期間が必要
工務店の選び方
工務店、ハウスメーカー、設計事務所それぞれの特徴と、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート構造を理解したところで、いよいよ工務店を選ぶ段階になります。
工務店の選び方として以下のことをチェックしましょう。
- 所在地
- 会社の基本情報
- 業務内容
- 売り
- 得意なこと
- 要望を叶えられるか
- 自社で設計・施工しているか
- 施工例
- 担当者との相性
工務店は、ハウスメーカーのように情報が多いわけではないので、会社選びや情報集めに苦労することもあるでしょう。
判断材料は、ホームページからの情報や、実際に打ち合わせをした際の印象、問い合わせを行った時の対応や印象などです。
各ポイントを抑えて、工務店選びに役立ててください。
所在地
工務店を選ぶ際に、家を建てる現場に近いことを理由に工務店を選ぶ人は多いですね。
現場に近い工務店を選ぶことで、以下のメリットがあるためです。
- 移動のための経費が削減できる
- 小まめに現場管理をしてもらえる
- 地元の情報や風土を教えてもらえる
- 住んでからも何かあったらすぐに駆けつけてもらえる
余程の理由が無い限り、できるだけ現場の近くに営業所を構える工務店に家づくりを依頼しましょう。
会社の基本情報
工務店に家づくりを依頼する場合、最低限以下の基本情報は確認しましょう。
- 設立して何年か
- 売上高
- 年間施工棟数
- 営業範囲
- 従業員数
- 建設業の許可
- 住宅完成保証制度への加入
- 建築士の在籍数
- 施工管理技士の在籍数
できれば会社の歴史が長く、施工棟数が多く、建築士などの有資格者が多く在籍する工務店を選びましょう。
住宅完成保証精度に加入していれば、万が一施工中に工務店が倒産した場合でも、代理の会社が引き継いで住宅を完成させてくれます。
工務店のように規模の小さい企業に家づくりを依頼する場合は、万が一のことも考慮して、加入を確認した方が安心ですね。
業務内容
工務店の業務内容は、会社によって様々です。
注文住宅の新築住宅をメイン扱っている場合と、リフォームや大手会社の下請け、内装工事などあらゆる工事を行っている場合があります。
なるべく注文住宅をメインで扱う工務店に依頼するようにしましょう。
なぜなら、普段から注文住宅に携わっていない設計者や現場監督、職人の場合、注文住宅の扱いに慣れておらず、トラブルが起こる恐れがあるためです。
注文住宅の新築は、施主の要望を聞き、施主に気を使い、様々な機関と調整をしながら予算通りに仕事を進めて行く必要があり、大変神経を使います。
そのため、なるべく経験豊富で注文住宅に慣れている工務店に依頼するようにしてください。
もちろん、このご時勢ですとリフォームを手がけないと会社は続きませんし、過去の顧客のアフターケアとしてリフォームはとても大切な業務内容です。
リフォームを多く扱う企業も、経年劣化しやすい箇所をよく知っていたり、メンテナンスに強いなどの強みとなり、その経験を新築に活かしてもらえることが期待できます。
リフォームを手がけていても、注文住宅を毎年建てているか?ということを確認してください。
売り
現代に生き残っているハウスメーカーは、『売り』となるポイントを明確に持っています。
しかし、工務店の場合は『売り』がなくても、時々新築住宅を建てて、リフォームをして、外壁塗装をして・・・と仕事を繋げて行けば、生き残ることができます。
もちろんそれでも問題はありませんが、せっかく注文住宅を建てるのであれば、何か明確な『売り』やこだわりを持って家づくりをしている工務店に依頼したいですよね。
他の工務店と比べて、どんなこだわりがあるのか?
