価値が下がらない土地の4つのポイントを不動産のプロが徹底解説!

土地って資産価値が落ちないものだと思っていませんか?

確かに土地は、建物と違って経年劣化するものではありません。

日本の地価の推移を見てみると、バブル期などの著しく高騰と下落をした時期を除けば、長期的に緩やかに上昇しているという事実もあります。

しかしこれからの時代は、日本の地価の下落は避けては通れないといえます。

そのため揺るがない資産だと思われていた土地でさえも、今後はしっかり資産価値と将来性を見極めて選ぶのが重要になってきます。

今回はこれからの地価の動向を推測するとともに、価値が下がらない土地の条件を説明していきます。

今、土地を所有している方も、これから土地を取得しようとしている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

現在の地価の動向は?

まずは現在の地価の動向を見てみましょう。

2018年現在、日本の地価総平均は上昇傾向にあります。

(出典:国土交通省)

上記のグラフは、日本全国の土地と住宅地、三大都市圏の住宅地の地価推移を表したものです。

大きな山は昭和期バブルとバブル崩壊、平成20年頃の小さな山は、不動産ミニバブルとリーマンショックによるものです。

リーマンショックから従来の水準まで地価が回復したあと、平成25年頃から緩やかに地価は上昇し、今に至っています。

平成25年には東京オリンピック開催の決定とマイナス金利政策の浸透があり、そのことが今に続く地価上昇に大きく影響していると考えられます。

近年の地価上昇は、札幌、仙台、広島、福岡などの中枢都市の上昇幅が大きく、東京、名古屋、大阪の三大都市圏では小幅という特徴があります。

また地方では地価は長期的に下落が続いていますが、平成25年以降は下落幅が小さくなっています。

長期的に見ると日本の地価は下落が避けられない状況

短期的に見ると地価は上昇傾向にあり、今後も2020年頃まではそれが続く可能性があります。

ただ大手都心銀行やフラット35も徐々に金利を上昇させていっていますし、オリンピック特需も大会開催まで持つとも限りません。

そのため地価の上昇が続くのは2018年中、遅くとも2019年いっぱいだろうとの見方も強いのが事実です。

そして長期的に見ると、日本の地価下落はもはや避けられない状況にあるといえます。

その理由は、

・人口減少
・2022年問題
・相続数の増加

の3つが挙げられます。

この3つの事象が地価の下落にどんな影響をあたえるのか、1つずつ見ていきましょう。

①人口減少


日本の人口減少は、すでに始まっています。

今までの日本は人口が増え続けていたので、バブル崩壊などを除けば日本の地価は長期的に上昇を続けていたんです。

ただ人口が減少に転じた今、「土地の価値は下がらない」という土地神話は崩壊しつつあります。

(出典:総務省

上の表を見ていただけるとわかりますが、明治時代後半から100年かけて増えてきた人口が、同じく100年で元の水準に戻ってしまうほど、人口減少のスピードは著しいと予想されています。

不動産価格は、需要と供給のバランスに大きく影響を受けるものです。

人口が減るということは需要が減るということですから、供給数が変わらなければ地価の総平均が下がるというのは自然なことでしょう。

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ただ総平均は下がるものの、全ての地域で平等に地価が下がるわけではありません。

それは人口の減少が、全ての地域で平等に起こるわけではないからです。

人口の減少が起こるのはまずは地方から。

地方にはすでに、「限界集落」や「過疎地」なんていわれている地域も出てきていますよね。

続いて都心部でも人口の減少が見られるようになると予想されています。

しかし都心部で人口減少が見られるのは局地的。

利便性の高い地域においては横ばいか、逆に人口が増加する地域もあるのではないかと見られているんです。

つまり人口減少が地価に与える影響は、地価の総平均の下落とともに、地価の高い地域と低い地域の二極化が激化するということです。

人口そのものが減っていくのですから、今、地価の水準が低いところはさらに低くなることはもちろん、今まで地価の下落が見られなかった地域でも今後の保証はできません。

②2022年問題


人口の減少が地価に与える影響は、「需要が減る」ことによって下落するという話でしたよね。

次は「供給数が増加」することで地価が下落するという話です。

「2022年問題」って耳にしたことありませんか?

