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家賃収入が稼げる、将来高額で売却できるなど、何かとメリットの多いマンションには建てられる地域と建てられない地域があります。
このような地域特有の事情を知らずに土地を購入すると、後々になってマンションを建てられないことを知ることで、不動産投資に失敗してしまいますね。
地域にはそれぞれこのような建物でないと建てられないという、いわゆる用途地域と呼ばれるルールがあります。
これからマンションを建てようと思うのであれば、まずはどのようなマンションならば建てられるのか、用途地域のルールについて知っておく必要があります。
第一種中高層住居専用地域は、まさにマンションが建ちやすい用途地域の種類です。
今回はこの第一種中高層住居専用地域とは何か、その特徴とどのような制限があるのかなどについて解説します。
第一種中高層住居専用地域とは~不動産のプロが特徴や制限を解説
第一種中高層住居専用地域とは、用途地域の種類の一つであり、ここでならば中高層のマンションを建てることが容易ですね。
地域にはそれぞれに用途地域と呼ばれる、建物に関する基準を設けたルールがあります。
マンションを建てる際には、この制限におさまるように建てないといけません。
例えば、高さが10メートル以内でないとダメだというルールがあるエリアの場合、この制限の範囲内におさまるようにマンションを建てないといけないということです。
高さに制限が加えられると、4階建て以上の中高層のマンションはまず建てられないでしょう。
では、どの用途地域であれば中高層のマンションは建てられるのでしょうか?
マンションを建てるなら、この高さ制限が緩い用途地域がオススメです。
つまり、高さ制限が緩い第一種中高層住居専用地域ならば、中高層のマンションであっても建設が可能ということです。
第一種中高層住居専用地域で建築可能な建物
第一種中高層住居専用地域で建てられる建物はマンションや戸建てだけではありません。その他の施設についても建設が可能です。
小中学校や図書館、老人ホームや診療所などの公共施設などは第一種中高層住居専用地域で建設が可能です。
飲食店などの店舗に関しても、2階建て以下で、なおかつ床面積が150㎡以内であれば建てられます。
このようにマンション以外の施設も充実しているエリアとなるため、生活がしやすい街並みになりやすいですね。
第一種中高層住居専用地域で建築できない建物の基準
第一種中高層住居専用地域ならば、確かに中高層のマンションを建てることが可能です。
その他の建物についても、条件さえ満たせば建てられます。
小規模ですが飲食店も建てられるので、わざわざ遠出せずとも外食できる環境があります。
ただし、なんでも建てられるわけではありません。建てられない建物もあります。
ここで建てられない建物というと、ホテルや旅館、ボーリング場、パチンコなどがあります。
さらに、床面積が10,000㎡を超えるような飲食店や店舗も建てられないですね。
他にも風俗店や工場なども建てられないです。
基本的に住居専用の地域となるため、その生活を脅かすような建物は建てられません。
大型の店舗や娯楽施設は建てられない地域となるため、都市のような活気は望めません。
その代わり、落ち着きのある街並みとなるため、平穏に暮らしたいという方のニーズには応えられるでしょう。
第二種中高層住居専用地域との違いは何?
中高層住居専用地域には、第一種とは別に第二種があります。
第二種中高層住居専用地域との違いとは一体何なのでしょうか?
第二種中高層住居専用地域も、第一種同様に中高層のマンションが建てられるエリアとなります。
第一種で建てられる建物は、第二種でも建築可能です。
それどころか、店舗や飲食店に関しては条件が緩和されているほどです。
第二種ならば1500㎡までならば店舗を建てることが可能です。
さらに、第一種では建てられなかったガソリンスタンドが第二種ならば建てられるなどの違いがありますね。
このように第二種は第一種と比較して建物に関する条件が緩和されています。
ただし、第二種も住居専用の地域であることに違いはありません。
そのため、建物を建てる際には周囲の住環境を配慮しなければならず、厳しい制限をクリアする必要があります。
ガソリンスタンドがあるため、第二種の方が第一種よりも生活がしやすいかもしれません。
その反面、第一種よりも騒がしい街となるでしょう。
スポンサードリンク第一種中高層住居専用地域の街並みについて
第一種中高層住居専用地域の特徴は、中高層のマンションが建てられる、住居専用の地域です。
ビジネス目的の街ではありませんので、商業施設は少ないです。
居住を目的とした中高層のマンションが建ちやすいエリアです。
そこに住む人達の住環境を守るため、厳しい制限があるエリアとなります。
マンションが多く建つ地域というと、建物が密集した混雑した街をイメージするかもしれません。
しかし、実際には制限があるおかげで、快適に過ごしやすい街となります。
外に出れば小規模ですが飲食店や店舗もありますので、近くで買い物を済ませることも可能です。
コンビニやコインパーキングが建てられる地域ですので、生活が不便になることもないでしょう。
小中学校も近くにあるため、子供がいる家庭でも暮らしやすいですね。
その反面オフィスビルなどの建設は認められていないので、騒がしさがなく、平和的な雰囲気が醸成されやすいです。
あくまでも住居専用の地域であり、第一種中高層住居専用地域ではそこに住む住人の生活が優先されています。
中高層のマンションで平和的に暮らしたいという方にとって、第一種中高層住居専用地域は相性の良い街となるでしょう。
第一種中高層住居専用地域の制限とは?
