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もくじ
土地売却10つのポイント~土地を売るときに注意すべきこと
一般の方が人生において、何度も不動産の売買を行うことは少ないですよね。
実際に土地を売却することになった場合、何から手を付けてよいか分からず、不安に感じることも多いでしょう。
しかし、きちんとした知識を持てば、売却の際に慌てることもなく、スムーズな取引を行うことができます。
この記事では、土地の売却にあたって注意するポイントを、分かりやすく解説していきます。
土地を売るポイント1.全体の流れを把握する
最初に土地を売却するまでの全体の流れをしっかりと把握しましょう。
土地を売ると決めてから全ての手続きが完了するまでの流れをまずはみていきましょう。
土地の価格相場を知る
まず、売却を検討するにあたって、所有している土地の相場がどれくらいになるのかを、簡易査定してください。
調べる方法は
- 国土交通省の土地総合情報システムで取引価格や地価公示を調べる
- 国税庁が発表している路線価で調べる
- ポータルサイトや不動産情報誌で調べる
などがあります。
関連記事⇒土地総合情報システムとは?その特徴と使い方を不動産のプロが解説
近隣の相場を把握して、ご自身で一度査定をしてみてください。
不動産会社に土地の査定を依頼する
不動産会社に土地の売却査定を依頼します。
地元、大手の不動産会社など複数の会社にお願いをしましょう。
もし不動産会社に行くのが手間であれば、インターネットで無料の売却査定を行っているサイトがありますので、利用してみましょう。
インターネットでの査定であれば、NTTデータグループが運営する国内最大級の不動産情報サイト「HOME4U」が便利です。
不動産会社と媒介契約を結ぶ
売却価格が決まったら、購入者への募集活動のために、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介があります。
それぞれ特徴がありますので、よく検討した上で契約を行ってください。
媒介契約書には媒介価格(本体価格)や不動産会社への報酬の額などが記載されています。
媒介契約については下記の記事で詳しく解説をしています。
不動産売買における媒介契約の種類~プロが教える媒介契約別のメリット・デメリット
売買契約を結ぶ
募集活動の結果、購入者が見つかれば売買契約へと進んでいきます。
売買契約に先立って仲介業者と買主との間で重要事項説明が行われますが、売主も重要事項説明書に署名捺印する必要があるので、説明を受けて内容を良く理解しましょう。
売買契約書の説明、署名捺印が終わると、売主は買主から手付金を受領します。
売主が個人の場合、手付金の受領額に制限はありませんが、売買価格の10%~20%または100万円が相場になっています。
土地の引き渡しを行う
売買契約と手付金の受領が終わると取引日を設定します。
契約から取引日までの間に、買主はローンの手続き、審査などを行います。
売主は引き渡しの際の書類の確認などを行います。通常、契約から取引日まで1ヶ月以上はかかると見てください。
取引日には、売買代金の残代金の受け取り、固定資産税の清算、登記に必要な書類の確認などを行い、その日に所有権移転登記の手続きを行います。
2.土地売却に必要な諸費用を知っておこう
スポンサードリンク土地を売却する際の主な諸費用は以下の通りです。
- 売買契約書に貼付する収入印紙代
- 不動産会社に支払う仲介手数料
- 司法書士への報酬(登記原因証明情報)
- 所有権移転登記費用(住所変更・抵当権抹消などが必要な場合)
- 測量費用(土地を測量した場合)
収入印紙代は売買価格によって金額が変わります。
例えば1千万円を超え5千万円以下の場合は1万円です。(平成30年3月31日まで軽減税率が適用されます。)
仲介手数料は売買価格の3%+6万円×消費税が上限になります。
その他諸費用はそれぞれ見積もりを取る必要があります。
3.土地売買を依頼する不動産会社をしっかりと選ぼう
土地を売買するためには、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要があります。
売買取引の成否は不動産会社の力量にかかっていると言っても過言ではありません。
売却査定を依頼した際、詳細な説明があったか、担当者の対応に不備はないか、不審な点はないかなど、細かくチェックを行ってください。
特に他社に比べて高い価格で査定を行う不動産会社には注意してください。
適正な金額でなければ、いつまで経っても売れない可能性が高いので、きちんと根拠を聞き出しましょう。
媒介契約には3種類あり、信頼できる不動産会社が見つかった場合は専任で任せた方が良いでしょう。
一方、幅広く募集をかけたい場合は一般媒介で契約をしてください。
専任の場合は、売主に定期的な業務報告があるので、反響状況が把握しやすくなります。
一般媒介の場合は手広く募集ができますが、業務報告の義務はなく、条件の変更をする際に媒介契約を結んでいる全ての業者に通知をする必要があり手間がかかります。
4.土地の売買契約時に受け取る「手付金」とは
売主は不動産売買契約の締結時に買主から手付金を受領します。
手付金は残代金の支払い時に、売買代金の一部に充当します。
万が一、売主の都合で売買契約を解除する場合、売主は手付金を買主に返還し、なおかつ手付金と同額の金員を買主に支払わなければなりません。
一方、買主の都合で売買契約を解除する場合は、買主は売主に支払った手付金を放棄しなければなりません。
また、売買契約書には手付解除の期日が記載されており、期日を過ぎると手付金による契約解除ができなくなり、違約金が発生しますので注意してください。
5.ローンの返済と抵当権抹消手続き
土地に抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消登記の手続きが必要になります。
抵当権を抹消しなければ、所有権移転登記手続きができませんので注意してください。
不動産売買契約書にも「売主は所有権等の移転の時期までに、その責任と負担において、買主の所有権等の行使を阻害する一切の負担を除去抹消します」と記載されています。
詳しくは国税庁のHPで詳しく解説がなされています。
参考⇒土地等の売買契約締結後に相続が開始した場合の課税財産及び評価等について|国税庁
抵当権抹消の手続きは、売買代金の決済の日に司法書士と金融機関の担当者が立ち合い、買主から受け取った売買代金の全部または一部を、売主が金融機関側に支払って借入金を返済します。
その後、司法書士が金融機関から弁済証書等を受け取り、その足で法務局へ出向いて移転登記を完了させます。
この際、売買代金が借入れ返済額に足らない場合、返済ができなくなりますので、金額をきちんと確認しておいてください。
また一連の作業は、取引日当日に全て行いますので、書類等の準備などを入念に行っておいてください。
所有権の移転ができない場合、債務不履行となり損害賠償の請求や契約解除を受けることになりますので注意してください。
6.土地の売却後に支払う税金は?
