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<記事の情報は、2023年9月7日時点のものです>
注文住宅というと、なんとなくお高いイメージという人は多いのではないでしょうか。
注文住宅は、何から何まであなた好みに作れるオーダーメイドの住宅です。
手間も時間も掛かるので、建売住宅やマンションと比べると比較的費用はかかりますが、近年はローコスト住宅も増え、予算に応じて住宅にかける費用を設定しやすくなりました。
それでも、注文住宅を建てようと思う多くの人にとって、その購入予算は未知の部分が多いですよね。
この記事では、注文住宅にかかる費用や、収入別の予算目安、予算の組み方、1,000万~5,000万円台の注文住宅のイメージ、予算オーバーしないための心得、予算オーバーした場合の対処方法についてお伝えします。
- 注文住宅にかかる費用の内訳が知りたい!
- うちの収入でどのくらいの注文住宅が建てられるの?
- 注文住宅の予算の組み方がわからない・・・
- 注文住宅を計画中に予算オーバーしてしまった!
という方は、ぜひこの記事を読んで、注文住宅の予算に関する疑問を解決してください。
また本文に入る前に、家づくりにおいて最も重要なことを伝えさせてください。
マイホームを建てたい!と考えたら、何よりも先に始めなければならないことがあります。
それは、「出来るだけ多くの住んでいる地域に対応している住宅メーカーの資料集めすること」です。
ここだけの話、家づくりで後悔している人のほとんどは、この「住宅メーカーの比較」を怠っていたというケースが非常に多いのです。
例えば、5,6社見ただけで住宅展示場で一目惚れした家に決めてしまったり、営業の人の話に流されてしまったり・・・。
ほとんどの人にとって家は一生に一度の大きな買い物。
後から、改築や建て直しをすることになり、何千万円もの損をしてしまう方も実際に存在します。
そんな失敗をしないためにも、事前に多くの住宅メーカーのカタログを集め1度は比較してみることが何よりもまず最初にやるべきことなのです。
「でも数多くある住宅メーカーからカタログを取り寄せるなんて、時間もかかるし面倒くさい」
ほとんどの人がそう思うでしょう。
そこでぜひ活用してほしいのが、SUUMOのカタログ一括請求サービスとNTTデータグループが運営する家づくりのとびら。
マイホームの建設予定地を入力するだけで、そのエリア対応の住宅メーカーのカタログをスマホから簡単に取り寄せることが出来ます。
SUUMOでは工務店を中心に、家づくりのとびらはハウスメーカー中心に無料で資料を取り寄せられます。
「予算的にハウスメーカーは厳しい。。。」
「絶対に知名度のある会社がいい!」
このように先入観を持つのではなく、まずは必ず1度出来るだけ多くの住宅メーカーに目を通して下さい。
最初は比較対象じゃなかった会社や、名前も知らなかった会社が実は自分たちにとってはベストな住宅メーカーだったという方は非常に多いです。
後から取り返しのつかない後悔をしないよう、面倒くさがらず資料を取り寄せてしまうことをおすすめします。
それでは解説を進めていきます。参考にして下さい!
もくじ
注文住宅の購入費用はいくら必要?
