住宅購入予算の決め方~プロが教える家を建てる家を建てる費用の目安とシュミレーション

住宅購入の予算って、どうやって決めるのが正解なのでしょう?

・「年収の5倍ってよく聞くし…3,000万円くらいかな!」
・「月々返済可能なのは10万円くらい。だったら3,500万円くらいの家が買えそう!」

このような予算の決め方をしては、絶対にいけません。

何がいけないのかというと、「これくらい」という曖昧さ。

返済額は月々5,000円でも変われば、家計に与える影響は非常に大きいんです。

年収に応じて妥当だと思われる予算の目安はあります。

でも年収が同じでも自己資金がたくさんある人もいれば、ほぼゼロの人もいます。

返済年数も人それぞれです。

人によって家計や状況が違う以上、住宅にかける予算は、オーダーメイドのように作るべきだといえます。

そのための綿密なシュミレーションは、予算決定に不可欠。

今回は住宅購入予算を決めるためのシュミレーション方法を詳しく説明していきます。

読み終えた頃には、あなたにとって適切な予算が必ずわかります。

住宅購入予算の決め方は年収だけじゃない!プロが教える家を建てるお金シュミレーション

住宅購入の予算は、年収、借入額やローンの種類、返済期間から割り出す月々の返済額、その他住宅にかかる費用などを考え、相対的に確定するべきです。

月々の返済可能額の決定には、車のローンや教育ローン、保険料など、継続的にかかる出費についても考慮する必要があります。

また住宅購入時には、頭金と物件価格以外にかかる諸費用の用意も必要になります。

諸費用、頭金ともに全額ローンに組み込むこともできますが、最低でも物件価格の10%、できたら20%は用意しておきたいところです。

自己資金をいくら入れるのか、親からの援助金はいくらもらえるのかも、予算決定前には正確に把握しておきましょう。

住宅予算シュミレーション①返済可能額を割り出す

ではここからは、具体的に住宅購入の予算を導い出すまでのシュミレーションをおこなっていきましょう。

まず算出すべきなのが、「1カ月にいくら支払えるのか」というところ。

無理のない負担の目安は、「年収×25%」といわれています。

年収600万円の人だったら、年間150万円、月々の支払いは12.5万円ですね。

ただし「年収×25%」の数字が、必ずしもその人にとっての無理のない金額とは言い切れません。

夫婦だけの世帯、子供がたくさんいる世帯、その他の借り入れがたくさんある家など、状況は様々ですからね。

この金額はあくまで目安なので、「年収600万円だけど、月々の返済は10万円に抑えたい」という人は、無理に12.5万円にする必要はありません。

住宅予算シュミレーション②返済可能額から家の維持費を差し引く


住宅は、「維持」にもけっこうお金がかかるものなんです。

まずかかるのが、建物の維持にかかる費用。

続いてはどんな不動産にもかかる、固定資産税です。

この2つの費用は毎月かかってくるものではありませんが、継続的にかかるものなので毎月「積み立て」をすることをおすすめします。

そのため先ほど考えてもらった「月々の返済可能額」から「維持費用」を引いたお金を、「ローン返済額」にするべきです。

では住宅の維持にはどれくらいの費用がかかるか見ていきましょう。

建物の維持にかかる費用

マンションって、管理費や修繕積立金を強制的に徴収されますよね。

それは管理組合が所有者に代わって、マンションの管理や修繕などの「維持」をしてくれるからです。

「戸建てだから維持費はかからない!ラッキー♪」

ではいけません。

戸建ては、自らが責任を持って維持していかなければならないんです。

マンションでも戸建てでも共通しているのは、建物は必ず劣化していくものだということ。

必要な時期に、必要な手入れをしていかなければ、建物を維持していくことはできません。

維持にお金をかけない家は、耐用年数や住みやすさ、資産価値、どれにおいても著しいスピードで損なわれていきます。

きちんとした維持をするということは、結果として住む人にとってのメリットでもあるということです。

さて、それでは肝心の建物の維持にかかる費用の目安ですが、「10年間で150万円」を目安に考えておいてください。

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最初の数年間は、特に大きなメンテナンスは必要ないでしょう。