土地を売った際にかかる税金として不動産譲渡所得税があります。
具体的な計算方法は
譲渡価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税譲渡所得額 になります。
譲渡価格:売買代金
取得費:土地を購入した際の代金や仲介手数料など。
譲渡価格の5%に満たない場合は、譲渡価格の5%相当額を取得費として計算することができます。
譲渡費用:土地を売却した際の仲介手数料、測量費用など直接必要になった費用。
特別控除:収用等により土地を売った際の特別控除など
次に課税譲渡所得額に税率をかけて税額を計算します。所有した期間によって適用になる税率がかわってきます。
長期譲渡所得:売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える
税率 所得税:15% 住民税5%
短期譲渡所得:売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下
税率 所得税:30% 住民税9%
※確定申告の際は復興特別所得税が必要になります。
譲渡所得の申告は、土地を売却した年の翌年の2月16日から3月15日までとなります。
なお譲渡所得税は、売却した代金から購入時の代金などを差し引いたときに、売却益が出た場合に支払う税金になります。
7.瑕疵担保責任とは
瑕疵担保責任とは、売買契約において目的物に隠れた瑕疵(欠陥)があった場合に、売主が買主に対して損害の賠償や瑕疵の修復などの責任を負うことを言います。
隠れた瑕疵とは、一般的に要求される程度の通常の注意を払っても、知り得ない瑕疵のことを指します。
瑕疵の内容は、物理的瑕疵として、軟弱地盤、浸水等の被害、土壌汚染や埋設物が発見された場合。
心理的瑕疵として、過去の事故(自殺等)や周囲の環境に影響を及ぼす施設(嫌悪施設)があった場合、法律的瑕疵として法令上の建築制限があった場合などがあります。
売主が個人の場合、一般的な不動産売買契約書には、引き渡し完了日から3ヶ月以内に請求したものに関して、売主が瑕疵担保責任を負うものと記載されています。
(話し合いにより免責や期間延長も可能)
なお、買主がこの瑕疵の存在を知っていた場合は、売主は責任を負いません。
また、不動産売買取引において契約の段階で「物件状況報告書(告知書)」を作成して、買主に説明を行います。
告知書には、境界の状況、地盤の状態、土壌汚染や浸水に関する情報、近隣の建築計画、騒音・震動・臭気等、周囲の環境に影響を及ぼす施設の情報など、売主が知っている情報を記載して買主に伝える必要があります。
心理的瑕疵に関しては下記の記事で詳しく解説をしています。
関連記事⇒事故物件を売る方法~心理的瑕疵があった持ち家やマンションを売る5つのポイント
8.土地の境界の確認
土地の売却の際に一番重要なのが、隣地との境界の確認です。
不動産売買契約書には、取引までに現地にて境界標を指示して明示するように記載されています。
もし境界が不明確なまま取引をした場合、後々トラブルに発展し損害賠償責任が生じる可能性があります。
境界がはっきりと分からない場合や境界標などが見当たらない場合は、土地家屋調査士に依頼をして測量を行い、取引前までに境界を確定させてください。
その後、取引時に買主に対して、確定測量図と境界確認書を渡すことになります。
また、土地が公道や水路に接している場合は、官民立ち合い(市や国、土地に接している所有者など)が必要になりますので、余裕を持った日程調整を行ってください。
9.公簿売買と実測売買の違い
土地の売買には「公簿売買」と「実測売買」があります。
公簿売買とは登記簿に記載された面積で売買を行うことです。
境界がきちんと確定しており、測量図がある場合は公簿売買で行います。
売買価格は公簿面積で決めているので、取引後に実測した結果、差異が生じても異議を申し立てることはできません。
一方、実測売買は土地家屋調査士に測量を依頼して、面積を確定させてから取引を行います。
登記された日がかなり昔で境界が不明確であったり、測量図がなく信頼性に乏しい場合、また分筆して売却する場合などに実測売買を行います。
実測した結果、登記簿の面積と差異が生じた場合は、売買契約書に記載した1㎡あたりの単価に基づいて金額を計算し、取引時に清算を行います。
また、登記の際に地積公正登記をするか否かも決めておく必要があります。
10.固定資産税の清算
売却する土地の固定資産税・都市計画税は取引の際に清算を行います。
通常、引き渡し前日までの分を売主が、引き渡し日以降の分を買主が支払うことになります。
固定資産税・都市計画税は、1月1日時点での土地の所有者に納税義務があるため、売主が1年分を全て支払い、取引時に日割り計算を行って日割分を買主から受領します。
土地を売る流れとポイントまとめ
土地を売却するにあたって、まずは時間に余裕をもって行動をしてください。
全体の流れを見て、不明な点があればその都度不動産会社に確認を行い、現状の把握に努めましょう。
特に不動産の売買は大きな金額が動きますので、不備があれば思いもよらない出費が発生することになります。
登記簿や登記済権利証、境界の確認など、売却前にできることは、ご自身でしっかりと行ってください。
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