簡単にいうと2022年を期に土地の供給数が一気に高まり、地価が暴落するのではないかと危惧されている問題です。

「なぜ供給数があがるの?」

「地価に影響を与えるまでの膨大な土地がどこにあるっていうの?」

となりますが、供給される土地の正体は「生産緑地」という都心部にある農地です。

生産緑地は農地は農地なんですが、一般的な農地とは異なります。

それは1992年の改正生産緑地法により、一般的な農地より固定資産税などの優遇が認められている点。

そしてその代わりに30年の営農の義務が強いられているという点です。

生産緑地の面積は三大都市圏を中心に、1万ha以上あります。

1992年に生産緑地として登録された農地は、今の生産緑地の8割以上。

そして1992年から30年というのが、2022年です。

つまり2022年に8,000ha以上の土地が「30年の営農義務」から開放され、宅地化し、市場に出回る可能性があるということです。

これだけ多くの土地が市場に出る可能性があるというのも問題なのですが、その多くが住宅地としてかなり好条件であることもまた問題です。

そもそも生産緑地は、都心部にある農地だといいましたよね。

農地といえば、更地で日当たりが良好、整形地、そして接道条件がいいものばかりなんです。

そんな好条件な土地、都心部にはもはや残っていません。

条件のいい土地が多く市場に出回れば、需要と供給のバランスが崩れるのはもちろん、不整形地や再建築不可など条件の悪い土地は、さらに売れにくくなることは避けられないでしょう。

③相続数の増加


現在、日本は超高齢化社会といわれていますよね。

「超高齢化社会」とはWHOで定義されているもので、全人口に占める65歳以上の高齢者の割合が21%を超えた社会のことです。

総務省によると日本は平成19年にはその水準に達しており、平成29年時点の高齢者の割合は約35%にも達しています。

今後もその割合は高まり続け、平成52年には40%近くになると予想されています。

日本は、「超」をいくつも付けても足りないくらいの高齢化社会になるのは避けられません。

高齢化社会が地価に直接的に影響を与えるのは、相続の発生数の増加によるものです。

近年は税制改正などの影響も受けて、さらに不動産の相続数は増加傾向にあります。

相続数の増加はすでに地価の下落に影響を与え始めていますが、この問題がさらに深刻化すると見られている目安が2025年。

この年にいわゆる「団塊の世代」が、後期高齢者を迎えるからです。

そのため2025年前後からさらに相続された土地が不動産市場に大量になだれ込み、地価の暴落に繋がるのではないかと危惧されています。

価値が下がらない土地を見極めるための4つのポイント

「土地さえ持っていれば安心」
「土地は揺るがない資産」

先述した3つの要因により地価が下落するのが避けられない日本において、このような考え方は今後なくなっていくでしょう。

しかし数は少なくなるとはいえ、今後も資産価値を保ち続ける土地も必ずあるんです。

「不動産」とは動かない資産と書きますが、本当の意味での「不動産」を手に入れるために、これからの土地選びには次の4つのポイントの見極めが重要になってきます。

①利便性


やはり相対的な利便性の高さがある土地の価値は下がりにくいです。

一番簡単なところでいうと、駅からの距離。駅に近ければ近いほど、価値の下がりにくさも比例します。

また「住みたい街ランキング」の上位にランクインするような地域は、価値の低下は今後も起きにくいでしょう。

いくら人口が減少してもこのような地域の人気は不動なものですし、地価の二極化が進む今後は、さらに地価が上昇する可能性もあります。

また生活インフラの充実度も、利便性には大きく影響するものです。

例えば病院や役所、学校、大きな公園の近くの土地は常に人気が高いです。

ただ近年、大型ショッピングモールなどの近くに大規模な分譲地が開発されていますが、このような場所は前提として「駅から近い」「都心に近い」という条件がなければ少々不安があります。

というのも、そのような施設の人気は一過性のものかもしれないからです。

最近アメリカ発祥の倉庫型スーパーや北欧発祥の家具屋さん、アウトレットモールなんかの人気が非常に高いですが、10年後、20年後に今の人気が続いているとは限りません。

人気施設至近!などを目玉に分譲している分譲地や建売住宅は、施設自体の人気が無くなれば土地の資産価値が落ちるような場所ではないか、よく考えるべきだと思います。

②将来性

長期的に地価の下落が避けられない日本において、土地の将来性を見極めることは非常に重要だといえます。

今後は地価が高い地域・低い地域の二極化が進むとお話しましたが、それは今後、全国的に国土交通省が推奨している「コンパクトシティ」の形成が進むことにも起因しています。