まずは、注文住宅を購入する場合に必要になる費用とその内訳についてお伝えします。
注文住宅にかかるお金の全体像を把握しましょう。
注文住宅にかかる費用と内訳
注文住宅にかかる費用は大きく分けて5つの項目に分けられます。
- 土地代
- 設計費
- 建物工事費用
- 別途工事費用
- 諸経費
具体的な内容を確認していきましょう。
土地代
土地を購入するための費用で、土地の売買契約を結び、土地の売主に支払います。
首都圏か地方か、または広さによって購入費用に大きく差が出てきます。
設計費
建物の設計費用です。
本体工事費に含まれる場合もありますが、確認申請に進む段階で設計契約を結び、別途請求されることが多いです。
設計事務所に依頼する場合、工務店に依頼する場合、ハウスメーカーに依頼する場合でそれぞれ費用が異なります。
目安となる金額は以下の通りです。
- 設計事務所…建物工事費の3~15%
- 工務店…建物工事費の2~5%
- ハウスメーカー…3~5%
私が所属していた建設会社の設計部では、注文住宅の設計費は建物の工事費用の3%程度でした。
内訳としては、基本設計料(広さや構造に応じて設定されています)+確認申請手数料です。
注文住宅ならではの出費になりますので、目ぼしい建設会社や設計事務所があったら、事前に設計費用について調べておくと安心ですね。
建物工事費
建物を建設するための費用で、工事請負契約を結び、建設会社に支払います。
一般的な内訳とその内容としては、以下のようになっています。
- 仮設工事…作業足場、養生、清掃、仮設水道、仮設電気、トイレ
- 基礎工事…基礎、土間コンクリート
- 木工事…住宅の構造体、フローリング、窓枠、階段、棚造作
- 屋根・板金工事…屋根、雪止め、雨樋
- 外壁工事…外壁材、外壁防水材
- 金属製建具工事…サッシ、ガラス、玄関扉
- 内装工事…内部クロス、CFシート、畳、カーテンレール
- 木製建具工事…室内扉、障子
- 左官工事…コンクリート面仕上げ、土間仕上げ
- タイル工事
- 石工事
- 防蟻工事
- 雑工事…システムキッチン、洗面化粧台、システムバス、トイレ、下駄箱、床下収納等、給湯器
- 電気工事…電気配線、分電盤、スイッチ、アンテナ、インターネット、テレビ配線、照明器具
- 給排水設備工事…給排水配管、住設機器取り付け費用
- ガス工事…ガス配管、給湯器取り付け費用
建設会社によって、内訳の表記方法には差があります。
見慣れない言葉もあるかもしれません。
見積書の項目については、ひとつひとつ確実に理解して、納得した上でお金を支払いましょう。
別途工事費
本体工事とは別にかかる費用です。
建設会社が一括で請け負う場合、建設会社に支払いますが、別手配の場合、各依頼先に直接支払うことになります。
- 解体工事費(建替えの場合)
- 地質調査費
- 地盤改良費
- 水道配管引き込み工事費
- プロパンガス配管工事費
- 空調機
- カーテン等のインテリア費
- エクステリア、造園費用
諸経費
諸経費とは、土地の購入や建物工事に伴って発生する手続き費用や、税金関係の出費のことで、引越し費用や地鎮祭、上棟式費用も諸経費に含まれます。
一般的に、建物工事費の10~20%が目安の金額です。
内容を確認しましょう。
- 土地・建物の登記費用 約40万円
土地と建物の情報を登録する手続きです。
一般的には司法書士・土地家屋調査士に依頼して手数料を納めます。
自身で行う場合は2万円程度。
- 税金関係 約5万円
ローン・土地・設計・工事等各契約ごとに必要になる収入印紙税の費用です。
- 火災保険・地震保険料 10~30万円
構造や防火性能によって価格は異なり、一般的な木造住宅の場合、10~20万円程度になります。
- 銀行諸経費 約80万円
住宅ローンを使用する場合の手数料、保証料(物件価格の2%程度)です。
- 仲介手数料 売買金額×3%+6万円が上限
企業の仲介を経て土地を購入する場合に必要になります。
- 手付金 50万円~
土地を購入する際に不動産会社に支払います。
- 引越し費用 約20万円
引越し業者に依頼するとこのくらいの金額になります。
- カーテン、家具、家電等 約50万円
どの程度新調するかや、選ぶ内容によって金額は大きく異なりますが、最低でも50万円は用意しておくと安心です。
工事中に必要になる諸経費
- 地鎮祭費用 3~10万円
地鎮祭を行う場合に必要になります。
依頼先の神社や規模によって異なりますが、一般的な木造住宅の場合3~5万円以下が相場です。
- 上棟式費用 3~20万円
上棟式を行う場合に必要になります。
規模や出し物、料理によって異なりますが、簡易的にやって3万円程度、ご祝儀を配る場合は10万円~が相場になります。
予算配分の目安は?
