2022年問題とは何か分かりやすく解説!生産緑地や不動産への影響と対策

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2022年問題とは、東京ドーム約2,968個分の「生産緑地」という農地が売りに出され、不動産価格が大暴落するというもの。

もし本当に起きれば、住宅売却を考えている方と不動産投資家は大きなダメージを受ける一方、購入希望者は割安で住宅購入ができるようになります。

しかし、結論から述べると次の理由から、2022年問題が起きる確率は低いと思われます。

  • 生産緑地が集まっているのは都心部
  • 都内の農家半数は売りに出さない模様

ただし、専門家の中には農家の高齢化や後継者不足などが原因で、2022年問題が起きると予想している人もいるのです。

政府も2022年問題に向けて対策を出しており、これから現状は変わる可能性もあります。

そこで大切なのは、今のうちに2022年問題について正しく理解して、自分なりに考えておくべきこと。

そうすることで、余裕を持って2022年問題に対応できるでしょう。

記事では2022年問題の概要、不動産市場に与える影響、特に大きな影響を受けるエリア、そして起きる確率などを解説します。

記事を読むことで、2022年問題についてばっちりと理解できるでしょう。

それではさっそく見ていきます!

「2022年問題」はどんな問題?概要を解説

近年、不動産業界で大きな話題になっている2022年問題。

2022年問題とは、2022年に三大都市圏、

  • 東京
  • 関西
  • 中京

これらの地価が暴落することです。

土地付き物件を買う人は割安で購入できる可能性があり、売却する人は想定より安い価格でしか売却できないリスクがあります。

大きな影響を与える2022年問題が起きると言われている理由は、生産緑地の期限が切れるからです。

期限が切れることで、多くの農家が土地を売り出し、デベロッパーが続々と不動産建築を行う。

最終的に、物件の供給数が急激に高まり、相場が崩れるというわけです。

これが2022年問題の主な概要。

ここからは、カギとなる生産緑地の基礎知識について解説します。

2022年問題を理解する上で欠かせない「生産緑地」の基礎知識


生産緑地とは、面積500平方メートル以上の農地を対象とした減税制度です。

この減税制度が制定された背景には、急速に進んだ都市開発があります。

たくさんの農地が住宅地などになってしまうと、緑豊かな環境がなくなるうえ、様々な問題が引き起こされます。

実際に、生産緑地法が制定される前、都市開発により農地が少なくなったため、自然災害が多発したのです。

それを防ぐために、政府は農地にかかる莫大な税負担を軽減させる制度を作り、農地の宅地化を防ぎました。

生産緑地に指定されると、毎年かかる固定資産税が大幅に減少され、相続税の納税猶予措置も適用されるようになります。

生産緑地と認定されるためには、様々な条件がありますが、ここで抑えておきたいのは農林業として土地を活用しなければいけない点。

言い換えれば、認定されると農林業以外の用途で土地の活用は行なえなくなるのです。

そして、問題となっているのが生産緑地の指定解除が難しいこと。

一度生産緑地に指定されると、

  • 主たる農業従事者が死亡する
  • 認定後30年経過する

このいずれかに該当しない限り、指定解除ができないのです。

現在の生産緑地のほとんどが1992年に指定されたため、2022年に大量の農地が指定解除される予定となっています。

ただ、生産緑地は税金額が大幅に減少される制度であり、農家は頼りにしています。

そのため、政府は2017年に農業継続証明する場合に限り、10年ごとの生産緑地を認めるよう改正しました。

2022年には都市部の生産緑地が「宅地」として大量に放出される


先ほども述べたように、2022年に大量の農地が生産緑地の解除がされ、宅地として放出されると予想されています。

生産緑地の継続が少ないと考えられる理由は、農地の所有者の多くが高齢者となっているからです。

1992年時点で30歳だとしても、2022年には60歳となり、これから10年間も農業に従事するのは難しいでしょう。

農林水産省「都市農業に関する実態調査」によると、農家は次の問題を抱えていると判明しています。

参考資料:都市農業に関する実態調査

  • 都市農業における65歳以上の宮農者:47%
  • 後継者が誰もいない農家:35%
  • 一戸あたりの年間農業所得:25%

農業の従事者の約半数は65歳以上となっており、後継者問題を抱えているのです。

そのため、生産緑地を延長したくとも、継続条件を満たせないところがほとんど。

また、農業だけで生活できている農家は非常に少ないです。

実際に、農家の65%はアパート経営などの不動産所得に頼っている現状にあります。

このような問題があるため、2022年農地が自由となったとたんに、売りに出されると考えられているのです。

2022年に指定解除される生産緑地は、東京ドーム約2,968個分の8割だと推測されています。

当初は指定解除された農地は、市区町村に買取される予定でした。

しかし、大多数の市区町村は予算不足で悩んでいるため、大量の農地を買えるとは思えません。

そこでハウスメーカーやデベロッパーが農地買取に名乗り出るのです。

買い取った農地の上に、アパートやマンションを建築して、売りに出すのを狙っています。

多くの新築不動産が放出されることで、需要と供給のバランスが崩れ、不動産相場が下落するのです。

2022年問題が不動産市場に与える4つの影響


2022年、大量の農地が売りに出されることで、

  • 不動産価格の下落
  • 家賃収入の低下
  • 市街地の緑の減少
  • 空き家数の増加

これらが起きると考えられています。

ここからは、不動産の売り手・買い手、そして不動産投資家が知っておくべき4つの影響を解説しましょう。

1.不動産価格が下落する


2022年、生産緑地の指定が解除されると、農家は自由に農地を使えることになります。

売りに出すこともできれば、アパート建設をすることも可能。

高齢化や後継者がいない多くの農家は、農地を手放すもしくはアパート建設をするでしょう。

2022年、少しでも農地を高く売ろうと競うように売却すれば、その周辺エリアの地価が下落します。

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そして、農地を買い取るのは自治体の他に、ハウスメーカーやデベロッパーがあるのです。

