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<記事の情報は、2023年9月7日時点のものです>
「最近は地震が本当に多いから、耐震構造がしっかりした住宅に住みたい。」
「耐震住宅にもいろいろと種類があるみたいだけど、何がどう違うのかわからない。」
住宅を購入する際、「免震・耐震構造かどうか」はもはや外せないポイントですよね。
近年、免震・耐震の技術は向上してきており、地震対策の形も多様化しています。
その分、どういった基準で免震・耐震を選べばいいのか分からない人も多いでしょう。
今回の記事では、
- 免震・耐震など地震対策住宅を購入するポイント
- 旧耐震基準、新耐震基準の違い
- 耐震等級の違い
の3点を中心にお話をしていきます。
この記事を読んでいただければ「耐震住宅選びの基準」が明確になりますので、ぜひ参考にしてください。
また本文に入る前に、家づくりにおいて最も重要なことを伝えさせてください。
マイホームを建てたい!と考えたら、何よりも先に始めなければならないことがあります。
それは、「出来るだけ多くの住んでいる地域に対応している住宅メーカーの資料集めすること」です。
ここだけの話、家づくりで後悔している人のほとんどは、この「住宅メーカーの比較」を怠っていたというケースが非常に多いのです。
例えば、5,6社見ただけで住宅展示場で一目惚れした家に決めてしまったり、営業の人の話に流されてしまったり・・・。
ほとんどの人にとって家は一生に一度の大きな買い物。
後から、改築や建て直しをすることになり、何千万円もの損をしてしまう方も実際に存在します。
そんな失敗をしないためにも、事前に多くの住宅メーカーのカタログを集め1度は比較してみることが何よりもまず最初にやるべきことなのです。
「でも数多くある住宅メーカーからカタログを取り寄せるなんて、時間もかかるし面倒くさい」
ほとんどの人がそう思うでしょう。
そこでぜひ活用してほしいのが、SUUMOのカタログ一括請求サービスとNTTデータグループが運営する家づくりのとびら。
マイホームの建設予定地を入力するだけで、そのエリア対応の住宅メーカーのカタログをスマホから簡単に取り寄せることが出来ます。
SUUMOでは工務店を中心に、家づくりのとびらはハウスメーカー中心に無料で資料を取り寄せられます。
「予算的にハウスメーカーは厳しい。。。」
「絶対に知名度のある会社がいい!」
このように先入観を持つのではなく、まずは必ず1度出来るだけ多くの住宅メーカーに目を通して下さい。
最初は比較対象じゃなかった会社や、名前も知らなかった会社が実は自分たちにとってはベストな住宅メーカーだったという方は非常に多いです。
後から取り返しのつかない後悔をしないよう、面倒くさがらず資料を取り寄せてしまうことをおすすめします。
それでは解説を進めていきます。参考にして下さい!
もくじ
住宅の耐震は住宅築年数でチェック その1
新築の戸建やマンションは、免震・耐震・制振のどれかに対応しています。
中古物件は、いつの耐震基準が適合されているものかで地震対策がどの程度か判断できます。
住宅の耐震性能は建築基準法でわかる
住宅の耐震性能は建築基準法で決められており、1981年6月以降に建築された建物は新耐震基準、それ以前は旧耐震基準で造られています。
1995年に阪神淡路大震災がありましたが、その後2000年6月に改定が行われました。
旧耐震基準の考え
1981年5月31日までに建築された戸建やマンションについては旧耐震基準でした。
旧耐震基準は震度5程度の地震でも建物が倒壊しないで人命は守れるも基準です。
旧耐震基準だと震度6以上の地震が発生すれば倒壊・半壊するかもしれないのです。
阪神淡路大震災以降にあった地震のほとんどは震度6以上で、旧耐震基準の戸建住宅やマンションは倒壊・崩壊が多くありました。
東日本大震災では津波による影響が多く、地震による倒壊は少なかったです。
熊本地震は直下型で旧耐震基準の住宅は倒壊・崩壊しているところが多くありました。
過去の地震から見て、旧耐震基準で建築されている建物は耐震補強が必要な状況だとわかります。
新耐震基準の考え
新耐震基準は1981年6月1日以降に申請して建築された住宅やマンションです。
※1981年6月1日以降完成であっても1981年5月31日以前に申請・着工したものは旧耐震基準の建物になります。
新耐震基準では震度5程度の地震で建物が損傷することはない。震度6強から7の地震では損傷するが人命を守れる基準です。
2000年に改定されている内容は、阪神大震災で発生した液状化によるものが地盤補強として考慮されました。
いくら建物に耐震性があっても地盤が弱いところだったら、倒壊はしなくても傾いてしまうからです。
スポンサードリンク直近では北海道の地震で人命は守られたが、家が傾いて家に住むことはできない状況がありました。
