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「注文住宅は売れないって聞いたけど本当?」「注文住宅を高く売るにはどうすればいい?」など、注文住宅の売却について疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。
売り方や売却の流れ、注意点などについて知っておけば、通常よりもスピーディーかつ高く売ることができ、売却できない心配を軽減することが可能です。
そこで今回は、売れる家・売れない家の違いや高く売るための攻略法、売却ステップや注意点などについて紹介しています。
この記事をご覧いただくことで、注文住宅の売却に関する不安・心配を軽減でき、安心して売買できるようになりますので参考にしてください。
もくじ
「注文住宅は売れない」は本当か
「注文住宅は建売住宅より買い手が見つかりづらい」など聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
なぜ、注文住宅だと売れないと言われるのか、その理由について見ていきましょう。
注文住宅と建売(分譲)住宅の特徴
建売住宅は、土地と建物がセットで販売されている住宅です。
ハウスメーカーなどの不動産会社が土地をまとめて購入し、住宅を何棟も建て販売します。
ニュータウンと呼ばれるような大規模な開発のケースもあり、比較的便利な場所に割安な価格で住めるのが魅力です。
また、ハウスメーカー等の業者がリサーチをおこなって人気の高い間取りやデザイン、設備等を取り入れています。
●建売住宅の主な特徴
・土地をまとめて購入しているので立地の良い場所に安く住める
・材料や設備を大量仕入れしているためコストが割安
・比較的人気の高い間取りやデザインを採用
・設計・デザインなど要望を反映しづらい
注文住宅は、設計、デザイン、設備など、建主の意向を隅々まで反映できる住宅です。
設計士と打ち合わせをしながら、ゼロから家づくりを進めていきます。
そのため、「部屋の広さは7帖以上」「内装をカフェのようにしたい」「リビングに床暖房、洗面所にダブルシンクを採用したい」など、予算の許す範囲内で、家族の要望を取り入れることが可能です。
デザイン性の高い家や他にはない個性的な家づくりもできます。
また、既に完成している家を買う建売住宅とは違い、注文住宅はゼロからつくるため工事内容もチェックできます。
建主のこだわりを随所に反映できるのが魅力です。
●注文住宅の主な特徴
・好きな設計・デザインの家に住める
・土地購入場所を自分で選べる
・設計業者や施工業者を選べる
・工事内容をチェックできる
・価格が高くなる可能性
上記以外にもたくさんの特徴があります。
注文住宅はいくらで売れる?
ここでは、実際に中古市場で販売されている注文住宅情報を見ていきましょう。
地域・広さ・築年数・価格など、多くの物件情報を知ることで、注文住宅の中古市場での相場を把握することが可能です。
●東京都世田谷区
価格:6,130万円
築年数:2年
間取り:1LDK+S(納戸)
建物面積:68.31㎡
土地面積:81.47㎡
全館空調&換気システム、床下基礎部分断熱材、リビングに吹き抜け、駐車スペース2台
●東京都板橋区
価格:6,480万円
築年数:10年
間取り:5LDK
建物面積:189.65㎡
土地面積:112.37㎡
ホームエレベーター、各階キッチン付き三世帯住宅
●東京都町田市
価格:4,490万円
築年数:1年
間取り:3LDK
建物面積:81.94㎡
土地建物:163.08㎡
駐車スペース3台分、シューズインクローゼット、LDK15畳以上、パントリー
●東京都武蔵村山市
価格:3,780万円
築年数:2年
間取り:3LDK
建物面積:87.97㎡
土地面積:130.00㎡
屋上バルコニー、シューズインクローゼット
●東京都清瀬市
価格:3,980万円
築年数:6年
間取り:4LDK
建物面積:109.65㎡
土地面積:123.55㎡
駐車スペース2台分、タンクレストイレ、人感センサー照明
●東京都八王子市
価格:3,990万円
築年数:2年
間取り:3K
建物面積:87.98㎡
