一括借り上げはトラブルが多い?一括借り上げ5つのメリットとデメリット

昨今の不動産投資ブームの影響で、サラリーマンの方が1棟売りのマンションやアパートを所有することが増えています。

不動産業者も収益物件の売買情報を常に追っており、都市部、地方に関係なく、物件を売りたいオーナーと物件を購入して収益を得たい不動産投資家との間で、不動産売買が活発に行われています。

しかし、不動産投資家にとって一番のリスクは「空室」です。

購入時の利回りは満室を前提にしたものですから、空室が増えれば当然返済が苦しくなります。

また、長期的に見て修繕費用を蓄えておくことも必要であることから、できるだけ空室を減らすことが重要になります。

また、広大な土地を所有しているオーナーが、相続税対策などにアパートを建てることもあり、その際にもやはり「空室」が大きな懸念材料になります。

そこで、空室による家賃収入減少のリスクを無くすために、不動産管理会社が一括して物件を借り上げ、オーナーに一定の家賃収入を保証することを「一括借り上げ」と言います。

この一括借り上げには、メリット・デメリットがありますので、ぜひ覚えておいてください。それでは詳しく解説をしていきます。

一括借り上げとは

一括借り上げは不動産を管理する会社が、オーナーから土地、建物などを一括して借り上げ、管理・運営を行うシステムになっています。

一般的に「サブリース」とも呼ばれます。

主な業務内容は、土地・建物の管理、入居者のクレーム対応、家賃の集金、滞納督促、入居者の募集、賃貸借契約書類等の作成、退去精算、原状回復作業などがあります。

一般的な管理委託業務との違いは、空室でも毎月の家賃を保証してくれる点です。

家賃の滞納が発生しても毎月の家賃が保証されているので、オーナーの家賃収入に影響しません。

通常の建物賃貸借契約書の貸主はオーナーになりますが、一括借り上げの場合は管理会社が貸主になります。(所有者はオーナー)

通常の管理委託業務の場合、毎月の管理料は家賃に対しての5%前後が相場になっていますが、一括借り上げ契約の場合は、空室時の家賃の保証が付いていることから、管理料は家賃に対して10%以上になります。

保証の内容が大きくなるほど、管理料も増える傾向にあります。

ちなみに、巷でよく聞かれる「家賃保証」は、入居者が家賃を滞納した場合に、契約した保証会社が督促を行い、家賃を立て替えることを指します。

また、一括借り上げではなく、通常の管理委託契約で空室の家賃を保証することもあります。

一括借り上げのメリット

空室保証がついている

オーナーにとって、安定した経営を行うために重要なことは、空室を最小限にすることです。

通常の管理委託契約の場合は、空室ができるとその分の家賃が入らず、年間の収支にバラツキが生じます。

融資を受けて建物を建てているオーナーにとっては、家賃が入ってこないのが一番困ることです。

一括借り上げでは、例え空室が発生しても毎月決まった家賃収入が保証されるので、安定した賃貸経営を行うことができます。

空室に頭を悩ませる心配がないのは、大きなメリットと言えるでしょう。

管理業務をする必要がない


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賃貸経営に関する管理業務は多岐に渡ります。

一般的な管理委託契約では、管理会社が代行して建物管理を行ってくれますが、トラブルが発生すると管理会社からオーナーに連絡が入ります。

そしてその都度、オーナー自身で判断を求められることになります。

一方、一括借り上げの場合は、貸主が管理会社になっているので、トラブル対応なども全て管理会社が主体となって行います。

賃貸経営の知識が不要

一括借り上げ契約では、管理会社がオーナーに代わり賃貸経営に関わる全ての業務を行うので、オーナー自身に賃貸経営の知識や経験がなくても、経営が円滑に行えるメリットがあります。