確かに第一種中高層住居専用地域ならば、中高層のマンションが建築可能です。
ただし、際限なく背の高いマンションを建てられるわけではありません。
ここは住居専用地域となるため、そこの生活を壊すような建物は流石に建てられません。
では、どのような制限があるのでしょうか?
第一種中高層住居専用地域では、高さや容積率、建ぺい率などに対して厳しい条件を設けています。
建物を建てる際には、この条件に引っかからないように、高さや面積に配慮する必要があります。
ここではどのような制限があるのかを解説します。
第一種中高層住居専用地域の高さ制限について
第一種中高層住居専用地域は、絶対高さ制限については特に規定していません。
つまり、高さに関して言えば無制限となります。
では、高さについて全く気にする必要がないのかというと、そのようなことはありません。
第一種中高層住居専用地域には容積率の制限がありますので、どの程度の高さにできるかはこの容積率次第となります。
第一種中高層住居専用地域の容積率について
第一種中高層住居専用地域の容積率は、100%から500%となります。
容積率とは、敷地面積に対する建築物の延べ床面積の割合のことです。
例えば、敷地面積が200平米で容積率が100%の場合、この土地で建てられる建築物の延べ床面積の上限は200平米までとなりますね。
延べ床面積とは、その建物の床面積の合計のことです。
今の事例ならば、1階の面積が100平米で2階の面積も100平米ならば合計で200平米となり、容積率100%の基準におさまる計算となります。
容積率がいくつになるのかは、それぞれの土地で定められた制限によって異なります。
できるだけ大きなマンションを建てようと思うのであれば、この容積率が高い土地を選びましょうね。
たとえ土地が広くても、容積率が低いと、大きなマンションは建てられないです。
他方で、土地が狭くても容積率が大きければ、その分だけ背の高いマンションを建てられるでしょう。
第一種中高層住居専用地域の建ぺい率について
第一種中高層住居専用地域の建ぺい率の制限は、30%から60%となります。
実際の建ぺい率は、土地によって異なります。
そのため、広々としたマンションを建てたいなら、建ぺい率が高い土地を探した方が良いです。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。
例えば、200平米の土地があるとして、建ぺい率が50%ならばそこで建てられる建築物の面積の上限は100平米までが上限となりますね。
第一種中高層住居専用地域は、住居向けのエリアということもあってか建ぺい率が厳しいです。
そのため、大きめの土地を購入しないと、建ぺい率が低いせいで面積が狭いマンションしか建てられないでしょう。
それぞれの土地には、建ぺい率と容積率の両方が併記されているものです。
例えば、建ぺい率60%、容積率100%といった具合ですね。
どのようなマンションが建つかは、この建ぺい率と容積率に依存するので注意しましょう。
建ぺい率については下記の記事で詳しく解説をしています。
関連記事⇒建物の面積には限界がある?計算方法と建ぺい率とは何かをプロが解説
第一種中高層住居専用地域のその他の制限
第一種中高層住居専用地域には、他にも道路斜線制限や隣地斜線制限、北側斜線制限、日影制限などの制限があります。
道路斜線制限とは、道路に対面する建物の部分の高さを制限する措置です。
これは道路の採光や風通しを確保するための措置ですね。
第一種中高層住居専用地域では、道路斜線制限として適用距離を20mから35mまでと制限しています。
隣地斜線制限とは、隣地の採光や風通しを確保することを目的にした制限です。
第一種中高層住居専用地域では、立ち上がりが20mもしくは31mになるように制限されています。
北側斜線制限とは、北側の道路や建築物に面している部分の高さを制限するための措置です。
こちらも採光や風通しを確保することを目的としています。
第一種中高層住居専用地域の場合、立ち上がりが10mになるように制限されます。
日影制限とは、日影を確保するための制限です。
国土交通省のHPでは日影制限について下記のように概要がまとめられています。
・地方公共団体の条例により、規制対象区域と規制値等を決定し、敷地境界線から一定の範囲に、一定時間以上の日影を生じさせないよう規制することにより、周囲の日照の確保を目的としている。
・ただし、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、当該規定を適用除外とすることができる。
第一種中高層住居専用地域では、高さが10mを超える建築物がこの制限を受ける対象になります。