耐振対策には新耐震基準と地盤の両方が必要になることがわかりますね。
耐震等級によって住宅が耐えられる地震がわかる
耐震等級は1から3の等級によって震度いくらまで耐えられるか基準が決まっています。
これは2000年以降の住宅で品質確保促進等に関する法律で施行されました。
業者に耐震対策はOKと言われても購入者はどうなのかグレーでしたが、耐振等級によって地震対策の基準がはっきりとわかるようになったのです。
耐震等級1
耐振等級1は震度6強から7の地震であっても、建物は倒壊・崩壊しない。
震度5程度であれば建物は損傷しない基準です。※無傷と言う意味ではありません。
耐震等級2
耐振等級2は耐震等級1の1.25倍の地震が発生しても耐えられる建物です。
耐震等級2は国土交通省が決めている構造で耐震・免震に適合しているもので学校や病院に採用される基準になっています。
耐震等級3
耐振等級3は耐震等級1の1.5倍の地震が発生しても耐えられる建物です。
耐震等級3は国土交通省が決めている構造で耐震・免震に適合しているもので警察署や消防署に採用される基準になっています。
耐震は建物構造によってわかる
構造は細かく言えばたくさんありますが、代表的な構造は木造・鉄骨造・鉄筋コンクリートの3つです。
木造は日本で多くの戸建住宅に使われています。
鉄骨造は大東建託や東建コーポレーションなどが使っているアパートが有名ですね。
鉄筋コンクリートはマンションで使われていて鉄筋にコンクリートを流して固める構造になります。
遮音性・断熱性・気密性・コスト面は考慮しないで、構造で耐震性を比較すると鉄筋コンクリートが最も高くつぎに鉄骨造で、三番目が木造になります。
住宅の耐震対策はどうなっているかチェック その2
戸建住宅かマンションの2つがどのような耐震対策をしているのか違いを見ていきましょう。
戸建ての耐震対策
戸建住宅の耐震対策は地元工務店の木造住宅か、大手ハウスメーカーの建売や注文住宅で違いがあります。
木造住宅は、在来工法(木造軸組工法)という伝統的なものと2×4(ツーバイフォー)の木造軸組パネル工法が代表的なものです。
在来工法
在来工法は簡単に言えば木を組み合わせて骨格をつくったあとに壁をつくっていきますが、骨格の木だけの家では地震の揺れを支える耐震性は保てません。
在来工法で耐震性を高めるには、筋交いといって骨格部分の柱と柱のあいだに斜めに木を入れてクロスさせます。
2×4
2×4(ツーバイフォー)は壁で建物を支える構造で、わかりやすくいえばマッチ箱の中身の箱をとった状態です。
壁で揺れを吸収する考えなのでリフォームなどで壁に穴をあけると耐震性は弱くなります。
在来工法と2×4の耐震性はマッチでできるのでやってみてください。
マッチ棒8本で立体を作ったものが在来工法でマッチ箱の中身をとったものが2×4です。
片手に持って親指と人差し指で押しあったら、どのようになるかわかります。
マッチ箱はもとにもどせますが、マッチ棒だけだと壊れますね。
木造軸組パネル
木造軸組パネルは在来工法に2×4を組み合わせたものです。
2×4は壁で耐震性をとっているので壁に穴をあけると耐震性に問題がありリフォームはできません。
木造軸組パネルは木の骨格とパネルで耐震性を確保しているのでリフォームなどの間取り変更がやりやすくなります。
積水ハウス
積水ハウスが販売しているものは、戸建住宅では珍しい免震システムを取り入れた住宅です。
基礎部分に揺れによる衝撃を吸収させる、伸縮のオイルダンパーをつけて耐震対策をしています。
ヘーベルハウス
ヘーベルハウスはハイパワード制振ALC構造で、筋交いに揺れを吸収して元にもどるシステムになっています。
この積水ハウスやヘーベルハウスは、阪神大震災や熊本地震で倒壊や崩壊した住宅があるなか、そのままのかたちで残っていたのが印象的でしたね。
※ハウスメーカーは独自の耐震・免震・制振システムを開発しているので最新のものをチェックしましょう。
マンションの耐震対策
マンションの耐震対策は耐震構造・制振構造・免震構造の3つです。
耐震構造・制振構造・免震構造で住宅をどのように倒壊させないようにするのか、しくみについて見ていきましょう。
免震構造
免震構造は基礎部分に積層ゴムを複数つけてマンション全体を支えます。
地震がおこると積層ゴムが揺れを吸収してマンション全体に伝わらない、揺れを免れる(まぬがれる)システムになっているのです。
地震による建物の倒壊・崩壊はなく二次災害の家具や冷蔵庫などの転倒によるケガも防げます。
すごいと思うでしょうが、免震構造にも弱点がありました。
基礎は積層ゴムとの接点だけで全体はついていません。地震でも横揺れには強いが縦揺れには弱いのです。
制振構造
制振構造は前述のヘーベルハウスの考えと同じで建物の筋交いに揺れを吸収する地震対策をします。
