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マンションを売る時、多くの方がこのような悩みを持ちます。
- マンションの管理費っていつまで払えばいいの?
- 管理費や修繕積立金は戻ってくる?
- 滞納していると売却できない?
マンションの管理費は、「引き渡し日の前日」まで支払うという決まりがあります。
月の途中で引き渡す場合は、日割り計算をして、売主と買主で支払いを分割するのです。
また、管理費や修繕積立金はマンションの共有財産なので戻ってきませんが、例外もあります。
記事では、マンション売却時の管理費や修繕積立金などの取り扱いについて解説します。
この記事を読むことで分かるのは主に次の3つ。
- 管理費の支払い期間
- 管理費と修繕積立金が戻ってくるのかどうか
- マンション売却時に戻ってくるお金一覧
それではさっそく見ていきましょう!
もくじ
マンションを売るとき管理費はいつまで払い続けたら
いいのか
まずは、マンションを売るときの管理費や、修繕積立金の扱いについて解説しましょう。
売却後はマンションと関わりがなくなるため、これまでに支払った費用は返金してもらいたいところですが、どうなるのでしょうか。
また、管理費の支払い義務はいつまで続くのか確認しておくことも重要です。
ここからは、マンションを売るときの管理費と、修繕積立金について見ていきましょう。
管理費の支払い義務はマンションを「引き渡す前日」まで売主にある
そもそも管理費とは、マンションを管理している管理会社に支払うお金のことです。
マンションに住む住民全員に支払い義務があり、毎月口座から引き落とされていることでしょう。
管理費は、エレベーターやホールなど共有部分の電気代、清掃などのために使われます。
この管理費ですが、マンション売却が決まるといつまで払うのか悩みどころです。
マンションの売買契約が成立した日なのか、それとも引き渡し日なのかと悩む方が多いでしょう。
結論を言うと、マンションの管理費の支払い義務は、引き渡し日の前日まで売主にあります。
引き渡し日前日までは売主、引き渡し日からは買主が支払わなければいけません。
つまり、マンションに住んでいる期間だけ管理費の支払いを行う必要があるのです。
これは修繕積立金も同じです。
では、月の途中で引き渡した場合の管理費と修繕積立金の清算はどうなるのでしょうか。
例えば、4月1日に引き渡せば3月分までの管理費は売主負担で、4月分からは買主負担で分かりやすいです。
しかし、4月15日など月の途中で引き渡すと、少しややこしくなりますよね。
この場合は、引き渡し日を基準として日割り計算するのです。
管理費と修繕費の合計が3万円で、4月10日に引き渡したとしましょう。
すると、売主と買主の負担は次の通りになります。
1日当たりの管理費と修繕積立金 | 3万円÷30日=1,000円 |
売主の負担 | 1,000円×9日=9,000円 |
買主の負担 | 1,000円×21日=21,000円 |
このことは買主も理解していない可能性があるので、契約前に日割りになると伝えておきましょう。
そして、マンションの売主として忘れずに行うべきなのが、管理費と修繕積立金がいつまで口座から引き落とされるのかを確認することです。
万が一、口座変更手続きが遅れてしまうと、引き渡し日の次月分まで引き落とされる可能性があります。
マンション売却が決まったら、管理会社に確認をして、必要に応じてまとめて清算しましょう。
固定資産税も同様に日割り
毎年かかる固定資産税もまた、日割り計算で売主と買主で負担します。
起算日ですが、主に1月1日と4月1日の2種類があり、関東では1月1日、関西では4月1日を起算日にするのが一般的。
例えば、1月1日を起算日として、6月16日に所有権移転をするとしましょう。
この場合、売主は1月1日から6月15日までの固定資産税を負担し、買主は6月16日から12月31日までの負担となるのです。
固定資産税の取り扱いはトラブルの元になるので、事前に買主と話し合っておきましょう。
マンションを売っても管理費は返ってこない
多くの方が気になっているのが、マンション売却後に管理費や修繕積立金は返ってくるのかどうか。
管理費は毎月必要となる費用なのでともかく、修繕積立金は大規模修繕に備えた貯蓄のようなもの。
まだ使われておらず貯蓄されたままの修繕積立金は、返ってくると考える人が多いです。
ただ、マンションを売却するからと、これまで支払った管理費と修繕積立金は返還されません。
その理由は、修繕積立金はマンションの住民全員の共有財産だからです。
管理費や修繕積立金は、マンションの資産価値維持や健全な運営のために必要なお金。
今後の運営のために不可欠なお金を、出ていく住民がいるたびに個別清算すると、安定した運営を行なえません。
このような理由で、一度支払った修繕積立金や管理費は戻ってこないのです。
修繕積立金などが返ってこないことは、マンションの管理規約にも記載されています。
支払い済みの管理費や修繕積立金は次の所有者に引き継がれる
支払い済みの管理費や修繕積立金の所有権は、次の所有者に移ります。
ただ、所有者に引き継がれるといっても、個人的に使用されることはありません。
あくまでも、マンションの修繕や管理のために使用されるのです。
もしかすると、損した気分になって売却価格に、これまでの管理費や積立金を含めようと考える方もいるかもしれません。
しかし、そうした場合は資産価値以上の売却価格になるため、売却できない可能性が高まります。
そのため、あまりおすすめできる方法ではありません。
マンションは持っているだけでもこれだけかかる!