これらの制限は、隣地や道路などに対して建築物が採光や通風を遮らないようにするための措置となります。
これらの制限がある以上、いくら絶対高さ制限がないといえど、周囲の環境を壊すような建築物は建てられません。
言い換えると、これらの制限があるおかげでここに住まう人達は今後将来にわたって風通しや採光を遮られる心配をせず、安心して暮らせるということです。
第一種中高層住居専用地域は、中高層のマンションを建てられるエリアです。
しかし、この制限がある以上、今後中高層のマンションがいくら建設されたとしても今までの快適な生活を壊される心配は無用ですね。
日当たりや風通しの良いマンションを求めている方ほど、第一種中高層住居専用地域はオススメのエリアとなります。
第一種中高層住居専用地域以外で中高層のマンションが建ちやすいエリア
中高層のマンションが建てられるエリアは、第一種中高層住居専用地域だけではありません。
他にもあります。
例えば、第二種中高層住居専用地域も、第一種同様に中高層のマンションが建てられます。
第二種ともなると、ガソリンスタンドなどが建設が可能となるため、より生活が便利になるでしょうね。
このように、中高層のマンションが建てられる地域といっても、用途地域によってそれぞれ街並みの性格に違いがあります。
中高層のマンションを建てる際には、それぞれの用途地域の情報を参考にしましょう。
用途地域を調べることで、中高層のマンションを建てられる地域なのか、そしてどのような街並みなのかを知ることができます。
第一種住居地域
この地域はマンションも建築可能なエリアとなります。
さらに、3,000㎡までの店舗が建てられる他、旅館やホテルも建築可能な地域です。
建築可能な施設が多いため、第一種中高層住居専用地域と比べると生活しやすいですね。
第二種住居地域
第一種住居地域よりも建築可能な建物が多く、マンションの建築も可能なエリアです。
このエリアではパチンコやカラオケなどの娯楽施設の建設が認められています。
ただし、あくまで住居用の地域となるため、風俗店や工場などの、生活や風紀を乱す恐れのある建築物は認められていません。
マンションを建てられない地域
用途地域の中には、高さに関係なくマンションが建てられない地域も存在します。
マンションを建てるつもりで土地を探すなら、このようなマンションが建てられない用途地域は避けましょう。
マンションを建てられない地域というと、工業専用地域などがまさにそれに該当します。
この地域は環境を悪化させる恐れのある工場のための地域となるため、マンションや戸建ては原則として建設できません。
ただし、同じ工業系の地域でも、準工業地域と工業地域ならばマンションの建設は可能です。
準工業地域は、小規模な工場が多く、安全に暮らすことができますね。
他方で工業地域の場合、環境を悪化させる工場の建築が認められているので、生活するには少し不向きかもしれません。
特に子供がいる家庭の場合、トラックが頻繁に出入りする土地柄となるため、危険が多いので注意が必要です。
低層住居専用地域について
第一種もしくは第二種低層住居専用地域といえば、低層住居向けのエリアです。
高さ制限が厳しく、中高層のマンションだと高すぎるのでまず建てられないです。
そのため、中高層のマンションを建てるならば、低層住居専用地域よりも中高層住居専用地域が本来はオススメとなります。
ただし、高さ制限に引っかからなければ、低層住居専用地域でも3階建てのマンションを建てることは可能です。
3階建てのマンションは、高さ制限が厳しい低層住居専用地域で建てられる限界の高さなのですね。
閑静な住宅街にマンションが建つということで、低層住居専用地域のマンションは人気があります。
どうしても第一種もしくは第二種低層住居専用地域でマンションを建てたいなら、3階建て以下の、高さ制限に引っかからないマンションを建てると良いでしょう。
第一種中高層住居専用地域まとめ
土地といっても、用途地域によって建物に違いがあります。
4階建て以上の中高層のマンションを建てようと思ったら、高さ制限が緩い用途地域を選ばないといけません。
第一種中高層住居専用地域は、中高層のマンションが建てやすいエリアですが、それだけがメリットではありません。
この地域は高さ制限こそありませんが、容積率や建ぺい率、さらには様々な厳しい制限がある地域でもあります。
これらの制限があるおかげで、第一種中高層住居専用地域には快適に暮らせる環境があります。
近くには買い物にけるお店などもあるため、生活をするにあたって不便も少ないです。
中高層の住居向けのマンションを建てるにあたり、第一種中高層住居専用地域は、どこよりも快適に暮らせる地域なのですね。
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