土地面積:79.65㎡
●東京都小平市
価格:4,800万円
築年数:1年
間取り:3LDK
建物面積:109.71㎡
土地面積:102.05㎡
ここで紹介したような築浅の注文住宅も含め、非常に多くの物件が売買されています。
注文住宅が売れない理由3つ
注文住宅が建売住宅よりも売れないと言われる3つの理由は以下のとおりです。
売買価格が高い
注文住宅が売れない理由の1つが、売買価格が高いことが多い点です。
注文住宅は設計料負担や材料コストが高いことで、購入価格が建売住宅よりも高い傾向があります。
住宅金融支援機構の「2017年度フラット35利用者調査」においても、土地付注文住宅の全国平均所要資金は4,039万円なのに対し、建売住宅は3,337万円です。
購入価格が高い分、売るときの金額も高くなることが、売れない理由の1つとされています。
デザイン重視で住みにくい
デザインのこだわりを強く反映した家は、居住性が損なわれて住みにくいことも少なくありません。
デザイン性を重視しすぎている物件は、住みやすさ・快適さが犠牲になっていることもあるため、買い手が見つかりにくい場合があります。
また、デザイン性を重視したつくりにしていると、メンテナンス費用など維持費も高くつくことが多いです。
建主に都合の良い設計
注文住宅は建主の家族構成やライフスタイルなどに合わせて設計・デザインされています。
そのため建主家族にとっては魅力的な物件ですが、家族構成やライフスタイルが合わない人からするとニーズにそぐわない物件になります。
建主に都合の良い設計になっていることが、売れない理由の1つです。
すべての注文住宅が該当するわけではありませんが、このような理由から建売住宅よりも売れにくいとされています。
近年増加する空き家・・不動産市場の現況
※空家数・空家率の推移データ、一戸建て売買件数の推移データを示して現在の不動産市場における戸建て売買の状況について説明。
売れるまで1年以上かかることも?住宅売却までの期間
※住宅売却までにかかる日数データ(注文住宅に限ったものがあればそのデータも含)を示して説明。売れない住宅が最終的にどうなるかについても説明。
売れる家・売れない家はこんな家
どのような家であれば買い手が見つかりやすいのか、また、どんな家だと売れないのか。
売れる家・売れない家の特徴を知っておくことで、注文住宅を建てる際や家を購入する際の参考になります。
買い手が見つかりやすい家であれば、将来売却する場合にスピーディーかつ、高く売れる可能性があります。
ここでは、売れる家・売れない家の主な特徴について確認していきましょう。
売れる家
まずは、どのような家が売れるのか、主な4つの特徴について見ていきましょう。
立地・周辺環境がいい家
立地や周辺環境が魅力的な家は、売りやすいです。
・駅やバス停に近い
・スーパーや商業施設が近い
・小学校や中学校が近く通学時間が短い
・ファミリー層に人気のエリア
・再開発エリアが近い
など、一般的に良いとされる立地・周辺環境の家であれば、需要が多いためすぐに売れる可能性があります。
築浅の家
築年数5年以内など、築浅の注文住宅は人気が高いです。
築浅物件であれば、最新に近い設備が採用されていますし、汚れや傷が少なく家の状態も良いです。
築1年〜2年の限りなく新築に近いような物件が、新築時よりも1割〜2割程度安く売られています。
「新築が欲しいけど高い。でも、築年数が古い中古住宅は嫌だ」という人は非常に多いですので、築浅の家は売れやすいです。
日当たりがいい家
日当たりや風通しがいい家は売れやすいです。
日当たりや風通しがいいと、毎日の生活が快適になるだけでなく湿気が溜まりにくくなり、家の性能を維持しやすくなります。
気持ちの良い毎日を送るために、非常に重要なポイントです。
立地や間取りが魅力的だとしても、日当たりや風通しが悪い家を敬遠する人は少なくありません。
一般的な間取り・デザインの家
個性が強すぎない一般的な間取り・デザインの家は売れやすいです。
なぜなら、クセが強すぎず大衆受けする平均的な間取りやデザインは、多くの人から支持されるためです。
クセがあり個性的な間取り・デザインの家よりもスピーディーかつ高く売れる可能性があります。
