ホームインスペクターとはどんな資格?ホームインスペクションのメリットを不動産のプロが解説

建てた当初は新築で綺麗だった住宅も、時間の経過とともに劣化していきます。

流石に数年程度で老朽化することはありませんが、10年20年と時間が経つと、古くなることで耐震性などに不安が出てきますよね。

ホームインスペクションを行うことで、住宅の劣化状況や欠陥の有無を把握することができます。

ただ、この住宅診断というのは誰でも出来るものではありません。住宅の正確な状況を把握するためには、その道に精通した専門家にお願いする必要があります。

今回はホームインスペクションをする上で役立つ資格であるホームインスペクターについて解説します。

ホームインスペクターとは?

ホームインスペクターとは住宅診断士の資格のことです。

民間の資格であり、年齢や性別、学歴などについて特に制限なく誰でも取得することができます。

ホームインスペクターの試験では、住宅の診断をする上で必要な建物や不動産流通の知識、さらには住宅を診断するための検査方法などについて問われます。

ホームインスペクターとして活躍するために必要な資格ということですね。

資格を取得し、公認ホームインスペクターになることで、プロとしてホームインスペクションの業務に携われるようになるでしょう。

建築士や宅建の資格と並行してホームインスペクターの資格を取得するとうい方が多いです。

特に建築士の場合、ホームインスペクターの資格を有することで住宅診断をしつつ同時に建物を良くするための提案ができるので、リフォームの現場などで役立ちますね。

ホームインスペクターの業務内容

ホームインスペクターとは住宅診断士のことで、その仕事内容は専門家として住宅の診断を第三者の立場から行うことです。

ホームインスペクションをすることで、現在の住宅の劣化具合から欠陥の有無、さらにはメンテナンスやリフォームにかかる費用などを算出することもできます。

要するに、リフォームを検討しているので、どこをリフォームし、どれくらいの費用がかかるのかを第三者の視点より知りたいという時に役立つということですね。

ホームインスペクターが診断するポイントは、住宅の外回りから室内、床下、屋根裏、天井、その他の宅内の設備など多岐にわたります。

住宅の診断が主な業務となるため、中古住宅を対象に仕事をすることが多いです。

中古住宅の中にはそのまま放置をすると、寿命が短くなってしまうなどの欠陥のある住宅もあります。

例えば、シロアリの被害を受けている住宅などがまさにそれですね。

このような欠陥や修繕すべきポイントをホームインスペクターが早期に発見することで、中古住宅の寿命を延ばすことができるでしょう。

中古住宅の流通量が多い昨今、ホームインスペクターの今後の活躍が期待されています。

関連記事⇒スムストックとは?中古住宅が一般の中古より安心して購入できる6つの理由

ホームインスペクターの資格の勉強方法と難易度

ホームインスペクターは誰でも受験可能な資格です。

ただし、誰でも受かるほど難易度が低く簡単な資格ではありません。

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試験の出題範囲は住宅に関わる法規や法令などから、業務に関するコンプライアンスまで、幅が広いです。