しかし10年を迎えたころには、最初の大規模な修繕を考えるべきです。

修繕の内容は、外壁や屋根、クロス、畳、防水設備など。

もしかしたら10年目くらいの修繕では、150万円はかからないかもしれません。

しかし20年目前後には、そろそろ各設備の交換を検討したい時期です。

キッチンやお風呂、トイレなどの水回り、給湯器などですね。

これらの設備を全部取り替えるとなると、おそらく150万円ではききません。

30年目前後はすでに木造建築の耐用年数を大きく超えている時期ですので、建物本体の大規模な修繕も必要になります。

耐震性、基礎、防水などに劣化があれば、大きな修繕費用がかかってきます。

また家族構成が変化することで、間取りの変更なども必要になるかもしれませんよね。

そのときの希望や劣化状況によっては、10年で150万円では足りないこともあると思います。

しかし元手となるお金が150万円あれば、家族の暮らしやすさの向上とともに、安心できる修繕ができる可能性が高くなります。

必要な時期に、必要な修善ができるよう、維持費についてはコツコツ積み立てておくことが大事です。

固定資産税


固定資産税は、全ての建物、土地にかかる税金です。

納税時期は基本的に4月~5月の年1回ですが、4回に分けての納税も可能です。

金額は、不動産によって異なります。

計算式は「固定資産税評価額×1.4%」。

市街化地域では、この他に都市計画税として「固定資産税評価額×0.3%」がかかります。

住宅が建つ土地については軽減措置が適用となり、200㎡までの住宅用地であれば1/6に、それ以上の住宅用地であれば1/3に軽減されます。

また建物は新築から5年間、1/2になる優遇措置があります。

優良住宅の場合は、優遇措置は7年間となります。

場所や建物の大きさに大きく影響を受けるものなので、金額の目安をお伝えするのは非常に難しいです。

ここでは一般的な住宅の固定資産税を計算してみるので、算出の参考にしてみてくださいね。

例えば、東京23区内にある、物件価格4,000万円の建売住宅のケースを考えてみましょう。

この建物は、長期優良住宅、建物の大きさは100㎡とします。

土地・建物を含めた価格が4,000万円のときの内訳は、多くのケースで土地が2,500万円前後、建物は1,500万円前後になると思います。

日本は土地の価値が高く建物の価値が低いので、「土地:建物」が「6:4」から「7:3」ほどになるのが一般的だからです。

ここでは土地が2,500万円、建物が1,500万円として計算しますね。

この金額にそのまま「1.4」をかければいいというものではありません。

固定資産税の計算方法は、「固定資産税評価額×1.4」でしたね。

「固定資産税評価額」は、土地の場合は公示価格の70%、建物の場合は新築工事費の5~6割が目安になるといわれています。

それぞれ販売価格から固定資産税評価額の目安を算出するには、土地、建物の金額の60%ほどと考えればいいと思います。

土地が2,500万円、建物が1,500万円でしたので、評価額はそれぞれ1,500万円、900万円としましょう。

ここで初めて計算式に当てはめられます。

東京23区は市街化地域ですので、都市計画税も足して「固定資産税評価額×1.7」で計算します。

土地⇒1,500万円×1.7%=25.5万円
建物⇒900万円×1.7%=15.3万円

ここから優遇税率を適用させます。

この建売住宅の大きさは100㎡なので、土地の固定資産税は1/6に優遇されます。

また長期優良住宅なので、7年間、建物の固定資産税は1/2となります。

土地⇒25.5万円×1/6=4.25万円
建物⇒15.3万円×1/2=7.65万円