売れない家
一方、売れない家とは、次のような特徴がある家です。
利便性が悪い家
最寄り駅まで遠い、スーパーやコンビニが近くにないなど、生活利便性や交通利便性が悪い家は、なかなか売れません。
家を買う人は物件の内容だけを購入しているのではなく、その家で送れる生活を買っているためです。
利便性が悪い場所だと、通勤・通学も大変ですし、食材の買い物や子どもとの遊び、病院へ行く場合など、さまざまなシチュエーションで困ってしまいます。
利便性が悪い家は、買い手が見つかりにくいため売却の際に大変なことが多いです。
周辺の治安が悪い家
周辺の治安状況が悪い家も、買い手が見つかりにくいです。
これから家族で何十年と暮らすマイホームを、わざわざ治安の悪い場所に構えたいと考える人は少ないためです。
特に小さい子どもがいるようなファミリー層は、治安の悪い場所を避けて家探しをおこないます。
そのため、治安の悪い場所にある家はどうしても売れづらくなります。
状態が悪い家
管理状態が悪い家は、なかなか売れません。
通常、家の性能を維持し、長く安心・安全に暮らすためにメンテナンスや補修を定期的におこなうものです。
しかし、室内外のメンテナンス・補修が十分におこなわれていない家は、屋根や外壁、基礎、フローリング、壁紙、設備など、さまざまな部分が傷んでいます。
状態が悪い家を買うと、家の性能自体も低下しているうえに、多額のメンテナンス・補修費用がかかってしまうため、多くの人は敬遠します。
日当たり・風通しが悪い家
日当たり・風通しが悪い家だと、快適な生活を送ることができません。湿気が溜まりやすくなるため、カビも発生してしまいます。
また、通気性が確保できず、建物の老朽化を早める原因にもなります。
多くの人にとって、日当たりや風通しは家を選ぶ際の重要ポイントの1つです。そのため、これらの条件が悪い家はなかなか売れません。
間取りやデザインが個性的な家
間取りやデザインがシンプルだと売れやすいですが、個性的な場合は買い手が見つかりにくいです。
建主にとっては魅力的な場合でも、他の人は家族構成やライフスタイル、ニーズが違うため、魅力が伝わりません。
注文住宅だからといって、個性的な間取りやデザインにしてしまうと、売るときに苦労します。
注文住宅を高く売るための攻略法
注文住宅を通常よりも高く売りたいのであれば、工夫や努力も必要になってきます。
ここでは、高く売るための主な攻略法について紹介していますので、売却の際の参考にしてください。
注文住宅のセールスポイントをアピール
注文住宅を高く売りたいのであれば、物件のセールスポイントをターゲット層に認知してもらう必要があります。
WEBサイトやチラシの物件情報、営業担当者のセールストーク、内覧時の売主の対応、持ち帰る資料など、しっかりと物件のセールスポイントを訴求する内容に統一しましょう。
「物件を見ればわかるだろう」など安易な考えではなく、購入検討者にセールスポイントを理解してもらうよう情報発信し続けることが大事です。
そうでないと、魅力が伝わらず、多くの物件の中に埋もれてしまいます。
セールスポイントはしつこいくらい露出し、訴求することが重要です。
スポンサードリンク実際の生活風景を買い手にイメージさせる
注文住宅を高く売りたいのであれば、内覧の際に実際の生活風景をイメージさせることが大切です。
そのため、家具やインテリアを設置してモデルルームのような魅力的な空間をつくるようにしましょう。
その際、不要品があったり、汚れが目立つとマイナスでしかありませんので、事前に不要品の片付けやハウスクリーニングを実施しておくと良いです。
また、既に住み替えをしていて家具等がない場合は、ホームステージングの利用を検討してもいいでしょう。
ホームステージングとは、家を早く・高く売れるように、プロがインテリアのトータルコーディネートをしてくれるサービスのことです。
物件のターゲット層のニーズをマーケティングしたうえでコーディネートしてくれるため、効果的な空間づくりができます。
多少のコストはかかりますが、かけたコスト以上に高く売れれば何の問題もありません。
売却スケジュールに余裕を持つ