買い取った農地の上に、住宅を建築すれば供給量が需要数を上回り、不動産市場が飽和します。

つまり、不動産の価格相場が下落するので、高く売りたくても売れない状況になってしまうのです。

買い手側からすれば良い状況になりえますが、物件売却を考えている人にとっては大きなデメリットになります。

特に、2022年問題を大きく受けるエリアは、東京や大阪などの都心部です。

そのエリア周辺にある物件売却や不動産投資を考えている方は、早めに動き出すべきです。

2.家賃収入が低くなる


物件の売主だけではなく、不動産投資家も2022年問題から大きな影響を受けます。

売りに出された農地には、アパートやマンションが建てられる可能性が高いでしょう。

というのも、賃貸住宅を建てた場合は、固定資産税が通常の6分の1に軽減されるからです。

また、賃貸物件は相続対策にも有効となり、通常の半分程度まで評価額を下げられます。

普通に住宅を建てるよりも税負担が軽減され、不労所得にも期待できるため、宅地になった農地には賃貸物件が建てられると予想できるのです。

賃貸物件の数が急激に増えれば、入居者を集めるために、賃料の値下げ競争が始まる可能性があります。

特に大きな影響をうけるであろう都市圏は注意が必要。

生産緑地の多くは立地の良い都心に位置しています。

立地が良い物件は高い入居率に期待できるため、賃貸経営にぴったりです。

生産緑地が多いエリアだけではなく、その周辺エリアの賃料も下がるリスクがあります。

これから不動産投資を考えている方は、候補物件の周りに生産緑地があるかどうか確認しましょう。

すでに投資をしている方で、将来的にライバルとなりうる生産緑地が周辺に多くある方は、早めに手放すのを検討してみるのもいいでしょう。

埼玉県羽生市の事例


2003年、埼玉県羽生市は人口減少をストップさせるため、農地に住宅を建築できる条例を出したのです。

あくまでも目的は人口流入であり、市としては戸建て住宅の建築を促す予定でした。

しかし、実際は建設業者の介入なども原因で、150棟もののアパートが建築されたのです。

150棟という数字は、当時の人口約5万人の羽生市には多すぎます。

結果的に、新築アパートが急増したことで、空き部屋率が約2倍の35.8%にまで上昇しました。

万が一、羽生市のようにアパートが急増すると、賃料低下だけではなく空き家になる確率も高まるのです。

3.市街地の緑が減少

都会で人気の市街地は緑が多いエリアです。

自然の多さは住宅選びの大きな要因であり、そのエリアにある物件の資産価値も高めます。

あなたが所有する物件の周辺にも緑があるかもしれませんが、それが生産緑地の可能性は高いです。

特に、都心部にある緑の半分は生産緑地と言っても過言ではありません。

2022年以降、市街地にある生産緑地が売りに出され、住宅が建てられると自然がなくなります。

緑豊かで魅力的な住宅街が、殺風景なただの住宅街になる可能性は十分にあるのです。

そうなると、その住宅街の資産価値は減少しエリアの雰囲気も変わるため、住民も今ほど魅力を感じなくなるかもしれません。

4.空き家が増える


現在、社会問題となっているのが急増する空き家です。

2018年の空き家率は13.6%と過去最高を記録しており、これからも伸びていくと予想されています。

空き家が多くなるメリットは1つもありません。

建物の老朽化や景観の悪化のほか、空き家が多いエリアは治安悪化リスクも高まります。

不審者やホームレスが空き家に不法侵入したり、粗大ごみなどの不法投棄が増えたりするのです。

そもそも、空き家が多くなっている理由は、人口減少しているにもかかわらず新築物件数が増加しているから。

2022年問題で怖いのは、大量の農地が宅地化されたのに、住民が入らないことです。

東京都の人口減少スピードは緩やかですが、長期的に見ると無計画の建築は空き家を生み出します。

住宅購入を考えている方は、エリア内の生産緑地の割合を確認するといいかもしれません。

以前は緑の多さはメリットとなりましたが、2022年以降はマイナスポイントになる可能性さえあるのです。

2022年問題の影響が考えられる都市・エリア


2020年問題の影響を大きく受けるエリアは、東京都・関西・中京の3大都市です。

全国に生産緑地はありますが、この3大都市には特に多くの生産緑地が残っています。

国土交通省「平成29年度都市計画状況調査」によると、生産緑地地区は全国で222都市あり、総面積は12,972.5ヘクタールあるのです。

具体的な内訳は以下の通りになっています。

  • 関東:7,461.7ヘクタール
  • 近畿:3,975ヘクタール
  • 中部:1,531.5ヘクタール
  • 九州:4.2ヘクタール
  • 北陸:0.1ヘクタール

このように見ると、関東・近畿・中部地方以外は、2022年問題で大きな影響を受けない可能性が高いです。

都心部に住んでいる方以外は、大きな心配をしなくてもいいでしょう。

関東の中でも、東京都は3,164ヘクタールと全国一生産緑地を保有しています。

そして、東京都の中でも八王子市、立川市、町田市、世田谷区、練馬区は生産緑地の割合が多くなっているのです

これらのエリアは、2022年に価格変動が起きるリスクが高いです。

また、八王子市や町田市などの不動産価格が下落すると、その周辺エリアもつられるように価格の下落が起きる可能性があります。

東京都に物件を持つ方は特に要注意ですが、その他にも注意が必要なエリアは以下の通りです。

  • 神奈川県横浜市
  • 神奈川県川崎市
  • 静岡県静岡市
  • 愛知県名古屋市
  • 京都府京都市
  • 大阪府堺市

都心にある緑豊かな地域は、生産緑地が多いと考えておくべきです。

これらのエリアでは、大量の農地が売りに出される可能性は比較的高いため、需要と供給のバランスが崩れて価格暴落が起きると予想されています。

2022年に不動産価値が暴落するのは本当か?


ここまで2022年問題について見てきましたが、本当に不動産価値の暴落は起きるのでしょうか?