建てる地域や、建物の広さによって条件は大きく異なりますが、一般的な配分率で予算の配分をすると、総予算に対して以下のように分配されます。
- 土地代4.5割割
- 設計費用+建築工事費用3.5割
- 別途工事費用2割
- 諸経費1割
総予算が5,000万円の場合にあてはめて確認してみると、以下のようになります。
- 土地代2,250万円
- 設計費用+建築工事費用1,750万円
- 別途工事費用1,000万円
- 諸経費500万円
全体の予算を把握することも大切ですが、内訳を知った上で予算の配分を把握することも大切です。
その他にかかる費用
注文住宅には、その家のこだわりの設備が付けられるというメリットもあります。
家族の状況や要望に合わせて必要性を検討し、予算に組み込みましょう。
参考価格
スポンサードリンク- ホームエレベーター…300万~500万円
- ウッドデッキ6帖程度…天然木材20万円、人工木材30~50万円
- ビルドインガレージ・・・150万円〜
- 防音室…100万円~
- シアタールーム…200万円~
- 太陽光発電…80万円~
どのタイミングでいくら支払うのか?
注文住宅の購入は、建売住宅やマンションと比べて複雑で手順が多いのはご存知でしょうか。
購入手順が多いため、随時銀行や不動産会社、建設会社の支持を仰ぎながら必要なお金を用意しておくことになるのですが、予めお金を支払うタイミングを知っておくと安心です。
注文住宅は、土地を購入してから建物の工事契約を行うことになります。
- 土地購入時に必要なお金
- 住宅建設時に必要なお金
について順番に内容を確認しましょう。
土地購入時に必要なお金
- 土地購入申し込み時…手付金
- ローン契約時…事務手数料・保証料・火災保険料・つなぎ融資手数料
- 土地売買契約時・・・土地残金(現金で支払う場合)、仲介手数料の半金、印紙税
- 土地引渡し時…仲介手数料の半金、土地の登記費用
住宅建設時に必要なお金
- 設計契約時…設計費、確認申請手数料
- 工事契約時…印紙税(建設会社が支払う場合もある)、地質調査費
- 着工前…地盤改良費、地鎮祭費、着工金
- 上棟時…中間金、上棟式費
- 引き渡し前後…工事費の残代金(工事費総額-着工金-中間金+追加・変更工事費用)
- 引渡し後…建物の登記費用
着工金、中間金、残金は工事費総額を3分割した金額とすることが多いですが、支払うタイミングや金額の指定は建設会社によって異なります。
工事契約までには支払いの方法や具体的な金額について確認しておきましょう。
1,000万~5,000万円代の家。予算によって違いはなに?
ローコスト住宅から、高級住宅まで、注文住宅は予算に応じて幅広い選択ができることが魅力のひとつです。
どのくらいの予算でどんな感じの家になるのか?というのはイメージがつきにくいですよね。
1,000万円~5,000万円台の家の違いや傾向についてお伝えします。
1,000万円台の家の傾向
1,000万円台の家は、新築の注文戸建て住宅でも最もローコストな住宅。
特徴としては以下の傾向があります。
- 広さ35坪以下
- 全体的にシンプルで最低限の設備
- 外観も間取りも凹凸が少ない
- 屋根形状は切妻屋根か片流れ屋根
- 仕様材料や設備のグレードは中の下~中
- 内装材はフローリング+ビニールクロス
- 予算のバランスを考えれば無垢材や高級品などは一部使用可能
- 予算のバランスを考えれば省エネ設備は一部使用可能
2,000万円台の家の傾向
2,000万円台の家は、1,000万円台の家と同様にシンプルでありながら、一部こだわりや贅沢な設備を入れられる家。
抑えるところは抑えて、お金を掛けたいところにこだわって計画すれば、予算内で夢をかなえた住宅とすることができます。
- 広さは30~40坪
- 全体的にシンプルではあるが、一部こだわれる
- 外観も間取りも一部こだわれる
- 屋根形状は切妻屋根か片流れ屋根か寄棟屋根
- 仕様材料や設備のグレードは中の下~中の上
- 内装材はフローリング+ビニールクロス、自然派素材も一部使用できる
- 無垢材や高級品などは一部使用可能
- 省エネ設備は一部使用可能