注文住宅を高く売りたいのであれば、余裕のある売却スケジュールにすることが重要です。
「あと1ヶ月で売らないといけない」と、売却期間が短い場合は購入検討者も少ないため、値引きをしてでも早く売ることを優先してしまいます。
しかし、「1年以内に売れれば良い」など売却スケジュールに余裕がある場合は、購入検討者は多くなりますし、早く売ることを優先しなくていいため安易な値引きをする必要がありません。
売却する事情や資金状況によっては十分な売却期間を設けることは難しいですが、できる限り余裕が持てるようにしましょう。
複数の不動産会社に査定をしてもらう
査定をする際は、複数業者に依頼をしましょう。
なぜなら、不動産会社ごとで査定基準や販売ノウハウが異なり、査定金額に差があるためです。
「有名な業者だから」「知人の紹介だから」などの理由で最初から1社に絞るのはもったいありません。
どの業者に依頼するかで、売却の満足度が大きく変わりますので、業者選びは慎重におこなった方がいいです。
一括査定サイトを活用すれば、手間をかけずに複数業者に査定依頼ができます。
査定金額が高い業者の中から、依頼先を決めれば通常よりも高く売れる可能性があります。
査定金額がすべてではありませんが、業者選びをする際に重要な比較ポイントでもあります。
複数業者への査定はコスト0でできるため、必ず実施した方がいいでしょう。
不動産会社の上手な選び方
注文住宅を少しでも高く売りたいのであれば、自分たちに合った良い不動産会社を選ぶことが大切です。
どの不動産会社に依頼できるかで、売却金額や売却までの期間が変わってきます。
しかし、仲介業者はたくさんあり、インターネットで探せば何十社と出てくるため、どの業者を選んでいいのかわからないものです。
そのため、良い不動産会社に依頼するためにも、業者選びをする際は以下に紹介するポイントに気をつけてください。
実績のある業者を選ぶ
不動産会社によって販売実績が異なります。
実績が豊富な業者は、たくさんの人が依頼をしているため安心感がありますし、ノウハウが蓄積され強力な販売ネットワークを持っていることも多いです。
逆に、実績が乏しい業者は、依頼件数自体も少ない可能性がありますし、ノウハウや販売ネットワークが弱いことが考えられます。
実績は業者のアピールポイントでもあるため、ホームページに掲載していることが多いです。
実績がほとんど載っていない場合は、他の業者を探した方がいいでしょう。
親身に相談に乗り対応が良い担当者かどうか
担当者は業者の窓口であり、依頼主からすれば代表者でもあります。
その担当者の対応も業者選びをする際の重要なポイントです。
親身に相談に乗ってくれない、意見を押し付けてくる、連絡が遅い、マナーが悪いなど担当者の対応が悪い場合、その業者は選ばない方が無難です。
「担当者の対応が悪いのに良い不動産会社」ということはほとんどないからです。
親身に相談に乗ってくれる、こちらの意見・要望を取り入れてくれる、連絡も早いなど、熱心に対応してくれる担当者がいる業者を選ぶようにしましょう。
物件のあるエリアに強い業者を選ぶ
どれだけ知名度・実績のある仲介業者でも、すべてのエリアに強いわけではありません。
そのため、物件のあるエリアの仲介に強い業者を選ぶようにしましょう。
「知名度が高い業者だから大丈夫だろう」と安心していると痛い目遭う場合があります。
エリアによって特性が異なり、効果的な販売手法も違うため、該当エリアを熟知している業者を選ぶことが大事です。
賃貸ではなく仲介を得意とする業者を選ぶ
賃貸を得意とする不動産会社もあれば、仲介に強みを持つ業者もあります。
賃貸を得意とする不動産会社に依頼をしても、ノウハウが少なく優先順位も低いため、売却が長期化する可能性があります。
売却する場合は、仲介を得意とする業者に依頼するようにしましょう。
仲介を得意としている、または仲介に特化している場合は、業者のホームページに仲介情報がメインで載っていることが多いです。
賃貸情報がメインで載っている業者は避けた方がいいでしょう。
高く評価してくれる業者を選ぶ
不動産会社を選ぶ際は、複数業者で査定をおこない、高く評価してくれる業者の中から選ぶようにしましょう。