オーナーが仕事をしながらでも、家賃収入を得ることができます。

融資が通りやすい


一括借り上げにより、家賃収入が安定することから、融資が通りやすくなるメリットがあります。

訴訟などの心配がない

入居者の家賃滞納が長期に渡ると、明け渡し訴訟を行う必要があります。

また退去による敷金精算のトラブルなどが起こり訴訟に発展すると、オーナーが当事者になってしまいます。

一括借り上げでは貸主が管理会社であるため、その心配がありせん。

一括借り上げのデメリット

一般管理よりも収益が少ない。

一括借り上げの最大のメリットは、空室保証がついている点であると説明をしました。

これにより安定した収入が見込めるのは大きなメリットですが、反面、オーナーが得られる収益が少なくなることに留意する必要があります。

まず、通常の一般管理の場合は、毎月の管理料が家賃の5%前後が相場です。

しかし、一括借り上げの場合は10%以上になるため、毎月の家賃から差し引かれる管理料が多くなります。

その他に、入居者から受け取る礼金・更新料なども、全て管理会社の収入となります。

共益費も共用部分の維持管理に使用するため、オーナーの収入にはなりません。

家賃の見直しがある


一括借り上げ契約には更新があり、その際に家賃の見直しを求められることがあります。

契約期間は管理会社によって様々ですが、2年ごとの更新または最初10年は固定でその後は2年ごとの更新などがあります。

もし家賃の見直しがなされると、当然オーナーの収入が少なくなるので、ローンの返済や長期修繕計画に影響ができることは容易に想像できます。

近年、この家賃の見直しをめぐるトラブルが発生しており、契約時に気を付ける必要があります。

途中解約がある

契約の更新時に、契約内容についてオーナーと管理会社の間で合意に達することができない場合は、一括借り上げ契約は終了となります。

もし、その際に空室が多い状態であれば、一括借り上げ契約が終了した次の月から、オーナーの収入が極端に減ってしまう危険性があります。

管理会社の倒産リスク

最近では30年以上の長期一括借り上げが主流となっていますが、30年後に管理会社が存続しているかどうかは、誰にも分かりません。

もし、管理会社が倒産すれば、当然一括借り上げ契約も終了となるため、空室があればその分の家賃は入らなくなります。

途中解約の場合でも同じことが言えますが、いざ解約や管理会社が倒産した段階になって、自分の物件を見てみると空室だらけ。

今までは空室保証で毎月決まった収入があったけど、一転、家賃収入が激減してローンも支払えないという事態が、現実に起きているので注意が必要です。

維持管理の業者を選べない


建物の維持管理を行うのに、例えば外壁のメンテナンス、室内のリフォームといった作業は、管理会社から委託を受けた専門業者が行うことになります。

もしオーナーがその金額が高いと思って、知り合いの業者に委託したくても、できない契約になっている場合が殆どですので注意が必要です。

また、管理会社が必要と認めるメンテナンス工事を、オーナーが拒否することはできません。

もし拒否すれば、一括借り上げ契約自体を打ち切るといったこともあるようです。

一括借り上げの上手な使い方

現在では、共同住宅を建ててもらうために一括借り上げを提案する、つまり建築と管理を組み合わせて不動産事業を行う業者が増えています。

また、既存の物件に対して一括借り上げを行っている不動産管理会社も多く見受けられます。

オーナーにとって利益が一番大きくなるのは、オーナー自ら管理を行う「自主管理」です。

管理料も必要ありませんし、リフォームの際にも管理会社の儲けが上乗せされないので、

安く仕上げることができます。

しかし、入居者の募集は不動産会社に依頼できますが、建物の管理やクレーム処理、敷金の精算といった作業は自分で行わなければなりません。

また、オーナー自身で基本的な賃貸経営の勉強をする必要がありますし、不動産会社への営業も欠かすことができず、手間がかかります。

一方、管理会社と委託契約を結べば、入居者の募集や契約作業、管理業務を一括でも行ってくれるので、オーナーの負担がかなり減ることになります。

ただし、空室が長期化しても空室保証がないので、家賃収入が安定しないデメリットがあります。

また、管理会社がしっかりと募集活動や物件管理をしているか、オーナー自身で確認をする必要があります。

その点一括借り上げの場合は、全て管理会社お任せすることができるので、手間がかからず空室による収入の減少の心配もありません。

ただし、家賃の見直しにより収入が減る場合がありますし、修繕費なども決して安いとは言えません。

もし物件のある地域が、賃貸市場において需要がある場所であれば、無理に一括借り上げにする必要はないでしょう。

また今後、人口の増加が見込める地域なども需要が増えると考えられます。

逆に将来的に競合物件ができる可能性がある、需要が冷え込む恐れのある地域であれば、一括借り上げで当面のリスクを回避する手段が有効です。

まとめ


いかがでしたか?一括借り上げにもメリットとデメリットがありますので、よく検討した上で契約することをお勧めします。

まず管理会社の規模や経営状態、契約書類の内容、メンテナンスに関する事項など、確認することは沢山あります。

さらに新築時や入居者の退去時に、1ヶ月から3ヶ月の家賃支払い免責期間が設定されている場合がありますので、よく確認をしてください。

また万が一のリスクに備えて、仮に一括借り上げ契約が終了した後でも、賃貸経営を続けていくことができるのか、地域の賃貸市場の動向や管理会社の有無などを把握しておくべきです。

最悪の場合、管理会社が倒産してしまえば、その時点でオーナーが自ら賃貸経営を行っていかなければなりません。

このことから、例え一括借り上げで安定した経営が約束されていても、オーナー自身が賃貸経営についての基本的な内容を、学んでおくべきであると考えます。

ご自身に合った方法で不動産の管理・運営を行ってください。

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