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これから新しく家を建てるとなると、まずどこに建てるのか、場所を選ぶ必要があります。
この場所選びに失敗すると、その後の建築計画が大きく狂ってしまうので、慎重に選ぶ必要があります。
ただ、一体どういう基準で土地を選べば良いのでしょうか?
たとえ投資ではなく、居住目的で家を購入するにせよ、その土地について知っておいて損はありません。
むしろ地域について詳しく知ることで、土地選びの失敗のリスクを回避することができます。
というのも、家を建てる時はその土地ならではのルールに従わなければならず、好き勝手には建てられないからです。
このようなその地域ならではの規制やルールは都市計画法で知ることができます。
用途地域は、この都市計画法に基づいて定められています。
どのような家を建てられるかは、用途地域の種類によって異なります。
用途地域を無視して不動産を購入すると、土地選びで失敗するかもしれません。
そのような事態を避けるためにも、不動産を購入する前にまず用途地域について学びましょうね。
用途地域について学ぶと、理想のマイホームはどこで建てられるのか、どこの地域がもっともオススメなのかを知ることができます。
今回は用途地域とは何か、その重要性について解説します。
もくじ
用途地域とは~調べ方や建築制限を不動産のプロが解説
用途地域の種類は、都市計画法に基づいて指定されます。
一旦、特定の地域が用途地域となると、建物の構造についてルールを課されます。
用途地域では、この制限の範囲内でしか建物を作ることが原則できません。
もしも用途地域が存在せず、自由に建物を建てることができるとなると、都市の景観などを無視するような無秩序な建物が乱立することになります。
閑静な住宅街に突如巨大なビル群が乱立したら、閑静さは失われ、住み難くなります。
その地域にはその地域ならではの目指すべき方向性があります。
閑静な住宅街なのか、賑やかな商業区なのか、それとも工場地帯なのかなど、地域には個性があるのですね。
その地域の目的に合わせて用途地域が指定されることになります。
用途地域が指定されると、その基準の範囲内でしか建物を建てられなくなります。
そのため、用途地域を無視して土地を選ぶと、理想のマイホームの構想が用途地域の制限に引っかかることで建てられなくなってしまうのですね。
例えば、建ぺい率が低い用途地域を選択すると、大きな家を建てられなくなるなどの弊害があります。
このようなリスクを回避するためにも、理想のマイホームを建てられる用途地域の種類はどれなのかを事前に把握しておきましょう。
用途地域13つの種類
都市計画法に基づいて用途地域が指定されると、その地域では今後、その用途地域の制限に見合った建築物が建てられるようになります。
ただ、用途地域といっても種類が多く、種類が違えば制限も異なります。
用途地域にはどれほどの種類があるのでしょうか?
用途地域の種類は13種類あります。
ここではそれぞれの用途地域について解説しますね。
第一種低層住居専用地域
低層住宅向けの地域となります。
建物の高さが約10メートルまでと制限されているので、高層のマンションなどは建てられません。
小中学校や児童厚生施設などは建てられますが、飲食店などは建てられないエリアとなります。
閑静な住宅街を探している方にオススメです。
第二種低層住居専用地域
第一種低層住居専用地域同様に、低層の住宅向けのエリアとなります。
こちらも高さが約10メートルまでなどの高さ制限があるため、高層の建物は建てられないのですね。
第一種と違い、第二種ならば飲食店やコンビニを建てることが可能です。
そのため、ちょっとした買い物や外食がしやすいエリアとなります。第二種は第一種よりも生活しやすい住宅街なんですね。
第一種中高層住居専用地域
スポンサードリンク中高層の住宅向けのエリアとなります。
低層のエリアと比べて高さの制限が緩和されているため、高さのある建物が建てられます。
高校や大学、病院などの施設を建てることが可能な地域です。
ただし、あくまで住居専用のエリアとなりますので、オフィスビルなどの建築はできません。
もっとも、小規模な飲食店や店舗などは建てられます。
マンションやアパートを建てたい方にオススメのエリアですね。
第二種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域同様に、中高層の建物向けのエリアです。