査定金額が高いということは、それだけ高く売る自信があるということの裏返しでもあります。
一括査定サイトを活用するなどすれば、スピーディーに複数業者に査定を依頼をすることが可能です。
契約の種類
依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結ぶ必要があります。
以下のように、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約と3つの種類があり、それぞれで契約内容が異なります。
これらの違いを理解し、事前にどの媒介契約にするのか決めておきましょう。
・一般媒介契約:複数業者契約ができ、自分で見つけた買主とも契約可能。
・専任媒介契約:1社のみと契約ができ、自分で見つけた買主とも契約可能。
・専属専任媒介契約:1社のみと契約ができ、自分で見つけた買主と契約不可。
一般媒介契約は複数業者で販売ができますが、専任媒介契約や専属専任媒介契約の方が、業者が熱心に販売活動をしてくれると言われています。
なぜなら、業者は売却しないと報酬(仲介手数料)を得ることができないため、競合が多く自社で売れるかわからない一般媒介契約では、かけた営業コスト分だけ損をする可能性があるためです。
専任媒介契約や専属専任媒介契約では競合がいなくて報酬を得られる可能性が高いため、しっかりと営業コストをかけ販売活動ができます。
また、媒介契約の際に必要なものはあらかじめ準備しておきましょう。
注文住宅を売却するまでの8ステップ
注文住宅の売却の流れを把握しておかないと、効率的なスケジュールが立てられなくなり、スピーディーに動くことができません。
ここでは、売却までのステップ以下8つについて紹介していますので、一つひとつ見ていきましょう。
1.周辺エリアの相場を調べる
2.複数業者に査定を依頼する
3.依頼する業者を決め媒介契約を結ぶ
4.売却条件を決める
5.販売活動開始
6.売買契約を結ぶ
7.引き渡し
8.確定申告をする
それでは、1つ目のステップから紹介していきます。
1.周辺エリアの相場を調べる
注文住宅を売却するのであれば、周辺で同じような物件がいくらくらいで売却されているのか調べるようにしましょう。
相場を知っておかないと、業者が提案する金額が安いのか高いのか判断することができません。
また、売却するのであれば、住宅ローン利用者は完済しなければいけませんし、次の住まいの住居費なども必要です。
相場がわかっていないと、今後の資金計画を立てることが難しくなります。
不動産ポータルサイトや中古住宅専用サイトを利用すれば、ある程度の相場を把握することが可能です。
もし、売却代金で住宅ローンを完済できそうにない場合は、他の資産を充てる準備や借り換えローン等を検討する必要がありますので、できるだけ早く相場を把握し、資金計画を立てるようにしてください。
2.複数業者に査定を依頼する
前述のとおり、複数業者への査定は通常よりも高く売るために有効な方法です。
また、業者選びの際の比較ポイントにもなります。
査定金額の提示までに時間がかかるケースもあるため、早めに依頼するようにしましょう。
3.依頼する業者を決め媒介契約を結ぶ
査定金額や担当者の対応、これまでの販売実績などをもとに依頼業者を決めた後は、媒介契約を結びます。
不動産会社と締結する媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類がありますので、自分たちにあった契約方法を選ぶようにしましょう。
4.売却条件を決める
販売活動を始める前に、金額など売却条件を決定します。
希望の売却金額や期間などを考えておきましょう。
5.販売活動開始
いよいよ販売を開始します。
販売活動にあたり、内覧が必要になりますので準備をしておきましょう。
WEBサイトや雑誌、チラシだけの情報だけで売れることはなく、内覧時の印象が売れ行きを左右します。
そのため、室内のハウスクリーニングや生活がイメージしやすいような空間づくりをしておきましょう。
多少のコストはかかりますが、清掃が行き届いていないうえに生活イメージが持ちづらい殺風景な室内では、購入検討者に良い印象を与えることは難しいです。