3,000万円台の家の傾向
3,000万円台の家は、注文住宅としては全国的に最も建てられている価格帯の家。
注文住宅らしさのある、こだわりを叶えやすい価格帯になります。
- 広さは30~45坪
- 間取り、外観共に複数のこだわれる
- 屋根形状は切妻屋根、片流れ屋根、寄棟屋根、入母屋屋根など様々な種類が選べる
- 使用材料や設備のグレードは中~上の下、一部高いグレードのものを入れられる
- 内装材は自然派素材やこだわった素材を複数の部屋に使用できる
- 高級品などは予算のバランスに応じて複数の場所に使用できる
- 省エネ設備は複数導入できる
4,000万円台の家の傾向
4,000万円台の家は、どこから見ても『立派なおうち』と言われるような家になります。
30坪~40坪程度の場合は坪単価で90万円程度掛けられるので、ほとんどのこだわりを叶えることができるでしょう。
木造に限らす、RC造も視野に入ってくる価格帯です。
- 広さは30~60坪
- 間取り、外観共に全体的にこだわれる
- 構造材にこだわれる
- 屋根形状は自由
- 使用材料や設備のグレードは中の上~上
- 内装材はこだわりのものを全体的に使用できる
- 高級品などは複数の場所に使用できる
- 省エネ設備を全面に導入できる
5,000万円台の家
5,000万円台の家は、高級住宅と言える価格帯の家です。
二世帯住宅でも、十分な広さとこだわりを叶えられる価格帯で、一部賃貸の併用住宅なども十分実現することができるでしょう。
- 広さは70坪程度まで可能。使用材料によってそれ以上も可能
- 間取り、外観共に細部までこだわれる
- 構造材にこだわれる
- 屋根形状は自由
- 使用材料や設備のグレードは上の下~上
- 内装材は細部にまでこだわれる
- 高級品を全体的に使用できる
- 省エネ設備の細部にまでこだわれる
5,000万円台の家を超えて行くと、広さにもよりますが、より高級志向に磨きをかけことになると考えていいでしょう。
芸術家の作品を建具に取り入れたり、人気建築家に設計を依頼したり、設備や内装材にもとことんこだわることができるようになります。
予算はもちろんですが、自分の年齢や思考に合った住宅を計画できるといいですね。
あなたの家はいくらかけられる?注文住宅の予算をチェック!
注文住宅を建てる際には、どの程度の予算をかけられるか?ということが一番心配という方は多いです。
住宅は高い買い物ですし、住宅ローンを借入れする場合、長い期間を返済に充てるわけですから、当然のことですね。
注文住宅を建てる際の予算について2つの項目から確認しましょう。
- 年収から考える予算の目安
- 家計の収支から考える予算の目安
それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてください。
年収から考える予算の目安
注文住宅を選択している人の年収の平均は、約690万円。
最も多いのは400万~600万円の世帯で31%。続いて600~800万円の世帯で21.9%となっています。
(国土交通省住宅局 平成29年度住宅市場動向調査 参照)
住宅購入の予算は、年収の5倍が目安と言われています。
年収500万円の場合、住宅購入予算の目安は2,500万円ということですね。
ちなみに、全国的な平均倍率を確認すると約6倍となっていますので、参考にしてください。
また、住宅を購入するためには、諸費用がかかることをお伝えしてきましたが、その分についても考慮する必要があります。
年収から購入予算を考える場合、自己資金があるかないかによって、当然ながらその購入予算は異なります。
- 自己資金がある場合の土地・住宅購入予算
年収×5(目安の倍率)+自己資金-諸費用=土地・住宅購入予算
- 自己資金がない場合の住宅購入予算
年収×5(目安の倍率)-諸費用=土地・住宅購入予算
例えば、自己資金が400万円ある年収500万円の人の住宅購入予算は
500万×5(目安の倍率)+400万-300万=2600万円
自己資金がない場合は
500万×5(目安の倍率)-300万=2200万円
となります。
自己資金の目安の金額と平均額は?