合計⇒4.25万円+7.65万円=11.9万円

この住宅が初年度にかかる固定資産税はこうなります。

ただし固定資産税は、随時、金額が変わっていくものだという認識が必要です。

まず建物の優遇措置が終わったときに、一気に高くなります。

ただし建物は経年劣化するものなので、評価はおよそ20年かけて下がっていきます。

20年後にゼロになるわけではありませんが、新築時に比べたら10~20%まで落ちていくものです。

イメージとしては、初年度から建物の優遇措置の期間である5~7年目まで緩やかに下降。

優遇が終わった翌年から一気に数万円あがり、そこからまた緩やかに下降していく感じですね。

土地の評価は3年に1度見直されますが、土地は経年劣化するものではないので、大きな地価の変動がなければ固定資産税も大きく変わることはありません。

物件によりますが、固定資産税は「月1万円」ではきかない金額にもなります。

建物の維持費用と固定資産税では、20年間に500万円見たほうがいいともいわれています。

月々にすると2万円以上です。

この費用を忘れてローンを組んでしまうと大変なことになります。

ただ「維持費用についてはボーナスから捻出する」と割り切るのなら、それはそれでいいと思います。

年間24万円ほどですから、2回のボーナスでそれぞれ12万積み立てるという形でもいいでしょう。

住宅ローンだってボーナス払いをする人もいますからね。

「ボーナスだと心配」「コツコツ積み立ていきたい」という人は、先ほど出した月々の返済可能額から「2万円」は引いて、ローンの借入額を考えるべきです。

固定資産税については下記の記事で詳しく解説をしています。

関連記事⇒住宅の固定資産税はいくら?シュミレーション・計算方法と負担を減らす節税方法

住宅予算シュミレーション③借入額を決める


さて月々の住宅ローン返済可能額が算出できたところで、ここから借り入れられる金額を導き出すのが次のステップとなります。

借り入れる金額を決めるには、「借り入れる期間」と、金利を「固定にするか、変動にするか」を決める必要があります。

借り入れ期間を決める

借り入れられる金額は、ローンを何年で組むかによって違ってきます。

基本的に住宅ローンは、最長35年間に渡って返済していきます。

多くの商品が80歳まで返済期間を設定できますので、45歳までにローンを組めば最長である35年返済ができるわけです。

ただし「返済理想年数」は、ご自身の年齢が65歳に達するまでの期間。

逆算すると、今の年齢が30歳を超えている場合は、35年ローンを組むべきか考える必要があるといえます。

65歳というと、もちろんお仕事を引退される人が多い時期。

この時期までにはできればローンは返済しておきたいですよね。

ただ35歳だから30年ローンに、40歳だから25年ローンに絶対すべきだとはいいません。

「お金に余裕があるときは、随時繰り上げ返済をしていく」「退職金で一気に完済するつもり」などの意向があれば、厳密に「65歳まで!」と決め付けることはないと思います。

理想は理想。将来的には、「70歳まで現役」というのが普通かもしれませんしね。

自身の年齢とともにお子さんやご家族の状況も考え、借入年数を決めるようにしてください。

関連記事⇒住宅ローンを組むのに年齢は関係ある?若い・高齢でも住宅ローンを通す7つのポイント

固定金利と変動金利どっちがお得?損?


続いて決めるのが、金利の種類です。

「そんなの実際に借り入れるときに選択すればいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、金利って少しでも違えば支払い額が大きく変わるものなんです。

