任意売却を成功させる9つのポイントと流れを不動産のプロが徹底解説!

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不動産のプロが教える失敗しない任意売却9つのポイント

皆さん住宅を購入する際には、銀行などの金融機関でお金を借りる人が多いでしょう。

もし住宅ローンが支払えなくなったとき、どうなるかご存知でしょうか?

住宅ローンを組むと債務者(お金を借りている人)は債権者(お金を貸している銀行等)に対して、約定した支払期日までに決められた金額を返済する義務があります。

もし1ヶ月でも返済が遅れると、債権者は債務者に対して支払い督促を行います。

督促を行った後でも返済が滞り、住宅ローンの滞納が続くと、債務者は期限の利益を失います。

そうなれば債務者は借りているお金を一括して返済しなければなりません。

もし一括返済ができなければ、物件は競売にかけられることになります。

任意売却はその前段階で仲介業者(不動産会社)を通じて債権者と話し合いを行い、債権者の同意を得たうえで不動産を売却することを指します。

今回は「任意売却」を成功させるポイントについて説明をしていきます。

競売とは?プロが教える仕組みと流れ

競売とは債権者が物件を差し押さえた後に裁判所に申し立てを行い、入札方式で物件を売却することです。

競売になれば有無も言わさず自宅からの立ち退きを迫られます。

裁判所のHPでは競売に関して下記のように解説がなされています。

1 不動産の競売手続とは

不動産の競売手続とは,債権を有している人(債権者)の申立てにより,裁判所が,債務を弁済することができなくなった人(債務者)の所有する不動産を差し押さえて,これを売却し,その代金を債務の弁済にあてる手続です。

出典:競売不動産の買受手続について|裁判所

また、市場よりもかなり安い価格で設定されるので、売却しても残っているローンに充当する金額が少なくなり、結局多額の返済が残ってしまいます。

さらに競売情報は裁判所に公示されるため、住所や所有者の状況などが近隣の住民に知れ渡る可能性があります。

債権者、債務者にとって、少しでも高い値段で物件が売れることが好ましい訳ですから、競売よりも高く売れる任意売却にはお互いにメリットがある訳です。

任意売却のメリット

通常の不動産取引では、売主は取引の時までに住宅ローンを完済して、買主のために抵当権を抹消する必要があります。

つまり抵当権を抹消しなければ売買取引が成立せず、売却金額は必ず住宅ローンの残額(残債務)よりも高くなければなりません。

この点、任意売却であれば売却した結果、残債務がある状態でも売却を成立させることができるので、安心して取引ができます。

また売買取引では、不動産会社に支払う仲介手数料、抵当権抹消登記費用、司法書士への報酬などの諸費用がかかります。

マンションの場合は管理費、修繕積立金の滞納があれば、その返済をしなければ、滞納額が次の所有者に引き継がれてしまいます。

任意売却では、これらの費用を債権者の同意の上で売却金額に含めて、相殺することができます。

この点でも、競売に比べて任意売却の方がメリットが大きいことがわかります。

任意売却を成功させるポイント


やむを得ず家を手放さなくなってしまったとしても、任意売却を失敗に終わらすわけにはいきません。

ここでは任意売却を成功へと導く為のポイントについて解説をしていきます。

失敗しない任意売却に向け参考にしてください。

1.不動産会社に相談をする。

まずは任意売却を請け負ってくれる不動産会社を探すことから始めます。

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任意売却の場合は通常の売却とは違い、自身の状況を細かく伝える必要があるため、信頼できる業者を選定する必要があります。

相談する内容は任意売却をする理由、物件の状態、住宅ローンや税金の支払いの状況、マンションの場合は管理費・修繕積立金などの支払い状況などが挙げられます。

任意売却は通常の取引よりも手続きが煩雑で、不動産会社にとってもかなりの手間がかかります。

依頼主が誠意を持って不動産会社に話をしなければ、相談の段階で拒否されることもあります。

正確な状況を包み隠さず伝えるようにしてください。

2.不動産売却価格の査定をしてもらう


次に不動産会社に物件を見てもらい、売却査定をしてもらうことになります。

その時に外観や室内の写真を撮ることになりますので、できるだけ綺麗にしておきましょう。

写真は不動産会社から債権者に、物件の現況を伝えるために必要になります。

また、実際に購入希望者を案内するときも、室内を綺麗にしておく方が成約にも繋がりやすくなります。

通常の売却査定と異なり、債権者が指定した書式を使って売却査定書を作成する必要があり、内容はかなり細かく分類されています。

少しでも高い値段で査定をするためには、売主の協力が必要になりますので、不動産会社からの質問にはできるだけ正確に答えるようにしてください。

3.任意売却における不動産会社を選ぶ際の注意点

先程説明した通り、査定内容が細かく多岐に渡るため、かなりの手間と労力が必要になります。

このため、不動産会社に売却査定を依頼しても断られることもあります。

任意売却を行う不動産会社に求められるのは、まず市場の動向を正確に把握していること。

売却の経験が豊富であること。

正確な査定が行える判断材料を持ち合わせていることです。

通常の売却査定であれば、ある程度幅を持たせた査定金額を出して売却を開始することができます。

関連記事⇒家を売る時に必ずやるべき12のポイントを不動産のプロが解説!