試験会場は札幌や仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡など。

受験料は税込で14,000円です。

勉強方法としては、JSHI公認の過去問題集などがあるので、それを参考に勉強しましょう。

参考⇒NPO法人日本ホームインスペクターズ協会

他にも、amazonで販売されているホームインスペクターの資格試験テキストなどがあります。

これらの参考図書を教材にすることで、勉強できます。

テキストは書店に流通しておらず、直販も行っていません。amazonでしか購入できないので、注意してください。

参考図書以外にも、試験対策のためのWEB講習もあります。

WEB講習はパソコンだけでなく、スマホやタブレットでも視聴できるので、移動中や隙間時間を利用して勉強できるでしょう。

参考図書やWEB講習を受けて試験に挑み、いざ合格すると、認定会員として登録することになります。

認定会員として登録を果たすことで、ホームインスペクションの業務に携われます。

ホームインスペクションにかかる時間と料金


ホームインスペクションにかかる時間は、住宅の規模や調査の範囲によって異なります。

だいたい建物の面積が100㎡だと、2時間から3時間ほどの時間を要します。

料金については、それぞれの会社次第です。

だいたい目視による診断が5万円前後、機材を使用すると10万円以上が相場となりますね。

ホームインスペクターの資格がいる職業

ホームインスペクターの資格が求められる職業というと、主に不動産関係の職業となります。

リフォーム会社や設計事務所、不動産会社、建物の調査や検査を行っている会社ならば、ホームインスペクターの資格が役立つでしょう。

リフォームの需要があるということもあってか、公認ホームインスペクターはニーズのある職業です。

その年収についてですが、だいたい300万円から400万円ほどとなります。

平成28年に宅建業法の一部が改正されたことで、今後は不動産仲介業者が建物の状況について詳しく説明することが求められます。

参考⇒「宅地建物取引業法の一部を改正する法律」 |国土交通省

ホームインスペクターの試験は平成21年に始まったばかりなため、まだ認知度は低いです。

しかし、今後需要が増していくことで、認知度が高まり、仕事としてのニーズも増えていくことでしょう。

建築士の資格とホームインスペクターの資格を併用するメリット


ホームインスペクターが民間の資格であるのに対し、建築士の資格は国家資格となります。

ただ、建築士の資格があればホームインスペクターの資格が不要になるというものではありません。

建築士の中には、ホームインスペクターの資格を有する人もいます。

果たしてホームインスペクターと建築士の資格、この両方を併用するメリットはあるのでしょうか?

まず、建築士の資格がなくても、ホームインスペクターの資格があれば、ホームインスペクションの業務に携われます。

ただし、建築士の資格がないということは、つまり建築関係の知識は不足しているということです。

要するに、診断はできても建築はできないということですね。

そのため、ホームインスペクションを行った結果、住宅に不具合があることがわかったとしても、それに対してホームインスペクターは解決策を用意することができません。

仮に耐震性に問題があるとした場合、それを解決するのは建築士の仕事です。

建築士の資格があれば、住宅をどうすれば良くできるのか、不具合の解消方法を提案できます。

建築士の資格があるメリットはここにあるのですね。

ホームインスペクターだけでなく建築士の資格もあれば、住宅を診断しつつ、同時に解決策まで提案できます。

住宅診断の結果、ここに不具合があったので土台を変更して直しましょう、などの具体的なアドバイスが建築士ならばできるのですね。

ホームインスペクターと建築士、両方の資格があれば、リフォームの仕事なども捗るでしょう。

仕事の領分を拡大できるので、これらの資格は両方取得しておいて損はありません。

むしろ、業務の幅が広がる分、キャリア形成に役立ちますね。

ホームインスペクションのメリット

ホームインスペクションを利用するメリットとは一体何なのでしょうか?

まず住宅の買い手側のメリットとして、専門家のチェックを受けられる、欠陥住宅を回避できる、安心して購入できる、メンテナンスのやり方やそのコストがわかる、売り主に欠陥があることを証明できる、住宅の設備や構造などがわかる、など。