第一種と違って、1,500㎡以内であれば飲食店や事務所などの施設を建てられます。
事務所の建立がしやすいエリアのため、仕事がしやすいエリアですね。
第一種住居地域
住環境を重視しているエリアです。
ただし、住居専用地域ほど、商業施設の建立を制限はしていません。
ホテルや旅館、スポーツ施設などの施設が建立可能です。
もっとも、パチンコやカラオケなどの娯楽施設の建立は禁止されているので、娯楽要素は少ないかもしれません。
大型のマンションや仕事のための事務所などが自由に建てられるエリアですね。
第二種住居地域
第一種と違い、第二種住居地域ではパチンコやカラオケなどの娯楽施設の建立が認められます。
ただし、住居用のエリアであることに違いはありません。
娯楽施設を建てるといっても、優先順位は住居の方が高いです。
パチンコやカラオケなどの施設を建てる際には、周囲の住民に理解してもらう必要があるでしょう。
準住居地域
国道沿いなどで指定されるエリアです。
自動車関連の施設と住居が調和することを目的にした地域となります。
比較的規制が緩いエリアであり、パチンコやカラオケだけでなく、映画館や車庫、倉庫、小規模な工場などが建設できます。
田園住居地域
農業に関連した施設との調和を目指した地域です。
農業に関連した施設というと、例えばビニールハウスなどがあります。
農業に適した地域という点を除くと、第二種低層住居専用地域に似ていますね。
近隣商業地域
近隣の住宅地に日用品を供給することを目的にしているエリアとなります。
商業地域となるため、住宅地などと比べると活気があります。
10,000㎡以内であれば、飲食店や遊技場などが建立可能です。
小規模であれば工場なども建てられるエリアとなるため、居住地を探す際には近くに何があるのか、周辺をよく調べておいた方が良いでしょう。
商業地域
商業向けの地域です。
主要駅の周辺や、オフィスビルが立ち並んでいるような栄えているエリアが商業地域に指定されやすいです。
他のエリアと比べて特に栄えている地域であり、銀行や大型の百貨店などが軒を連ねています。
準工業地域
環境を悪化させる心配のない工場などが集まる地域です。
工業系の地域となりますが、住環境にも配慮されているため、住宅を建てることも可能です。
工場といっても、石油コンビナートのような、環境を悪化させる恐れのある工場は建立できません。
工業地域
特に制限なく工場を建てられる地域です。
このエリアでは住宅は建てられません。
住環境を悪化させる工場が集まりやすいので、住宅を建てたい方には向いていません。
工業専用地域
工場を建立できる地域で、公害を発生させる恐れのある工場もここでならば建立可能です。
工場専用の地域となりますので、工場の建立を妨げる建物は原則として建てられません。
例えば、病院や学校、そして住宅などは、ここでは建てられません。
用途地域の重要性
用途地域を調べることで、どのような地域なのかを知ることが出来ます。
例えば、第一種低層住居専用地域であれば、飲食店などがない閑静な住宅街であることが容易に想像がつきますね。
どのような街で家を建てたいかで悩んだら、まずは用途地域について調べると良いでしょう。
こういった街に住みたいという要望があるのであれば、そのニーズに適した用途地域を探すことで、理想の街に住むことができます。
用途地域について知らずに移り住むと、望んでいた生活が手に入らず、ストレスを抱えてしまうかもしれません。
例えば、賑やかな街を求めている方からすると、閑静な住宅街は刺激が少なくて退屈に感じることでしょう。
賑やかさを求めているのであれば、商業系の地域がオススメになります。
その反対で、静かな生活を望むなら第一種低層住居専用地域などがオススメになります。
このように、人によってオススメできる用途地域に違いがあります。
住む場所を探す際には、用途地域をよく調べておきましょうね。
用途地域を調べておけば、たとえ今まで住んだことがない地域でも、どのような地域なのかを知ることができます。
用途地域を把握しておけば、土地選びで失敗するリスクを減らすことができるでしょう。
用途地域の建築制限
指定される用途地域の種類が異なると、そこで受ける制限にも違いがあります。
そのため、建物を建てる際には、どのような制限があるのかを事前に知る必要があります。
では、どのような制限があるのでしょうか?