基礎は地盤とついているので地震の揺れは建物に直接ありますが、制振システムで吸収して揺れを軽減します。※免震構造より揺れを感じます。
耐震構造
耐震構造は建物そのものを頑丈にして地震の揺れに耐える考えになっています。
柱を1本のところ2本・3本と数を増やすことや、壁の厚みをふやして耐震性の高めているのです。
免震構造や制振構造は、地震の二次災害である家具などの転倒による被害を軽減できますが、耐震システムは家具転倒を防げません。
部屋にある家具や冷蔵庫など倒れないように地震対策する必要があります。
ここ数年、免震・制振・耐震構造は進化して耐震と制振構造を組み合わせたものも開発しています。
地震対策のシステムは発展途上なので、まだまだ改良や組み合わせで強化していくでしょう。
免震・制振・耐震の評価
コスト・耐震性・保守性の3つを構造ごとの評価でまとめました。※2018年時点の評価なので、技術進歩で今後評価も変わります。
コスト
- 免震構造・・・高い
- 制振構造・・・やや高い
- 耐震構造・・・標準化されて市場で最も多い
耐震性
- 免震構造・・・揺れはかなり軽減
- 制振構造・・・多少は揺れるが軽減
- 耐震構造・・・揺れる
保守性
- 免震構造・・・導入は少ない
- 制振構造・・・導入実績が増えている
- 耐震構造・・・導入実績は多く標準化している
住宅の耐震はどうなっているか知る方法
新築で入居していたらいつ建築されたものか地震対策の構造が免震・制振・耐震か購入前に聞いているでしょうが、中古物件だったらどうなのかわかりませんね。
耐震基準のところで説明しましたが、建物の耐震性は1981年6月1日以降か以前かで旧耐震基準か新耐震基準かわかります。
2005年建築士の耐震偽装問題がありました。
このような住宅は購入しないと思いますが、念のため頭の隅に置いてください。
耐震偽装があれば築年数の判断はできません。
地震対策の構造については、販売している営業マンに耐震構造・制振構造・免震構造のどれになっているか聞いてください。
ただ、いつ建築されたか地震対策の構造がどうなっているかわかっていてもまずいことがあります。
1度大きな地震のあった住宅は2回目の地震で倒壊・崩壊することもあるのです。
ちなみに2016年の熊本地震では2000年改定の建築基準法に適合した木造住宅が1回目の地震では倒壊・崩壊しなかったが、2回目の地震で1階がつぶれて崩壊した住宅もありました。
つまり、中古の木造住宅は築年数と過去に地震があった地域かどうかがわからないといけません。
耐震構造や耐震等級の証明書があっても、それだけで安心できないのです。
中古物件購入する際、多少費用はかかりますが耐震診断をうけて地震に対してどうなのか購入判断をしたほうがいいでしょう。
中古マンションの場合は1981年6月1日以降かどうかで判断ができます。
耐震は地盤もあわせてチェック その3
住宅の耐震性の3つ目のチェックは、建物を支える部分の地盤になります。
地盤がどのような状態かとても大切で、地盤によっては耐震構造だけではダメです。
地震対策で地震による倒壊・崩壊はなく建物の損傷もほとんどない。
しかし、地震対策の構造が完璧であっても地盤状態によっては建物が傾いて生活ができないこともあるのです。
2000年の建徳基準法改定によって地盤調査が必要になり、地盤調査結果によっては地盤の補強工事をして地震対策をしています。
2000年以前の中古物件の地盤がどうなのかわからないので、地盤調査してから購入しましょう。
地盤がどうなのか簡単に知る方法に、地名や過去の地図があります。
完璧ではありませんが、過去の地図で沼・池などがあった場所であれば地盤は弱いと判断できます。
地名に浜・池・浦・河とかが入っていたら、過去はそのような場所だったので地盤は弱いと判断していいでしょう。
ネットに地盤がどうか判断できるサイトがあるので、購入予定の土地の地盤がどうか?地震の影響を受けやすいエリアかチェックしてください。
免震・耐震対策3つのチェックポイントまとめ
住宅の耐震性がどうなっているのか判断する基準は築年数や耐震等級や構造で判断できます。
住宅の耐震対策や構造は戸建・マンションともにさまざまなものがあります。
構造は3つで免震・制振・耐震構造です。
耐震対策は築年数で判断できますが、1回地震にあった木造住宅は2回目で倒壊・崩壊するおそれがあるため、地震にあった地域かどうかチェックはしたほうがいいでしょう。
耐震偽装や耐震対策について微妙なところがあれば費用はかかりますが、耐震診断後に購入するほうがいい。
耐震対策が完璧でも地盤に問題があれば、地震発生後の生活はできなくなります。
地盤が強いのか地盤サポートマップなどを利用してチェックしてください。
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