住宅の買い手がホームインスペクションを実施すると、専門家の立場より住宅の状態を知ることができます。

住宅の良好状態や欠陥、不具合の有無というのは素人では判断ができません。

しかし、プロである公認ホームインスペクターに住宅を診断してもらうことで、中古物件の本質を知ることができます。

専門家のチェックが入ることで、欠陥住宅を掴まされることなく、安全に欲しい住宅を購入できるということですね。

欠陥が無かったとしても、老朽化が進んでいれば、何かしらの不具合があるものです。

そういった素人ではわからない欠点や不具合が、ホームインスペクションを通じて判明します。

中古住宅に問題があれば、それを材料に売り主と価格を交渉することができるでしょう。

さらに、いざ購入するにあたり、今後どのようなメンテナンスが必要になるのかもホームインスペクションで判明します。

いくら良い家でも、メンテナンスに高額の費用がかかる家は流石に嫌でしょう。

こういった価格以外のコストがわかるというのも、ホームインスペクションならではのメリットですね。

ハウスメーカーや工務店側のホームインスペクションのメリット


ホームインスペクションのメリットを享受できるのは買い手だけではありません。

中古住宅の売り主側にもメリットはあります。

売り主側のメリットというと、住宅の状況を常に明確に把握できる、買い手に正しい情報を伝えられる、住宅の売買契約成立後のトラブルを未然に防げる、など。

まず売り手側からすれば、ホームインスペクションをすることで、この建物の本当の姿を知ることができます。

特に欠陥がなく不具合もない建物ならば、ホームインスペクターからお墨付きをもらうことで、この建物は欠陥のない優良な住宅だと買い手に証明できます。

買い手に正しい情報を伝えることができれば、たとえ高値でもその価格に納得して建物を購入してもらえるでしょう。

なにより、ホームインスペクションを通じて正確な情報を伝えておけば、後々になって住宅の不具合などが原因でトラブルが起こる可能性を排除できます。

もしも欠陥があることを隠して住宅を売れば、確実にトラブルになるでしょう。そのような面倒事を避けるためにも、ホームインスペクションは必要です。

住宅の売り手や仲介業者にとっても、ホームインスペクションはメリットがあるということですね。

ホームインスペクションの利用方法は?

住宅の買い手と売り手、両方にメリットのあるホームインスペクションですが、どうやって利用すれば良いのでしょうか?

まずホームインスペクションを利用するためには、資格を有しているホームインスペクターを探さないといけません。

公認ホームインスペクターは、JSHIの公式サイトより検索することができます。

参考⇒ホームインスペクター(住宅診断士)を検索する|NPO法人日本ホームインスペクターズ協会

診断して欲しい物件のある地域で活動中の公認ホームインスペクターに仕事を依頼することで、住宅診断をしてもらえます。

公認ホームインスペクターを検索すると、ホームインスペクターの資格以外に取得している資格や、どの物件まで対応できるのかまで調べられます。

今までの経歴なども紹介されているので、より信頼できるホームインスペクターをここで探せます。

ホームインスペクターを探し、仕事を依頼することでホームインスペクションを利用できます。

料金に関しては、それぞれの会社によって違うので、必ず確認しておきましょう。

利用する場合、まずはホームインスペクターのいる会社にお問い合わせをし、見積もりを出してもらいます。

診断内容や料金に問題がないようであれば、診断したい日時を決め、申し込みをしてください。

申し込み後、希望診断日時にてホームインスペクションが行われます。

この時まで、必要書類を用意してください。

ホームインスペクションを実施した後、診断結果を聞くことになります。後に報告書も受け取れます。

報告書を受け取った後、ホームインスペクションに対して料金を支払うことになります。

手続きそのものはとても簡単です。

お問合せをし、日時を決めたら、あとは公認ホームインスペクターの診断が終わるのを待つだけですね。

ホームインスペクションに資格は必要なのか?


ホームインスペクターの資格を有すことで、公認ホームインスペクターになることができます。

では、この公認ホームインスペクターではない方、要する無資格の人ではホームインスペクションはできないのでしょうか?

まずホームインスペクターは民間の資格となります。国家資格ではありません。

要するに何が言いたいのかというと、ホームインスペクションという行為は国家資格を求められるような作業ではないということですね。

住宅診断をするだけならば、ホームインスペクターの資格は要りません。それこそ、誰でも住宅診断はできます。

このように、ホームインスペクションの作業をするにあたって、資格の有無は問われないので、ホームインスペクターだからといって必ずしも有資格者とは限りません。

ただ、もしも資格がないホームインスペクターに住宅診断の作業を依頼すると、知識不足が原因で欠陥や不具合を見落としてしまう恐れがあります。

そうなると、住宅診断を受けるメリットがないばかりか、欠陥のある住宅を購入してしまいかねません。

これではおちおち安心して生活できないでしょう。

このようなトラブルを回避するためにも、ホームインスペクションを依頼する際には、本当に資格を持っている公認ホームインスペクターかどうかを必ず確認してください。

ホームインスペクターまとめ

これから住宅を購入しようという時、その住宅は本当に高品質なのかどうかは、素人では判断がつきません。

住宅の質や劣化具合、欠陥の有無などについて調べて欲しい時は公認ホームインスペクターを利用しましょう。

ホームインスペクターの資格を有している専門家に依頼することで、専門的な立場より住宅を評価してもらえます。

ひいては、住宅の本当の質や価値、欠陥の有無などの正確な情報を把握することが出来るでしょう。

売り主としても、住宅の正しい情報を買い手に伝えられるので、トラブル防止に役立ちます。

住宅を診断できるホームインスペクターは、中古住宅の流通量が多い昨今、活躍が期待される仕事です。

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