しかし、任意売却の場合はピンポイントで売れる金額を査定しなければなりません。

不動産会社を選ぶ際には、必ず担当者と面談を行い、細かいアドバイスをしてくれる業者を選んで下さい。

いい加減な査定をすれば、全く反響もないまま時間だけが過ぎ、任意売却が失敗に終わる可能性が高くなります。

4.任意売却を請負ってくれる不動産会社の決定


任意売却を行うには、仲介業者(不動産会社)を決めて債権者に報告する必要があります。

依頼主は不動産会社と専任媒介契約を結び、その後に不動産会社から債権者に対して、書類の提出や売却価格の交渉を行うことになります。

任意売却は時間との闘いになります。

売り出し価格が決まったら広告宣伝に力を入れてもらい、ネットや雑誌、同業者などにも積極的に告知してもらうようにお願いしましょう。

また専任媒介契約を結ぶと、不動産会社は売主に対して2週間に1回の報告義務があります。

報告があった際に進捗状況をしっかりと聞いてください。

ちなみに不動産会社は債権者に対して、定期的に反響結果や募集の状況を報告する必要があります。

不動産売買における媒介契約については下記の記事で詳しく解説をしています。

関連記事⇒不動産売買における媒介契約の種類~プロが教える媒介契約別のメリット・デメリット

5.不動産売却価格を決めるときの注意点

売却査定、仲介業者の決定の後、不動産会社が債権者と売り出し価格の交渉を行います。

しかし、必ずしも売主の意向に沿うことができないことを理解しておきましょう。

通常の売却であれば、できるだけ高く売れるように、売主と不動産業者が協議をして売買価格を決定します。

しかし、任意売却はあくまで債権者が売却金額を決定する権限があるため、確実に売れる金額でなければなりません。

残念ながら、いくら売主が「最低でもこれぐらいの値段で売って欲しい」と要望しても、その金額に根拠がなければ債権者は受け付けてくれません。

あまり高望みしすぎないように、確実に売却できる金額を設定しましょう。

6.任意売却は時間との勝負


任意売却をするということは、既に住宅ローンの滞納が始まっている状態です。

住宅ローンの滞納がないのに、支払いがキツイというだけで任意売却を申請することはできません。

一般的に滞納が始まって半年が経つと期限の利益を失うことから、実際に任意売却の相談を始めてから6ヶ月以内に売却を完了させる必要があります。

もしその期間内に売却ができなければ、裁判所から差し押さえの通知が届き競売の手続きが始まってしまいます。

もちろん、競売の手続きが始まっても、入札が終了するまでは任意売却をすることができるので、もう少し時間の余裕はあります。

しかし住宅ローンが支払えなくなったら、1日でも早く債権者や不動産会社に相談することをおすすめします。

7.任意売却するのに必要な書類の準備も忘れずに

購入希望者が現れると、不動産会社から債権者に買主の情報と売却価格を通知して、承諾を得れば正式に売買契約へと進みます。

通常は売買契約書の締結と手付金の受領、その後に取引という流れになりますが、任意売却の場合は時間に余裕がないため、一括決済の方式を取ることが殆どです。

一括取引とは、通常不動産売買一括決済は手付金を受領せずに、不動産売買契約と代金の決済を1日で終わらせることです。

このため、あらかじめ必要な書類を確実に揃えておくことが必要で、もし書類が揃わなければ、最悪取引ができない事態になります。

権利証の確認や抵当権抹消書類、司法書士や不動産業者との打ち合わせを綿密に行い、必要な書類をチェックして取引日には確実に用意するようにしてください。

また「忙しくて時間がない」とか「仕事が入っているので難しい」といった売主の都合には合わせてくれません。

必ず時間を作って準備を行うようにしましょう。

8.売却価格から差し引かれる住宅ローンや諸経費


売却が決まっても、売却価格の全額を住宅ローンの返済に充てることはできません。

取引には不動産会社に支払う仲介手数料、抵当権抹消登記費用、司法書士への報酬、滞納している固定資産税の他に、マンションの場合は滞納している管理費、修繕積立金が必要になります。

これらの諸費用と住宅ローンの返済額を合計して、売却金額内で収めることができれば住宅ローンは完済となります。

もし金額が不足する場合は、住宅ローンの返済は残ることになります。

高く売却できたときは、諸費用に引越し費用を入れることもできるので、覚えておいてください。

9.住宅ローンの残債があるときにはどうしたらいい?

売買取引が終わって、売却金額で全て返済できれば良いのですが、精算の結果住宅ローンが残ることがあります。

当然、返済が免除になるはずもないので返済は続いていくことになります。

一般的に返済について、窓口が銀行などの金融期間から債権回収会社に移る場合が多く見受けられます。

ご自身の現在の生活や支払いの状況などを伝えたうえで、返済についての交渉を行ってください。

任意売却まとめ


任意売却は通常の売買取引と異なり時間との勝負になります。

不動産会社にかかる手間も大きいため、売主に協力なしには任意売却をスムーズに進めることはできません。

ご自身が知りうる情報をできるだけ不動産会社に伝えて、きめ細やかな意思の疎通を図ってください。

買主が見つかると、その後は迅速に手続きを進める必要があります。

必ず前もって必要な書類の確認をしておきましょう。もし書類が見当たらない場合は必ず不動産会社に相談をしましょう。

住宅ローンの滞納をしていると、色々と考えることが多く不安な気持ちになることもありますが、その都度不動産会社に相談して、前向きに任意売却を進めていきましょう。

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