結論から言うと、生産緑地を売りに出すもしくは宅地化にする農家は多くないので、大暴落が起きる可能性は少ないでしょう。

この結論を出した理由は、農家を対象に生産緑地に関する意向を聞いたアンケート結果があり、国も2022年問題を防ぐ対応をしているからです。

ここからは、2022年問題が引き起こす不動産価値暴落の可能性について、考察していきます。

生産緑地を宅地化する農家は実際どの程度いるか


1992年生産緑地が制定されたとき、宅地化農地は3万ヘクタール以上ありました。

それが2013年には13,583ヘクタールと半分以下になり、約20年間で半分以上が宅地へと変わったのです。

一方で、生産緑地面積は1992年15,109ヘクタールなのに対し、2013年には13,583ヘクタールと減少スピードは緩やか。

その理由は、多くの農家が農地を相続しているからだと思われます。

生産緑地に指定されると、相続税の納税猶予の利用が可能。

これは、相続人が農業を継続することを条件に、一定額の相続税納税が猶予される制度です。

猶予額は非常に大きいため、農家の相続税対策として非常に有効。

ただし、相続人が農業をやめた場合は、猶予された相続税額と利子税の支払いを行う必要があるのです。

見方を変えれば、相続税の納税猶予もまた後継者の選択肢を減らすものであり、納税を逃れるためには一生涯農業を継続しなければいけません。

東京都が実施した調査では、相続税の納税猶予を利用した農家が約51%もいると判明しているのです。

そのうち、41%が生産緑地の8割以上に納税猶予を適用しています。

つまり、都内にある半数の農家は2022年以降、農業をやめたとたんに多額の相続税の納付を行う必要があるのです。

この事実を考慮すると、約半数のうち多くの世帯が納税猶予を継続するためにも、農地の放出をしないと考えられます。

ここまでの考察をまとめてみましょう。

  • 都内の農家の約半分が生産緑地の納税猶予を活用
  • 都内の4~5割が2022年になっても農地を買取に出さない可能性大

そして、注目すべきなのが納税猶予を活用していない残りの5割の農家です。

彼らの動きによって、不動産相場が大きく影響されます。

実は先ほど紹介した調査では、納税猶予を利用していない残りの農家に、「生産緑地の今後の利用意向」を尋ねているのです。

その回答が以下の通り。

  • 生産緑地を継続するつもり:34.0%
  • すぐに買取を申しだしたい:8.2%
  • わからない:53.3%
  • その他:4.5%

つまり、現在のところ農地を放す可能性があるのは、8.4%+最大53.3%。

都内に限れば、納税猶予を利用していない約半数の半分約25%の動きに注目が集まります。

この調査から考えると、2022年に農家が一斉に農地を売り出す可能性は極めて低いでしょう。

単年で不動産相場が大きく崩れるリスクは低いです。

ただ、大量放出の可能性は少ないですが、農家の現状を考えると徐々に生産緑地が売り出される可能性は高くあります。

2022年問題に対する国の対策がもたらす影響


2022年問題を見据えて、政府は「特定生産緑地制度」という対策を発表しました。

これは生産緑地の所有者が希望すれば、生産緑地を特定生産緑地に指定でき、10年ごとに生産緑地の延期を受けられるのです。

特定生産緑地に指定されると、固定資産税は生産緑地の時と同様であり、相続税の納税猶予も適用可能。

名称こそ変わりますが、生産緑地と同じ制度であり、異なる点は10年ごとに更新するかどうかの選択が与えられること。

農家は2021年秋までに、特定生産緑地を適用するのかどうか決めなければいけません。

見て分かるように、特定生産緑地制度は生産緑地を放すかどうか迷っている農家のためのものです。

従来の生産緑地とは異なり、縛り期間が10年ごとになっているのは魅力。

特定生産緑地が誕生したことで、農家には3つの選択肢があります。

  1. 特定生産緑地にして、固定資産税減税と相続税の納税猶予を受ける
  2. 生産緑地のままにして、固定資産税は宅地並み課税の3分の1にして、
    相続税の納税猶予は諦める
  3. 生産緑地の買取の申し出をする

買取の申し出をするのは、2022年から10年間の農業継続が難しく、後継者がいない農家でしょう。

10年間農業継続ができるのなら、10年の期間に後継者の見通しを立てられるので、特定生産緑地にする可能性が高いです。

実際に農家の選択の予想はできませんが、生産緑地の扱いに迷っている農家に選択肢を与えたのは事実。

そのため、農地の大量放出のリスクを下げることになるでしょう。

2022年問題を見据えて何をすればいいか?