管理費・修繕積立金にかかる金額
マンションの売却を考えている方は、早めに動きだすべきです。
というのも、マンションは持っているだけで大きな費用がかかります。
具体的には、毎年の固定資産税から管理費用、修繕積立金など。
あなたは毎月にかかる修繕積立金と管理費用をご存知でしょうか。
実は、管理費や修繕積立金が購入時のままというケースは少ないです。
一般的に、修繕積立金は築年数が古くなるたびに、上昇する傾向にあります。
東日本不動産流通機構が実施した「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2017年度)」の調査結果を紹介しましょう。
参考資料:首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2017年度)
【首都圏合計】
月額管理費+修繕積立金:22,099円
【都県別の管理費と修繕積立金の合計】
スポンサードリンク東京都 | 22,532円 |
埼玉県 | 20,359円 |
千葉県 | 21,572円 |
神奈川県 | 22,271円 |
【築年数別の管理費と修繕積立金の合計】
築10年以内 | 23,138円(修繕積立金8,661円) |
築11~20年 | 23,763円(11,028円) |
築21~30年 | 22,362円(10,337円) |
築30年超え | 19,511円(10,351円) |
築年数が上がるほど、修繕積立金が高くなる傾向にありますが、管理費は新築物件の方が高くなります。
だから、築年数20年越えマンションよりも、20年未満のマンションの方が管理費と修繕積立金の合計額が高いのです。
管理費はあまり上がりませんが、修繕積立金は長く住んでいると値上がりを経験することになるでしょう。
基本的に、築年数5年刻みで修繕積立金額の見直しが行われます。
そして、値上がりする可能性が高いのは、築10~15年目です。
マンションの大規模修繕は10年から15年ごとに実施されます。
初回の大規模修繕を終えた後に、修繕積立金を見直しして、値上がりするパターンが多いのです。
実際、大規模修繕前にマンション売却をして、高額の修繕積立金を避ける人は多くいます。
マンションの売却は早くても3ヶ月はかかり、引き渡しまで含むと半年もしくは1年はかかると考えておくべきでしょう。
月に2万円の管理費と修繕積立金でも、1年だと24万円もかかるのです。
高額売却を狙うと同時に、管理費や修繕積立金などのコスト削減にも取り組むのが、賢い進め方と言えます。
マンションの管理費を滞納したまま売却したら
どうなる?
マンションの管理費や修繕積立金は、売主から買主へ継承されるということでした。
では、売主が管理費と修繕積立金を滞納している場合、その支払いは買主へ継承されるということでしょうか?
区分所有法という法律では、滞納分の債務は次の買主に継承されると明示されています。
ただし、だからと言って滞納したまま売却するのはトラブルの原因になるので、絶対に避けましょう。
たとえ3ヶ月分の滞納だとしても、月2万円×3ヵ月で6万円と高額請求となります。
買主も物件購入から各種税金の支払いで、予算を圧迫するので大きなトラブルに発展するかもしれません。
もし滞納分も支払えないのなら、売却で得たお金で支払うようにしましょう。
理想としては、不動産会社による査定が行われる前に、滞納分を支払うことです。
というのも、管理費などの滞納は査定においてマイナスポイントとなります。
修繕積立金はきちんと運営される必要があり、それがされていなければ査定額が下がってしまうのです。
マンションを売る時に戻ってくるお金まとめ
マンションを売る時は、支出ばかりが注目されがちです。
しかし、知っておけば戻ってくるお金もたくさんあります。
ここからは、マンションを売る時に戻ってくるお金「5種類」を解説します。
忘れることなく申請して、お得にマンション売却をしましょう。
1.固定資産税
固定資産税と都市計画税は、1年分の納税通知書が送られてきます。
そのため、売却時点で固定資産税を支払っていたのなら、買主と話し合って日割りをしなければいけません。
イメージとしては、払いすぎた分を戻してもらう感じです。
ただ、固定資産税と都市計画税の清算は、売買契約時に不動産会社主導で行なわれるケースがほとんどなので、自ら進める必要はないでしょう。
固定資産税の清算前に知っておくべきことが、起算日によって受取金額が異なるということです。
固定資産税の起算日は、1月1日と4月1日の2種類がありましたね。
実は、起算日は4月1日にした方が多くのお金が戻ってくるのです。
例えば、10月1日に所有権の移転をするとしましょう。
起算日が1月1日なら約9ヶ月分の固定資産税を支払うことになります。
対して、4月1日なら約6ヶ月分だけの支払いで済むため、返ってくるお金が増えるのです。
起算日を4月1日にするのは関西が主流ですが、その他の地域でも相談することで起算日を4月1日にしてくれます。
2.管理費や修繕積立金
管理費や修繕積立金を月払いではなく、年払いにしているのなら、忘れずに過払い分の請求をしましょう。
年払いとは言わなくとも、前月に翌月分を支払ったり、数ヶ月分をまとめて支払ったりするのは一般的。