コンパクトシティとは、生活拠点の中心に医療や福祉、商業、住宅などを誘導し、公共交通ネットワークの再構築、集約する制度の構築などによりコンパクトな街づくりをするというものです。

コンパクトシティの形成により、人口が減少しても地域の人口密度は維持されるので、今までと変わらず便利な生活を送ることができます。

しかしそれに伴って問題になるのが、便利な施設を集約することで、便利でない地域も増えてしまうということです。

例えば今まで駅から徒歩20分圏内は利便性が高いといえていた地域でも、徒歩10分圏内にコンパクトシティが形成されれば、そこから外れた地域は利便性が徐々に落ちていきます。

同じ駅を利用している地域でも、便利な地域・便利じゃない地域の二極化が進むということ。それは将来的には地価の二極化に繋がります。

つまり今後は、地方と首都圏という大きな地価の二極化とともに、同一駅徒歩圏内という小さいエリアにおいても地価の二極化が起きる可能性があるということです。

自治体の中には、すでに街のコンパクト化のための計画を作成、公表しているところも出てきています。

各自治体のコンパクトシティ形成に向けた政策を「立地適正化計画」といいますが、この計画は自治体のHPなどで簡単に閲覧することが可能です。

これからの土地の資産価値を考える場合、この立地適正化計画を確認し、その地域の将来性を把握することは不可欠になるといえるでしょう。

③災害予測


日本は有数の地震大国です。

東海地震や首都直下型地震など、いくつもの大地震が日本国内各地で数十年以内に起こるとの予想が出ています。

さらに近年は、地震以外の自然災害も多発していますよね。

ゲリラ豪雨や台風に伴う河川の氾濫や土砂災害は、毎年どこかしらで起こっているといっても過言ではないでしょう。

そのため今後、安心して住める土地の条件には、地盤の強固さや河川や海からの距離、土砂災害の起きにくい地形などがさらに重要になってきます。

「安心して住める土地」というのは、長期的にみれば「資産価値が下がらない土地」ともいえます。

今後80年で人口が1/2以下に激減する日本において、利便性の高い地域に人気が集まるのと同様に、安心度の高い地域にも人気が集まることが予想されるからです。

各地域の災害予測を確認するには、国土交通省のハザードマップポータルサイトを利用するのが便利です。

このサイトでは、日本全国の洪水、内水、高潮、津波、土砂災害、火山、地震防災のハザードマップを閲覧することができます。

④土地の条件


価値が下がらない土地というのは「立地」が大きく影響しますが、土地そのものの条件にも大きく影響を受けます。

土地そのものの条件というのは、土地の所有権の有無や土地の形状、接道の状況などです。

借地権より所有権、いびつな形より整形地、接道が狭いより広い方が、価値が高いとともに今後の価値が下がりにくいといえます。

整形地というのは、正方形や長方形の土地ですね。

長方形といっても奥行がありすぎるもの、つまり間口が狭い土地は使い勝手が悪くなり、価値が低くなります。

土地の価値の目安となる路線価の計算においても、奥行がありすぎる土地は「奥行補正」という計算式が用いられ、価値が下がりますからね。

また接道については、6m以上あるのが理想です。

一方通行などではなく、車がすれ違える広さの道路に面している土地ということです。

角地は2つの道路に面しており、日照条件も良好なので価値が高く、落ちにくいといえます。

今後は今以上に、条件のいい土地から順に売れていく時代になります。

生産緑地が市場に大放出されると懸念されている2022年以降は、特に土地の条件の善し悪しは資産価値に大きく影響を与えるものになるでしょう。

まとめ

日本の住宅は戸建てでもマンションでも、資産価値の割合は土地が大部分を占めています。

そのため土地だけでなく全ての住まいの資産価値を考えるときには、まずその土地の価値を見極めるのが重要だといえます。

建物はいくらでも修繕したり建て替えたりすることができますが、土地は場所や形、その他の条件を変えることは基本的にできませんからね。

そしてこれからは価値が下がらない土地を見極めることは、さらに難しく、さらに重要度を増していきます。

今回挙げた4つのポイントをもとに土地の価値や将来性を考えることは、ご自身やご家族の将来のためでもあります。

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