自己資金の目安の金額は、物件金額の2~3割と聞いたことはありますよね。
なぜ2~3割かというと、このくらい用意しておくと、ローンの金利優遇を受けられ、審査が通りやすく、頭金と住宅購入諸経費に十分分配することができるためです。
平均額としては、土地+注文住宅の場合、借入れ価格に対して28%が物件価格の自己資金の目安となっています。
自己資金の内訳は、頭金と諸経費。
頭金は、土地や住宅購入に充てる現金の金額のことで、諸経費は先ほどからお伝えしている通り、土地と住宅の購入に伴って発生する費用のことです。
家計の収支から考える予算の目安
年収から予算を確認する方法をお伝えしましたが、年収が同じ家庭でも、毎月の生活費は異なりますよね。
ローンの支払いができなくなるローン破綻を防ぐためには、年収だけでなく家計の収支から判断した『返せる額』からローンの借入額を決めることが大切です。
年収からの予算立てはあくまで目安と考えて、できるだけこの家計収支から間がる予算に近づけられるように計画するようにしましょう。
家計の収支から予算を間がる場合、まずは4つのポイントから抑えます。
- 使う現金の金額を決める
- ローンの借入額を決める
- 住宅購入諸経費を知る
- 購入できる予算の目安を知る
順番に確認していきましょう。
①現金の金額を決める
まず、自己資金として使う現金の金額を決めます。
自己資金は、頭金+住宅購入諸経費なのですが、そこで単純に頭金と住宅購入諸経費の額を支払ってしまうのは失敗のもとです。
自己資金を用意する場合、『いくら支払うのか』よりも『いくら残すのか』を大前提にしましょう。
住宅購入の際に、手元に残しておく現金の用途は以下2つです。
- 生活予備費
万が一収入が思うように入らなかったり、大きな出費があった際に慌てないようにするための貯蓄です。
毎月の生活費の3ヶ月分から半年分は使わずに残しておきましょう。
- 住宅購入以外のための貯蓄
教育のための貯蓄や、車の購入資金、旅行の準備金などのための貯蓄は、なるべく手をつけずに取っておけるようにしましょう。
この2つの用途についての貯蓄を残して、捻出した分が自己資金として使える現金の金額となります。
②ローンの借入額をきめる
まずは、以下の数値を明らかにして試算してみましょう。
Aボーナスを含めない毎月の手取り収入額
B毎月の生活費(住居費を除く)
C教育資金などの積立費
Dマンションの場合駐車場代・管理費・積立費等(毎月2~3万円程度)
E固定資産税(毎年10~20万円)
Fローンを返済できる期間(定年する年齢―現在の年齢)
A~Eの数値から、式を組み立てます。
A-(B+C+D+E-)=毎月ローンの返済に充てられる金額となります。
我が家の場合を例に見てみましょう。
- ボーナスを含めない毎月の手取り収入・・・32万円
- 毎月の生活費・・・21万円
- 積立費・・・なし
- 固定資産税・・・年間約12万円=月1万円
32万-(21万+1万)=10万円
ということで、毎月ローンの返済に充てられる金額は10万円となりました。
この金額と、ローン返済期間を明らかにしたところで、フラット35のローンシミュレーションを利用します。
住宅ローンの計算は、電卓で行うととても複雑で時間がかかりますので。
借り入れする銀行が決まっている場合は、銀行が提供するローンシミュレーションサービスを利用するのもおすすめです。
ちなみに、我が家の『返せる額』で見た住宅ローンの金額は、3,163万円となりました。
③住宅購入諸経費を知る
このステップでは、今まで計算してきた金額をもとに、住宅購入諸経費を確認しましょう。
注文住宅の諸経費は、物件価格の10%程度が目安です。
住宅購入諸経費の目安は、以下の計算で確認しましょう。
①使う現金の金額+②ローンの借入額=購入できる物件価格(仮)
購入できる物件価格(仮)×10~20%(中古物件の場合+リフォーム費用)=住宅購入諸経費の目安