チャンスを掴めずに売れ残ってしまいます。
すぐに内覧希望者が見つかる可能性もあるため、ハウスクリーニング等は早い段階で実施しておきましょう。
6.売買契約を結ぶ
購入希望者の意思が固まった場合は、売買契約書を締結します。
一般的に、売買契約の際に買主から手付金を受け取ります。
手付金は売買金額の10%程度が相場です。
受け取った手付金は後に売買代金に充てられます。
また、仮に売買契約後に買主都合で契約解除をした場合は、手付金は放棄となります。
一方、売主側の都合で契約解除をした場合は、手付金の2倍の金額を支払わなければなりません。
そして業者には仲介手数料を支払います。
売買契約後は、引き渡しまでの間に立ち会い確認をおこないます。
7.引き渡し
通常、売買契約を結んで、およそ1ヶ月後に引き渡しをおこないます。
そして、残代金も受け取ります。引き渡しが完了したら、引き渡し完了証に両者が署名・捺印し、鍵を渡します。
また、抵当権抹消や固定資産税等の精算、仲介手数料残金の支払いなどをおこないます。
引き渡し前までに引っ越しも済ませておく必要があるため、段取りしておきましょう。
8.確定申告をする
家を売却した翌年の2月〜3月に確定申告をします。
売却して利益が出た場合は譲渡所得に対して所得税と住民税が課せられますし、損失が出た場合は損益通算によって大きな節税効果が期待できます。
注文住宅を売却する際の注意点7つ
注文住宅を売却するにあたり、知っておきたい注意点もあります。
これらの注意点を知らずに進めてしまうと、資金計画が崩れたり、思うように売却できないなど、あとで後悔する可能性があります。
ここでは、以下7つの注意点について紹介していますので、参考にしてください。
1.パートナー選びは慎重におこなう
2.売却には費用・税金がかかる
3.すぐに売れるとは限らない
4.住宅ローン残債を確認する
5.確定申告を忘れない
6.売れない場合は買取も検討する
7.売主は瑕疵担保責任を負う
それでは、1つ目の注意点から見ていきましょう。
1.パートナー選びは慎重におこなう
注文住宅を売却する場合は、パートナー選びを慎重におこなうようにしてください。
なぜなら、どんな不動産会社に依頼するかで、売買金額やスピード、満足度が変わってくるためです。
査定金額や担当者の対応、販売活動、実績などをポイントに複数業者を比較したうえで慎重に決めるようにしてください。
安易に決めてしまうと後悔する可能性がありますので、ある程度時間をかけて妥協せずに業者選びをすることが大事です。
2.売却には費用・税金がかかる
注文住宅を売る場合、費用や税金がかかります。
入ってくるお金のことだけを考えていると資金計画が崩れてしまいますので、費用や税金についても把握しておきましょう。
以下は売却する際にかかる費用・税金の内容です。
仲介手数料
家を売却する場合は、仲介する不動産会社に対して仲介手数料がかかります。
仲介手数料は、上限が決まっているだけなので、業者ごとで金額が異なります。
売買金額が400万円超の場合は「売買金額×3%+6万円+消費税」で上限を算出することが可能です。
仮に売買金額が1,000万円の場合は38万8,000円、2,000万円だと71万2,800円、3,000万円だと103万6,800円となります。
業者選ぶをする際は仲介手数料の金額も確認しておきましょう。
印紙税
売買契約を結ぶ際に、印紙税がかかります。
印紙税は、以下のように売買金額に応じて税額が変わります。
・100万円超500万円以下:1,000円
・500万円超1,000万円以下:5,000円
・1,000万円超5,000万円以下:1万円
・5,000万円超1億円以下:3万円
・1億円超5億円以下:6万円
繰上返済手数料
注文住宅を売却する場合、住宅ローン残債の一括返済が求められます。
繰上返済手数料は金融機関によって異なり無料のケースもありますが、5,000円程度は考えておいた方がいいでしょう。
また、固定金利を利用していると違約金が発生することがありますので、事前に確認をしてください。
抵当権抹消登記費用
抵当権を抹消するための費用もかかります。
登録免許税や司法書士への報酬が必要で、およそ2万円〜3万円です。