2022年に不動産相場の大暴落が起きる確率は低いです。

ただ、農家が抱える問題や人口減少などを考慮すると、2022年頃から徐々に不動産相場が下がる可能性は高くあります。

そのため、不動産投資や家の売り買いを考えている方は、2022年問題を見据えて行動すべきです。

ここからは、家の売却と購入の注意点、そして土地活用の可能性について解説します。

家の売却を考えているなら早めに売る

家の売却を考えている方は、2022年問題に関わらず早めに売却すべきです。

万が一、2022年に相場の暴落が起きると、想定価格よりもずっと低い価格でしか売れません。

そうなると、住み替えプランや老後の資金計画が大きく狂うことになるでしょう。

また、早めに売却すべき理由は2022年問題の他に3つあります。

1つ目は現在がマンションの売り時だから。

2013年に東京オリンピックの開催が決まってから、都心部のマンション相場が右肩上がりです。

この相場上昇は東京オリンピック閉会後から、徐々に下がると予想されています。

2019年以降も相場が高くなる可能性はありますが、少ない可能性にかけるよりも、下落しない前に売った方が賢明です。

特に、東京都内にあるマンションはオリンピックの大きな影響を受けているので、今のうちに売却すると、通常よりも大きな資金を得られる可能性があります。

2つ目の理由は物件の築年数が関係します。

物件種類に関わらず、築年数が経つほど不動産の資産価値は下落します。

例えば、2019年で築8年のマンションを2022年に売却した場合、資産価値は約200万円から300万円まで落ちるのです。

たった3年で価値は大きく下がるうえ、2022年問題で周辺の緑がなくなると、さらに資産価値が下がります。

そして最後の理由が、2019年は住宅ローンの金利が低いからです。

大多数の方が住宅ローンを利用します。

住宅ローンは借りる額が数千万円と大きいため、金利が0.1%異なるだけで総返済額が数百万円変わるのです。

つまり、住宅ローンの金利が低い時は、住宅の買い時ということ。

2019年現在の住宅ローン金利は、史上最低と言われるほどの低さで、多くの方が今のうちにと住宅購入を考えています。

金利がこれ以上低くなる可能性は少ないです。

  • 東京オリンピックによる相場上昇
  • 築年数
  • 住宅ローンの低金利

以上3つの理由もあり、2022年前に住宅売却を済ましておくのがおすすめです。

家の購入を考えている人にはメリットになる可能性もある


家の売却を考えている人に対して、購入を考えている人は、想定よりも安い価格で買える可能性があります。

特に、都内の生産緑地が多いエリアは、価格が下がる可能性が高いです。

ただ、住宅購入は物件値段だけで考えるべきではありません。

今マイホーム購入を考えていながらも、価格の下落を期待して、2022年まで待ったとしましょう。

すると、3年間の家賃の支払いが必要となります。

仮に家賃10万円だとすると、3年間で360万円家賃に費やすことになるのです。

さらに、2022年までに金利が上昇する可能性は十分にあります。

先ほども述べましたが、金利は0.1%異なるだけで数百万円の差が出るのです。