使う現金を100万円、ローンの借入額を3,100万円として仮定しましょう。
①100万円+②3100万円=3200万円
3200万円×10%=320万円
住宅購入諸経費の目安は320万円となります。
④購入できる金額を知る
①~③までの金額を把握したところで、いよいよ購入できる住宅の金額を知ることができるようになりました。
購入できる金額は、以下のように計算します。
①使う現金の金額+②ローンの借入額=④購入できる金額
③住宅購入諸経費は、現金で捻出するか、ローンで借りるかによって、①か②に組み込んだ上で計算しましょう。
注文住宅の場合はこの金額が土地+住宅工事費となります。
以上で家計の収支から考える住宅購入の予算の目安を知ることができます。
それぞれのステップを丁寧に計算して、自身の生活に合った住宅の金額を理解し、住宅購入予算を考えましょう。
注文住宅で予算オーバーしないために
注文住宅は、建売住宅やマンションに比べて最も予算オーバーしやすい選択肢です。
予算オーバーしてしまうと、せっかく予算に気を使って計画してきても、全ての計画が狂ってしまうことになったり、金利の高いローンに手を出さなくてはいけないようになります。
注文住宅で予算オーバーしないための2つのポイントをお伝えします。
- 予算オーバーしないために注意したいこと
- 予算オーバーしたら削って良い部分・ダメな部分
注文住宅づくりを始める前に確認して、予算オーバーを防ぎましょう。
予算オーバーしないために注意したいこと
注文住宅の費用が限られている場合、最初から予算を抑えながら計画することが大切です。
と言っても、予算を抑える方向ばかりに懸命になると、注文住宅ならではの自由な設計という長所が損なわれてしまいますので、バランスをとりながらの判断が大切。
予算オーバーしないために、最初の計画から注意したい6つのことをお伝えします。
- 駆け引きはNG!予算を明確に伝えよう
- こだわる部分、こだわらない部分のバランスを大切に
- 建物は四角くシンプルにしよう
- 総2階は無駄なくローコスト
- できるだけオープンな計画にしよう
- 床材、壁材はなるべくシンプルにしよう
順番に確認していきましょう。
駆け引きはNG!予算を明確に伝えよう
できるだけ安くやりたいために、予算を明確に伝えず計画を進める場合がありますが、これはあまりやらない方がいいです。
建てる側としては、予算を明確に伝えてくれた方が、その予算内でできることを最大限に提案できるためです。
予算を聞いても、「できるだけ安くやりたいです!」と言われてしまっては、気の利いた提案も出し渋ります。
ローコストでも良い家を建てたいのであれば、駆け引きをせずに、予算はできるだけ明確に担当者に伝えてください。
こだわる部分、こだわらない部分のバランスを大切に
注文住宅の醍醐味は、自分のこだわりを住宅に盛り込めること。
せっかく注文住宅を建てるのであれば、こだわった設計にしたいですよね。
予算が厳しくても、こだわりを叶えるために大切なことは、こだわる部分とこだわらない部分のバランスを大切にすることです。
例えば、キッチンにこだわったら、システムバスのランクを下げる。
照明設備にこだわったら、壁紙をビニールクロスにするなどです。
こだわる部分はこだわって、そうでない部分はお金をかけないこと。
予算のバランスを取りながら、こだわりを実現させましょう。
建物は四角くシンプルにしよう
建物の形状は、正方形や長方形が無駄が少なく、予算を掛けずに計画することができます。
しかも耐震性も上がりますので、一石二鳥ですね。
総2階は無駄なくローコスト
総2階は、1階と2階の広さが同じで、重なっているプランのこと。
1階より2階が小さいと、下屋と言って、2階の無い1階部分に屋根が必要になります。
2階より1階が小さいと、軒天と言って、2階のはみ出した下の部分を仕上げる必要があり、それぞれに費用がかかります。
できるだけ1階と2階が全て重なったプランを検討しましょう。