また、所有権移転登記については買主が負担します。
譲渡所得税
注文住宅を売って利益が出た場合は、税金がかかります。
譲渡所得3,000万円まで特別控除があるため、3,000万円以上の場合に課税されます。
以下のように売却する家の所有期間によって税率が変わってきます。
●短期譲渡所得(所有期間5年以下)
・所得税(復興所得税含む):30.63%
・住民税:9%
・合計:39.63%
●長期譲渡所得(所有期間5年超)
・所得税(復興所得税含む):15.315%
・住民税:5%
・合計:20.315%
その他費用
注文住宅を売る際は、上記費用・税金だけではありません。
ハウスクリーニング費用や引っ越し費用、仮住まい費用など、さまざまな費用がかかります。
事前に、費用・税金把握し、シミュレーションをしておきましょう。
3.すぐに売れるとは限らない
注文住宅を売却する場合の注意点の1つが、すぐに売れない可能性があることです。
すぐに売れること前提で資金計画等を考えがちですが、1年以上売れないことも決して珍しくはありません。
すぐ売れること前提で資金計画を立てていると、売れない場合に家計が圧迫されてしまいます。
販売中も維持費はかかりますし、長期にわたり売れない可能性もあることを理解したうえで売却を進めるようにしましょう。
4.住宅ローン残債を確認する
注文住宅を売却する場合は、事前に住宅ローン残債を確認しておきましょう。
なぜなら、家を売却する場合は金融機関から住宅ローンの一括返済を求められるためです。
そのため、売却代金の相場が2,000万円で住宅ローン残債が2,500万円ある場合は、差額の500万円を他の資産から用意しなければなりません。
もし、他の資産から捻出が難しい場合は、借り換え(住み替え)ローンを借りて住宅ローンを完済する方法もあります。
ただし、借り換えローンは取り扱う金融機関もそこまで多くありませんし、住宅ローンより金利は高めです。
審査もあるため、必ずしも利用できるわけではありません。
もし、借り換えローンを検討する場合は、早めに金融機関に相談をするようにしましょう。
まずは、住宅ローンの残債を確認し、売却代金で完済できるかどうか、完済できない場合はどうやって完済するかを考えましょう。
5.確定申告を忘れない
注文住宅を売却できたからといって終わりではありません。
売却した翌年に確定申告をすることを忘れないようにしましょう。
売却して利益が出た場合は譲渡所得に対して所得税や住民税が課せられますし、損失が出た場合は損益通算により節税ができます。
確定申告時期は2月〜3月ですので、初めての人はなるべく早いタイミングで準備を始めましょう。
6.売れない場合は買取も検討する
前述のとおり、注文住宅を売りに出しても、すぐに買い手が見つかるとは限りません。
少しでも早く現金化したい場合は、買取も検討してみるといいでしょう。
買取は、業者が注文住宅を買い取ってくれるため、スピーディーに売却ができます。
仲介に比べると売却金額は2割〜3割、場合によってはそれ以上安くはなりますが、長期化しないのがメリットです。
仲介で売れない場合や早く売りたい場合は、業者買取も考えてみると選択肢が広がります。
7.売主は瑕疵担保責任を負う
注文住宅を売却する場合は、売主は瑕疵担保責任を負います。
そのため、売却後の家に万が一欠陥が見つかった場合は、物件の補修や損害賠償に応じるなどしなければなりません。
また、欠陥状況によっては契約解除を求められる場合もあります。
瑕疵担保責任を負う期間は、一般的に2ヶ月〜3ヶ月程度に定めるケースが多いですが、このような責任を負うことも把握しておきましょう。
瑕疵担保責任を問わない契約もありますので、事前に責任内容を確認をしておいてください。
せっかくの注文住宅を手放さないために
多くの時間とお金をかけて建てた注文住宅を、早期に手放さないといけなくなった人たちもたくさんいます。
何らかの事情で、せっかく建てた注文住宅を手放すことになるのはとても悲しいことです。
ここでは、意図しない理由で注文住宅を手放さないでいいように、失敗しない建て方など確認していきましょう。
注文住宅を買ったばかりなのに売るのは何故?