そのようなケースの時は、引き渡し日を起算日として、日割り精算してもらうことを不動産会社に伝えましょう。
不動産会社は管理費などまで把握しないため、伝えないでおくと、過払い分が返ってこないこともあります。
3.銀行保証料
不動産購入をする際に、住宅ローンを組むと金融機関によっては、「銀行保証料」を支払わなければいけません。
住宅ローンの諸費用の中でも、銀行保証料は高い割合を占め、数十万円から数百万円の保証料を支払っているはずです。
マンションを売却した時、銀行保証料が戻ってくる可能性があります。
例えば、保証料を一括前払いしていて、住宅ローンを一括返済すると、保証料の一部が返金されるのです。
返金額は金融機関によって異なりますが、抵当権を抹消する際に返金手続きもしてもらえます。
注意点としては、銀行保証料を受け取るためには、手数料の支払いがあるということ。
基本的に手数料は10,800円となっており、戻り保証料額が手数料より低い場合は、銀行保証料は戻ってきません。
4.火災保険料・地震保険料
マンションを購入すると、火災保険と地震保険に加入することになります。
加入事実を忘れているかもしれませんが、大多数の方が入っているはずなので、ぜひ一度確認してみてください。
というのも、マンションを売却すると、火災保険と地震保険の保険料の一部が返ってくる可能性があるからです。
保険料が返ってくる可能性があるのは、以下のいずれかに該当するときです。
- 長期契約をしている
- 売却時に残存期間がある
火災保険と地震保険は2~10年の長期契約をするのが一般的。
長期契約は単年契約するよりも保険料が割安になります。
例えば、1年間の保険料が5万円だとしても、10年間の長期契約をすると50万円ではなく45万円になるのです。
そして、売却時に保険期間が残っているのなら、残存期間分の保険料が戻ってきます。
先ほどの例でみると、10年期間中の8年目で解約すると、残り2年分の保険料が返ってくるのです。
金融機関はあなたが売却することを知るので、特に手続きをしなくとも銀行保証料は返還されます。
しかし、保険会社はあなたが連絡をしない限り、マンションン売却の事実を知りません。
そのため、マンション売却をしたら忘れずに保険会社に連絡しましょう。
契約時に受け取った保険証書を見れば、契約内容の詳細が分かります。
保険証書を確認して、返金してもらえそうなら、保険会社に連絡して解約手続きする必要があります。
連絡が遅れた分だけ、戻ってくるお金が減るので、迅速に連絡するのがおすすめです。
5.税金
マンションを売却して、成約価格がマンション購入費用を下回ると、住民税と所得税が軽減されます。
この制度を「譲渡損失の繰り越し控除」と言います。
控除できなかった分は翌年以降に繰り越され、最長で4年間にわたって税金控除を受けられるのです。
例えば、所得が500万円の世帯が、マンションを売ったことで1,500万円の損失が出たとしましょう。
すると、売却した翌年を含め3年間は所得税がゼロになるのです。
1,200万円の損失が出た場合は、2年間所得税がゼロになり、3年目は所得税から200万円差し引くことが可能。
譲渡損失は住宅ローン控除との併用も可能であり、非常に大きな控除制度です。
使用要件は様々ありますが、所有期間5年越えのマンションを他人に売却すると、適用されます。
譲渡損失の繰り越し控除を適用されるためには、控除を受ける年の確定申告は必須です。
マンション売却で損した分だけ税金で戻ってくるので、忘れずに確定申告を行いましょう。
【番外編】マンションを売ったら駐車場・駐輪場の
滞納分はどうなる?
マンション売却でトラブルになりやすいのが駐車場や駐輪場の滞納です。
基本的に駐車場や駐輪場を滞納すると、強制解約となり使えなくなります。
強制解約期間が実施されるまでの期間は、マンションによって異なりますが、一般的に2~3ヶ月で強制解約となるでしょう。
ただ、強制解約になっても滞納分はなくなりません。
成約価格で捻出しようと考える方もいるでしょうが、多くの場合は債権者がそれを許さないのです。
つまり、駐車場や駐輪場の滞納分は売却資金とは別に、自己負担で用意する必要があります。
また、売却前に確認しておくべき点が、駐車場を引き継げるかどうかです。
現在、多くの方が車を所有していますが、マンションの駐車場数には限りがあります。
マンションの駐車場は確実に手に入るとは限りません。
車が必須な地方では、駐車場の引継ぎ可能だと売却価格アップにつながる可能性があるのです。
まとめ
最後まで読んでくださりありがとうございます!
マンションを売る前に知っておくべき管理費のポイントは、次の通りです。
- 管理費は引き渡し日の前日まで支払う
- 管理費や修繕積立金などは日割り計算する
- まとめ払いをしていない限り、管理費と修繕積立金は戻ってこない
今回解説したことを抑えておけば、マンション売却時の管理費や修繕積立金の扱いで混乱することはありません。
戻ってくるお金も忘れずに申請して、賢くマンション売却をしましょう。
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