マンション高騰5つの理由と今後の価格を不動産のプロが解説!

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マンション高騰5つの理由と今後の動向

首都圏を中心に新築マンション価格が高騰しています。
原因は一体どこにあるのでしょうか?

そして今後のマンション価格の気になる動向は?
日本経済の先行きから見て、マンションはいつか買い時、売り時なのか、検証していきましょう。

マンション高騰と震災特需

2011年に発生した東日本大震災では、地震で多くの建物が倒壊し、津波により家屋や道路、橋が流されるなどして、被災地は甚大な被害を受けました。

被災した岩手、宮城、福島の3県では、現在も復興に向けた工事が進められています。

被災地では、復興関連の工事の需要が増え、多くの人員と建築資材が必要になりました。

実際に、震災が発生した2011年以降、公共工事の請負額が急激に増え、新設の住宅着工、新規の求人数なども大幅に増加しました。

復旧工事は多岐に渡り、大手ゼネコンや中小建設業などの作業員が、被災地に集中する事態となり、マンションの建設に必要な作業員や、建築資材が不足する事態に陥りました。

結果、人材を確保するための人件費の増加、建築資材の不足による価格の高騰が起こり、マンション価格の高騰へと繋がっていきました。

マンション高騰の理由は東京オリンピックと関係している?

2020年に東京オリンピックが開催されることが決まり、オリンピック開催に向けた準備が急ピッチで進められています。

オリンピックでは、競技場の建設・再整備、選手村の建設、各施設までのインフラ整備など、建設業界に多くの需要をもたらしています。

しかし、オリンピック関連の工事は、厳格に完成期限が決められているため、工事の遅れは許されず、大手ゼネコンは関連施設の完成に向けて、多くの人材を投入しています。

これが建設業界の人手不足を招き、人件費の高騰へと繋がっています。

また同時に、多くの建築資材が必要となり、建築資材の価格高騰が更に進む事態になりました。

さらに別の視点から見ると、オリンピックでのマンション需要を見越した海外の投資家が、こぞって首都圏のマンションを購入し、これが不動産価格を上昇させる要因にもなっています。

不動産業界の2020年問題については下記の記事で詳しく解説をしています。

関連記事⇒不動産業界の2020年問題とは~オリンピック後に考えられるリスクをプロが解説

マンション価格の推移

不動産経済研究所が2018年に行った調査では、2017年上半期に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)で販売されたマンションの平均価格は5,884万円になっています。

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前年の2016年上半期の平均価格が5,686万円だったのと比較すると、なんと200万円近くも上昇しています。また都内23区の1坪当たりの単価は、2016年が332万円、2017年上半期は354万円と、こちらも20万円近く上昇しています。

参考⇒マンション・建売市場動向|不動産経済研究所

2017年上半期(1月~6月)の首都圏マンションの市場動向


・首都圏における新規供給戸数は1万4,730戸。前年比1.9%の増加。
・1戸当たりのマンションの平均価格は5,884万円。㎡単価85万円、坪単価280万円
・初月契約率の平均は67.3%。前年同期の68.4%に比べて1.1ポイントダウン。
・総契約戸数は1万5,860戸で、前年同期の1万4,755戸に比べて925戸(6.3%)上回っている。

このようなデータが出ています。
(出典:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向」)

なぜマンション価格は高騰するのか?5つの理由

まず、マンションの販売価格の内訳は、

・土地代
・建築資材費
・人件費
・販売経費
・開発業者(デベロッパー)の利益

などから構成されています。

この中で、マンションの販売価格を押し上げている原因となっているのは、土地代、建築資材費、人件費の3つです。

1.人件費の高騰

現在の日本は、被災地の復興工事、公共工事の増加。オリンピック関連施設の工事により、多くの人手が必要となっています。

この結果、多くの人員がこれらの工事に従事することになり、マンション建設に携わる建設業界の人材確保が急務となっています。これが人件費の上昇へと繋がっています

では、なぜ人手不足になると、人件費が高騰するのでしょうか?

理由は、企業が人材確保のために、他の業種や会社よりも好条件で雇用をする必要があるからです。元々建設業界は、社員の高齢化がすすみ、若年層の雇用確保が問題となっていました。

厚生労働省の統計によると、建設業の賃金年額平均では、平成23年度は313万3000円だったのに対し、5年後の28年度は3334万6000円と、21万3000円も上昇しています。(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)

つまり、人件費の高騰がマンションの販売価格にも反映される為、マンションの高騰が起きているのです。

2.建築資材の高騰

建築資材の高騰がマンションの価格を押し上げる原因になっています。

先程の人件費の高騰と同じく、震災復興やオリンピックの開催により、多くの資源が必要となり、建築資材の値上がりが続いていました。

それに加えてデフレ脱却のための円安政策で、海外から輸入する資材の値段が高騰し、更なるマンション価格の上昇を招きました。

現在の建築資材の価格は、横ばい状態になっていますが、これは値段が下がった訳ではなく、数回値上がりしたまま、高止まりしている状態です。

建築資材の価格は、東京オリンピックが終わる2020年以降は下がるという予測もありますが、東京では2018年から様々な再開発プロジェクトが進行しており、2025年頃まで、大規模な再開発計画が予定され、大規模ビルの大量供給も計画されています。