用途地域で受ける制限というと、斜線制限や日影規制、高さ制限、そして容積率や建ぺい率などがあります。
斜線制限とは、建物の周囲にある道路や水路、公園、隣地などの斜線を超えないようにするための制限ですね。
この制限がないと、いざ建物が建った時に隣地の建物の採光や日当たり、風通しなどを妨害してしまう恐れがあります。
周囲の住環境を守るためにも、必要な制限なのです。
日影規制は、日照を確保するために必要な措置です。
建物を建てる際には、周囲の建物の日照を阻害しないように配慮する必要があります。
高さ制限も、他の規制同様に隣地や前面の建物の日照や風通しを妨げないための措置となります。
工業地のような例外を除き、建物を建てる際にはその用途地域の高さ制限に引っかからないようにしなければなりません。
ただし、高さ制限に引っかからなければ、どれほど大きな家を作っても大丈夫というわけではありません。
高さに関する制限とは別に、建物の面積に関する制限もあるからです。
それが容積率や建ぺい率の制限なんですね。
建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合のことです。
容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合のことです。
建物を建てる際には、この建ぺい率と容積率におさまるように建立しなければなりません。
そのため、建ぺい率や容積率が小さい土地だと、建築可能な面積が小さくなるため、大きな家を作れなくなってしまうのですね。
このように、用途地域の種類によって様々な規制を建築物は受けることになります。
規制が緩い用途地域ほど、自由に家を建てられるため、理想のマイホームを建てたいなら条件が緩い用途地域を選んだ方が良いでしょう。
その反面、規制が厳しい用途地域を選ぶと、自由な家を作ることは難しいです。
厳しい基準をクリアできる家しか建てられないでしょう。
その代わり、規制が厳しいだけに閑静な住宅街のような、その土地ならではの住環境の中で今後ずっと暮らすことがきるという利点があります。
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第一種低層住居専用地域で見るべきポイント
閑静な住宅街で静かに暮らすなら、第一種低層住居専用地域がオススメです。
多少騒がしくても良いのでコンビニが欲しいなら、第二種低層住居専用地域がオススメとなるでしょう。
低層住居専用地域は、戸建ての建物のための地域となりますので、一軒家で暮らしたいという方向きのエリアとなります。
ここに家を建てることで、都会の喧騒を避け、平穏に暮らすことができるでしょうね。
もちろん、商業施設が近くにはないため、買い物や外食に出かける際には遠出する必要があるなどのデメリットがあります。
ただコンビニぐらいであれば進出が認められやすいので、近くにコンビニがある低層住居専用地域ならば買い物で不便を感じることもないですね。
他にあえて低層住居専用地域のデメリットを挙げるとするなら、厳しい高さ制限があるので、三階建て以上の家は建てられないなどの短所があります。
さらに、第一種低層住居専用地域には厳しい建ぺい率と容積率に関する制限があるというデメリットがあります。
そのため、駐車スペースを考えずに建物の面積を広げると、後々になって駐車スペースを確保できなくなるかもしれませんね。
第一種低層住居専用地域で家を建てる際には、駐車スペースをどうするか、事前に決めておく必要があります。
高さ制限や容積率、建ぺい率をチェックしておけば、低層住居専用地域で失敗することは滅多にないでしょう。
事前に制限を把握しておけば、その制限の範囲内で土地を有効活用することができます。
では、制限について知っておけば第一種低層住居専用地域の土地選びでは失敗しないのかというと、そうとは限りません。
土地選びをする際には、その周囲に何があるのかも確認しておきましょう。
というのも、第一種低層住居専用地域の土地だからといって、必ずしもその周囲が閑静な住宅街だとは限らないからなんですね。
閑静な住宅街だと思ったら、その土地のすぐ隣が商業地区で、ぜんぜん閑静ではないというのであれば低層住居専用地域を選ぶメリットが失われてしまいます。
そのため、土地を選ぶ際にはその土地だけでなく、周囲にも気を配りましょう。
周囲の用途地域の種類まで確認することで、土地選びの失敗のリスクを下げ、要望に適った土地に住まうことができます。
用途地域まとめ
土地選びで迷った時、指定されている用途地域を調べましょう。
用途地域を調べることで、どのような土地柄なのかを知ることができます。
せっかく良い土地を選んでも、本人が希望する環境でなければ、今後の生活が苦痛になります。
しかし、価値観に見合った環境ならば、今後の暮らしが快適になるでしょう。
それは規制に関しても同じです。
用途地域が異なれば、建物のサイズや高さに関する規制も異なります。
できるだけ広々とした、そして大きい家を建てたいなら、用途地域の規制が緩い地域を選んだ方が良いでしょうね。
用途地域の種類や規制を知ることで、理想のエリアで、希望のマイホームを建てることができるのです。
既にどのような家に住みたいのかの要望があるのであれば、その要望に見合った用途地域より土地を探しましょう。
それが土地探しで失敗しないコツとなります。
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