ということを確認して、そのこだわりを理解した上で依頼しましょう。
得意なこと
どんなことでもお任せください!という工務店でも、得意・不得意はもちろんあります。
在来軸組み工法と2×4工法の両方を手がける工務店というのはあまり聞いたことがありませんよね。
できれば、得意な工法一本で家づくりをしている工務店に依頼した方が安心です。
私がいた建設会社は、施主の要望に合わせて在来軸組み工法、鉄骨、RC造の全てを行っていました。
メインは在来軸組み工法なのですが、施主の要望に合わせてRC造の住宅を請け負うこともありました。
私がRC造の住宅を担当した際には知識も乏しく、何度も大きなミスを犯しそうになり、冷や汗をかきながら仕事を進めていたことを覚えています。
逆に、メインである在来軸組み工法の場合は、胸を張って仕事をすることができました。
今でも、なぜ知識の無い私にRC造をやらせたのか・・・?と疑問に思いますが、なんでもやる工務店では、その様なことが起こりやすいのが実情です。
その工務店が得意とする工法を確認した上で、希望の工法とマッチした場合のみ依頼するようにしましょう。
要望が叶えられるか
注文住宅を建てようと決めた人は、少なからず家づくりに対するこだわりや要望を持っていますよね。
住宅の設計士の仕事は、施主の要望をいかに予算内で実現させるかを検討し、建築計画に盛り込むことで、要望を伝えられたら、何とかして叶えよう!とするのが良い設計士です。
逆に、要望を伝えても
『それよりも、こうした方がいいですね』と自分の意見ばかり推してきたり
『検討したけどお金がかかるのでムリでした』と代替案も無く却下したりする設計士も存在します。
工務店の設計士は、予算と理想のせめぎあいの中間にいるため、比較的この様に擦れた設計士が多い印象です。
理想の注文住宅を作るためには、要望を伝えやすいことも大切です。
伝えた時の反応や、気持ちよく要望を聞きだしてくれるかなどを確認してください。
自分でも気づかなかった隠れた要望を引き出してくれるような設計士が理想的です。
自社で設計・施工しているか
自社で設計・施工をしているか?ということは絶対に確認しましょう。
どういうことかと言いますと、工務店の中には、契約や打ち合わせだけを行って、あとは設計も施工も下請けに流してしまう場合もあります。
自社の設計・施工ではない場合、以下のデメリットがあります。
- 万が一の時に工務店が責任を取らないことがある
- 中間マージンが発生して費用が高くなる
- 期待した設計や施工の精度が得られない場合がある
自社設計・施工をうたっていても、うやむやに隠されて裏では下請けに流している場合もあります。
契約前に必ず設計担当者、現場代理人に直接会って、誰が家づくりに携わるのかを確認しましょう。
施工例を確認する
過去に工務店が手がけた住宅の施工例は、ホームページやパンフレットで確認しましょう。
デザイン性や、機能性など、良いと思える部分があるか?自宅建設で取り入れたい部分があるか?など、ぱっと見た印象でファンになれる部分を探してください。
施工例から工務店を探す方法も有効です。
担当者との相性を確認
この人、なんとなく話が合わないな・・・という人、いますよね。
もしも工務店の担当者から少しでもその様な感じがした場合は、その工務店に依頼しないか、別の担当者にしてもらうことをおすすめします。
辛い選択かもしれませんが、注文住宅を建てるためには、打ち合わせが欠かせません。
1回の打ち合わせで最低でも1時間。長くて丸1日かかることも。
そんな打ち合わせを、完成まで数十回行わなくてはなりませんので、注文住宅づくりのストレスを軽減するためには、担当者との相性はとても大切なのです。
工務店の手がける住宅や工法に惚れ込んでも、結局家づくりを担うのは一担当者です。
契約前の打ち合わせでは、営業担当としか会えない場合もありますので、設計担当と可能であれば工事担当にも会わせてもらい、少し話しを交えてから契約を結ぶようにしましょう。
まとめ
工務店とはそもそも何なのか?ということから、工務店の選び方と確認したいポイントについてお伝えしました。
良い工務店に出会うことができれば、ハウスメーカーや設計事務所に依頼するよりも費用をかけずに理想の注文住宅を建てることができます。
ぜひ妥協せずに、理想の工務店選びを行ってください。
コメントを残す