できるだけオープンな計画にしよう
注文住宅を建てると、扉一枚一枚にもお金がかかります。
そのため、クローゼットやリビング、子供部屋などの扉が必要なくても暮らせる部分の扉は取り付けないことを検討してみましょう。
また、外構工事も門や塀を設けないオープンエクステリアも大幅に予算が削減できます。
予算に応じて検討してください。
予算オーバーしたら削って良い部分・ダメな部分
予算オーバーしないように気をつけていても、どうしても予算からはみ出てしまうことはあります。
その場合に、削って良い部分となるべく削らない方が良い部分を確認しましょう。
予算オーバーしたら削って良い部分
予算オーバーしたら削っても良いと判断できる部分は
- DIYでなんとかなる
- なくてもなんとかなる
- お金を貯めたら後付けできる
部分です。
これらに当てはまるものというのは、それぞれのこだわりによって異なりますが、削る場所として挙げられるのは以下のことです。
- 住宅を全体的に小さくする
1~2坪減らすだけでも、50~100万円のカットになります。
子供部屋の広さの見直しや、廊下を減らすなどして削れる部分を探しましょう。
部屋の広さを削ることで、プランが大幅に見直される場合もありますが、遠慮せずに直してもらうことが大切です。
- 住宅設備機器
キッチンやシステムバス、洗面化粧台、トイレなどの設備のグレード落とすことを検討しましょう。
特にキッチンやシステムバスは、グレードを落としても扉の色の微妙な輝き具合が減ったり、水栓の形状が変わったり、引き出し内部のステンレスが木材になったりと、住み始めてしまえばあまり気にならないことが多いです。
どうしてもこだわりたい部分は、オプションで付けることもできますので、こだわりたい部分とそうでない部分をはっきりさせておくと良いでしょう。
私も家づくりの際に、キッチンの扉のグレードを当初の計画から2ランク落として予算を削りました。
ショールームでは並べて見ていたので、違いが明確でしたが、住み始めてしまうとこれはこれで良いな・・・と気に入っています。
注意点としては、住宅設備機器については、家事を主に行う人の意見を最優先にするようにしてください。
- トイレの手洗い器
タンクレストイレの場合、トイレの手洗い器を取り付ける必要があります。
ですが、手洗い器は無くても、洗面所が近くにあれば手洗い器はなくても問題ないのではないでしょうか?
もしくは、配管だけしておいて、後々お金ができた時に手洗い器をつけてもいいでしょう。
そもそもタンクレストイレは費用がかかるので、タンク付きの手洗い器付きトイレにすると10万円以上予算をカットすることができます。
- フローリング
フローリングは、室内の床全面に張られますので、30坪程度の住宅で100㎡ほど使うことになります。
そのため、少しグレードを落とすだけで10万円程度予算をカットすることができます。
ただし、後々張り替えるのは大変なので、妥協しすぎず、納得できる商品で選ぶことが大切です。
無垢材が良かったら無垢材に見えるシート系フローリングなどにすること等を検討しましょう。
- 壁材
壁材をクロス、塗り材などにしている場合、ビニールクロスにすることを検討しましょう。
安いイメージのあるビニールクロスですが、日本の住宅の壁材として最も普及していますので、色柄が大変豊富です。
- 玄関の土間仕上げ
玄関の土間部分の仕上げは、予算が厳しい場合とりあえず仕上げなくてもなんとかなる部分です。
将来的に予算ができたら仕上げられるように、仕上げ厚さ分を見越しておきましょう。
- 外構工事
外構工事は、平坦な敷地の場合は行わなくてもとりあえず暮らすことは可能です。
ただし、外観が損なわれますので、できるだけ早く行うことがおすすめです。
最低限、足元が汚れないように、駐車場の土間仕上げ、玄関に行くまでの足元の仕上げのみは行いましょう。
計画にもよりますが、50~100万円程度の予算削減になります。
- 収納棚