そのため固定にするか、変動にするかは、予算決定の時点で決めるべきだといえます。

今の変動金利は1%を大きくきって、0.7%前後。固定金利は1.5%前後となっています。

3,000万円の借り入れ、35年返済だったら、金利が0.7%の場合の月々の返済額は、80,556円。

一方、1.5%だと91,855円となり、1万円以上の差があるんです。

しかし変動金利は、その名のとおり変動する可能性があるのが難点。

今の固定金利以上の水準になる可能性も、十分考えられます。

しかも2018年10月現在、8月頃から金利の上昇が見られ始め、金融緩和政策が完全に終わればさらに金利が上昇するとの見方もあります。

そのため「今の内に」固定金利でローンを組んでおくというのも、一つの考え方。

そして変動だとはいえ「今の超低金利を逃す手はない!」というのも、また一つでしょう。

いえることは、変動金利を選んだ場合には、今後1~2万円、月々の返済額が上がる可能性があることを認識しておくということです。

または変動金利が著しく上がりそうになったときに、固定金利に借り換えるというのも選択肢としてあります。

あるいは「一定期間固定金利」なんて商品もあります。

1年、3年、5年、10年、20年など、選んだ期間だけ金利が固定されるものです。

その場合、固定期間が終われば、引き続き固定金利にするのか、変動にするのか見直すことができます。

どちらにせよ現時点で変動、固定のいずれかを選び、最終的に借り入れられる金額を確定し、予算を決定する必要があります。

便利な住宅ローンシュミレーションを利用しよう

さて住宅ローンの月々返済可能額が決まり、返済期間が決まり、変動金利か固定金利かを決められたら、実際にいくら借り入れられるかが算出できます。

ここは自分で計算する必要はありません。

ネット上ですぐに算出できる、住宅ローンシュミレーションを利用しましょう。

大手都市銀行のHP、フラット35を提供する住宅金融支援機構のHPなどで、住宅ローンシュミレーションは簡単にできます。

参考⇒住宅ローンシュミレーション|住宅金融支援機構

自己資金と援助金を足して住宅購入の予算を確定する


前項で、借りられる金額が確定しましたね。

ここにご自身が用意している自己資金を足せば、最終的な住宅購入の予算が確定できます。

しかし例えば「500万円用意した」からといって、その額全部が予算に充当できるわけではありません。

というのも自己資金から出すべきものには、住宅購入にかかる諸費用があります。

この諸費用、結論からいうと物件価格の5~8%にも及びます。

「諸費用」っていうから、てっきり数万円と思っていた人もいるかもしれませんね。

3,000万円の物件価格に対して、実に250万円近い金額が諸費用としてかかることもあるんです。

「一体何にそんなかかるの?!」

とお思いでしょうから、ざっと住宅購入にかかる諸費用を挙げてみますね。

・不動産取得税:評価額×4%
・抵当権設定費用:借りた金額×0.4%
・所有権移転登記:評価額×2%
・印紙税:売買契約時1万円~3万円 購入金額による
ローン契約時:2~3万円 借入金額による

・司法書士報酬: 5~10万円ほど 登記をしてもらった報酬として支払います
・火災保険料:30万円ほど 期間等にもよります
・融資手数料:3~6万円ほど 金融機関によって異なります
・住宅ローン保証料:1,000万円の借り入れあたり20~30万円 金利に+0.2などして支払うこともできる
・団体信用生命保険料:保証内容による 金利にプラスすることもできます
・引越し代:15~30万円ほど 楽々パックを使うかどうかでもけっこう違いますね

色々…本当に色々な費用がかかるんです。

ですから予算確定の際には、まず自己費用からこの諸費用分をあらかじめ取っておかなければならないんです。

そして残った自己資金を先ほどローンシュミレーションした「借り入れられる金額」に足すと、最終的な予算が確定できます。

ただ住宅購入には、親から多少の援助を受けられるという人もいるでしょう。

予算確定の前には「いくら援助して頂けますでしょうか?」と聞いておき、自己資金に足してください。

諸費用を除いた自己資金は、住宅購入の頭金として入れることができます。

住宅購入の予算まとめ


今回説明した流れにそって丁寧に住宅購入予算を確定していけば、無理のない返済計画を立てることができます。

住宅ローンの返済は、35年など長期に渡るものです。

その間、ご自身の家族構成や年収はもちろん、住宅ローン金利だって変わり続けます。

そのため住宅購入予算を決めるにあたって大事になるのが、将来を見越したシュミレーションをすることです。

予測をするということは、リスク回避にも繋がるんです。

人生で一番高い買い物であり、ご家族の基盤となる住宅。

しっかりと事前準備をした上で、購入に備えたいものですね。

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