もし首都圏や地方中心都市での再開発が活発になれば、資材費が急激に下がることは考えにくいでしょう。

3.地価の上昇


オリンピック開催決定により、首都圏を中心に地価の上昇が続いています。

特に駅近や都心部といった利便性の高い土地は、入札が出れば複数の会社が競合し、高値で落札され、地価の上昇の原因にもなっています。

また、現在の日本は、円安の影響から訪日外国人が増え、ホテル需要が急激に拡大しています。

ホテル建設の為に、利便性の良い土地の購入が大量に行われ、マンションの開発業者は、ホテル建設に対抗する為に、高値で土地を購入せざるを得ません。

結果、土地の仕入れ価格が高くなり、マンションの販売価格に影響を与えています。

国土交通省が発表した2018年1月1日時点の公示地価は、全国平均で前年比0.4%プラスと2年続けて上昇しています。

低金利でお金を借りやすい環境のもと、訪日客向け店舗やホテル用地の需要が高まったことが原因です。

最高地価は11年連続で東京都中央区銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」。

1平方メートルあたり5050万円。坪単価で計算すると、なんと1億6694万2148円 。凄いですね・・・。これは都心でミニバブルと呼ばれた2008年を3割ほど上回る水準になっています。

詳しくは国土交通省が発行している公示価格を参考にしてください。

4.中国人や欧米を中心とする外国人投資家の買い占めが原因?

現在日本では、来日した中国人観光客が商品を買い占める「爆買い」が、たびたびニュースで報じられます。これも円安による訪日外国人の増加と関係しています。

では海外投資家によるマンションの購入はどうか?

オリンピック開催による需要が見込まれることから、投資目的で購入する海外の投資家が、首都圏のマンションの買い占めに走っています。

海外の投資家からすると、世界的に見ても日本の不動産はかなり魅力的です。特に東京のように人口密度が高く、それでいて海外の主要都市から比べるとそこまで価格は高くない。

これが海外投資家の不動産購買意欲を高めることになり、マンション価格の高騰にも繋がっています。

5.マイナス金利とマンション高騰の関係性

長年続くデフレ脱却のために、2016年に日銀はマイナス金利政策をスタートさせました。

このマイナス金利は、住宅ローンを使ってマンションを購入する人にとって、大きなメリットとなっています。

しかし、住宅ローンの金利低下によって、マンションの購入者が増えれば、売る側が強気になります。

この結果、マンションの価格設定をどんどん押し上げる原因になり、マンション価格高騰へと繋っています。

しかし、住宅ローンの低金利が続いても、現状の首都圏のマンション価格はバブル期並みの高水準となっており、一般のサラリーマンの方が、容易に購入できる価格ではなくなってきています。

今後大きな価格上昇は考えにくい状況になっています。

住宅ローンについては下記の記事で詳しく解説をしています。

マンションを所有している人は、高騰している今が売却のチャンス?


首都圏では新築マンション価格の高騰により、中古マンションに人気が集まるという逆転現象が起きています。
公益社団法人東日本不動産流通機構が発表している、2016年首都圏不動産流通市場の動向によると、

・中古マンションの成約数は37,189件で前年比6.9%増。2年連続で前年を上回り過去最高。
・成約物件の1㎡あたりの単価は首都圏平均で47.92万円(前年比5.9%上昇)。4年連続の上昇。
・成約物件の価格は3,049万円(前年比5.4%上昇)、22年ぶりに3,000万円台。4年連続の上昇。
・成約物件の平均専有面積は62.63㎡(前年比0.4%縮小)、平均築年数は20.26年(前年20.13年)
・新規登録件数は2年連続で前年を上回り、㎡単価・価格はともに3年連続上昇

という結果になっています。

中古マンションの人気の理由は、新築物件よりも割安で購入でき、新築よりも床面積が広い物件が多く、交通の便も良い好立地の物件が多いからです。
また中古マンションを割安で購入し、自分でリノベーションを行うのも人気となっています。

現状の新築マンション価格の推移からすると、しばらく中古マンションの人気傾向は続きそうです。
もしマンションの売却が必要な環境になった場合は、高値で売却できる状況にあると言えます。

マンション高騰はいつまで続く?

マンション価格の高騰が収まるのは、東京オリンピックが開催される2020年前後と予想されていますが、先行きは不透明です。2019年に消費税の増税が予定されていることから、駆け込み需要が発生し、その後、価格が下落するという見方もあります。

しかし、現状を考えると、大幅に価格が下がることは考えにくく、緩やかに価格が下がっていくといった表現の方が正しいのかもしれません

首都圏のマンション価格高騰の理由と今後まとめ

現在首都圏のマンション価格はバブル期並みとなっており、一般の会社員では購入できない程の高水準になっています。新築価格で1000万円以上の値上がりを見せているマンションもあります。

マンションの購入にあっては、きちんとした資金計画を立て、住まいの見極めをすることが重要です。「買い時」という言葉に踊らされず、住宅ローンを借りる際には、無理のない返済計画を立てることがとても重要です。

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