クローゼット内部の棚や、キッチン収納等は、家具で十分補填することができます。
もちろん作りつけで大工さんに作ってもらった方が納まりがいいですが、家具などでもあまり不自由はありません。
自分が持っている家具や、安く手に入る収納家具を使用することを検討しましょう。
その場合は地震の際に倒れないようにしっかりと壁固定できるように、下地補強をしてください。
- シーリングライト
部屋のメイン照明となるシーリングライトは、建設会社に依頼するよりも、家電量販店など自分で購入して取り付ければ、あまりこだわらなければ1/10程度の値段で揃えることができます。
住宅会社が勧める照明器具は『ブランド品』なので、デザインも機能性も優れていますが、家電量販店で買うことができる『量産品』も暮らすには不自由ないものばかりですので、一度確認してみるといいでしょう。
削ってはダメな部分
逆に、予算オーバーしても削ってはダメな部分もあります。
- リフォームで変更するのが難しい部分
- 無いと暮らしに影響が出る部分
- 後付が難しい部分
- 削ってもあまり予算が落ちない部分
- こだわりがある部分
これらに当てはまるものとして挙げられるのは、以下の通りです。
- 構造体
構造体は、住宅の骨組みとなる部分です。
リフォームする場合でも、交換や変更が不可能な部分なので、あまり妥協しない方がいいでしょう。
ただし、総ヒノキなどの場合は、土台と柱だけヒノキにしたり、少しだけでも妥協できる部分を探してみてください。
- 断熱材
断熱材は、壁の内部に充填されるため、リフォームでも変更がしにくい部分です。
また、その名の通り住宅自体の断熱性能や省エネ性能に直接影響してくるので、削ることはおすすめできません。
- 窓
窓は断熱材と同じく、住宅自体の断熱性能や省エネ性能に影響する部分で、リフォームではフィルムや断熱内窓などで対応もできますが、なるべく新築の段階で良いものを設置しておきたい部分です。
ガラスは最低限複層ガラス(ペアガラス)にしましょう。
- 電気設備
コンセントやスイッチは、暮らしやすさに大きな影響を与える部分です。
一箇所あたりの値段で計上されることが多く、コストカットしやすい印象ですが、一箇所削るだけで生活がかなり不便になります。
また、一箇所あたり5,000円以下が相場なので、1つ減らしたところであまり効果はありません。
個数や場所を見直すのは良いと思いますが、必要だと思われる部分については極力削らないようにしましょう。
- 狭い部分の内装仕上げ
工事費用を削るために、トイレや洗面所、物入れなどの狭い部分の装仕上げをDIYする場合がありますが、これもあまりおすすめできません。
広い部屋をやる分、良いと思いますが、狭い部屋の内装は、家全体の面積からしたら微々たるものなので、コストカットにはあまり期待ができません。
- こだわりのある部分
注文住宅を建てる人は、何かしらのこだわりや夢があるはずです。
どうしてもゆずれないこだわりを持っている場合、その部分は誰に何を言われようと削るべきではありません。
住宅が完成した場合の満足度にも大きく影響してきます。
もしもどうしても削らなければいけない状況になったら、どうしたら実現できるのかをよく考えましょう。
設計担当者にも思いを伝えておくことがおすすめです。
きっと力になってくれます。
まとめ
注文住宅にかかる費用、収入別の予算目安、予算の組み方、1,000万~5,000万円台の注文住宅のイメージ、予算オーバーしないための心得、予算オーバーした場合の対処方法についてお伝えしました。
注文住宅は自己資金をしっかり用意して、計画的にローンを組めれば、予算内で建てることが十分可能です。
住宅にこだわりがある方や、実現させたい夢がある方は、うちの収入では無理だろうな・・・と最初からあきらめず、注文住宅の選択肢を検討してください。
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