家賃と金利以上の値下がりが起きれば良いですが、2022年になっても価格が下がらなければ大損します。

生産緑地が全国一多い都内でも、すでに農地を売ると決めている方は全体の8%のみ。

4~5割は手放さない可能性が非常に高く、残りの約4割は生産緑地の扱いは未定です。

まるで2022年に大暴落が起きるかのように取り上げられていますが、実際に起きる可能性は低いと理解しておくべきです。

もし今ではなく数年後に購入する予定なら、2022年問題を頭に入れておくといいでしょう。

現在住宅購入を考えているなら、少ない可能性にかけて購入時期を待つよりも、ライフステージや金利などを考慮して、今のうちに購入計画を立てた方が賢明でしょう。

将来の土地活用の可能性を考える


2022年問題で最も注意を払うべきなのが、不動産投資家です。

不動産投資家は、生産緑地が売却される可能性だけではなく、土地活用の可能性も考えましょう。

実は、政府は特定生産緑地の制定により、農地行為制限も緩和したのです。

従来は農業に関する施設のみしか建設できませんでしたが、直売所や農家経営レストランなども設置できるようになりました。

また、都市農地貸付法が制定されたことにより、農地を市民農園業者などに貸し付けられるようになったのです。

農地の活用方法が増えたことで、新たな都市農業ビジネスの可能性が生まれました。

2022年以降、農地にレストランがオープンされれば、近所の住民のためのシェアキッチンなどが開かれる可能性もあるでしょう。

そのように農地が産業ビジネスとして活用されると、コミュニティの活性化につながり、そのエリアの資産価値が上がる可能性もあるのです。

賃貸物件が増える可能性があるからと、簡単に投資用不動産を手放すのは避けたいところ。

物件エリアの生産緑地を確認して、どのような使い道ができるかを考えてから、手放しの決定をするといいですね。

2022年問題の影響を大きく受けるようなら、早めの売却をして、予想がつかないなら様子見という選択肢もあります。

というのも、2022年に大量の農地が売り出される可能性が少なければ、すぐに不動産が完成することもありません。

様子見をしながら、適切な時期に売却するのがベストです。

まとめ

いかがでしょうか?

2022年問題とは、大量の生産緑地が売りに出されることで、不動産価格が暴落するというものでした。

しかし、詳しく見ていくと以下の理由で、2022年問題が起きる可能性は低いと考えられます。

  • 生産緑地が集中しているのは都心部
  • 都内の農家の約半数が引き続き農地を保有する可能性が高い
  • 農地が上手く活用されれば、資産価値が上がる可能性もある

大切なのは、現在住宅の売却を考えている方は、マイナス金利や市場の高まりなどの要因が重なっている今、早めに動き出すこと。

そして、家を買う方は2022年問題に惑わされることなく、ライフプランや資金計画などを考慮して購入タイミングを決めることです。

実際にどうなるかは分かりませんが、今のうちから2022年問題について理解して備えておきましょう。

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