家族の要望を取り入れてこだわった注文住宅を建てたにもかかわらず、残念ながら築1年〜2年で売却しているケースも見られます。
完成後1年〜2年程度で売却するのには、どのような理由があるのでしょうか。
人それぞれで事情は異なりますが、次のような理由が多いようです。
・住宅ローン返済が払えなくなった
・近隣トラブルで住みづらくなった
・治安が悪いので住みたくない
・長期の転勤が決まった など
意外に多いのが住宅ローン返済が難しくなるなど、経済的に維持ができなくなって手放すケースです。
住宅ローン返済額など、そもそも収入に対して支出の割合が大きい場合や、転職や退職、病気やケガで収入減になった場合に維持が難しくなっていることが多いようです。
注文住宅で後悔しているポイント
注文住宅を建てた人が後悔しているポイントを事前に知ることで、失敗リスクを軽減させることが可能です。
後悔ポイントとしてよく挙げられるのは、次の内容です。
・個性的なデザインにしすぎた
・デザイン性を重視しすぎて使い勝手が悪い
・もっと業者選びを慎重にすればよかった
・収納スペースが少なすぎた
・床暖房を設置すればよかった
・予算内に抑える努力をすればよかった
・オプションをもっと減らせばよかった
・部屋数は最低限の数でよかった
・生活動線を意識できていなかった
・コンセントの数が少なすぎた など
上記以外にもたくさんの後悔ポイントがあります。
予算や理想などによって後悔ポイントは人それぞれですが、経験者の失敗・後悔点を活かして、より満足度の高い注文住宅づくりをしましょう。
失敗しない注文住宅の建て方
注文住宅で失敗しないように、ここで紹介することに気をつけて家づくりを進めるようにしてください。
これら8つの点を把握することで失敗するリスクを減らすことが可能です。
現実的で堅実な資金計画を立てる
「ちゃんと資金計画を立てておくべきだった」と、資金面で後悔する人は多いものです。
必要以上に予算を大きくしてしまうと、毎月の返済が大変なことになります。
住宅ローン以外にも、将来へ向けたメンテナンス・補修費用、設備交換費用、リフォーム費用、固定資産税などもかかりますので、余裕を持った予算にするようにしましょう。
住宅ローンであれば30年以上返済が続く可能性があるため、現実的で堅実な資金計画を立て、無理なく利用することが大切です。
家族の要望に優先順位をつける
注文住宅を建てるにあたり、家族でどのような家がいいか話し合うものです。
「リビングは15帖以上で床暖房があって、大きなサッシにしたい」「子ども部屋は10帖以上の広さにしたい」「ヨーロッパ風のデザインにしたい」「設備は最新のもので、広さは100㎡以上は最低ほしい」など、他にもさまざまな要望が出てくることでしょう。
しかし、大抵の場合、すべての要望を実現することは予算の都合上難しいものです。
手当たり次第要望を実現しようと考えると、チグハグした家づくりになってしまいますし、統一感もなく使い勝手が悪い可能性があります。
あらかじめ家族の要望に優先順位をつけ、業者と打ち合わせするなかで最終決定をしていきましょう。
そうすることで、まとまりのある家づくりが可能です。
業者選びを妥協しない
「安易に業者を決めてしまった」と後悔する人は多いものです。
注文住宅は数千万円のお金がかかりますし、数十年家族が暮らしていく家になります。
そのため、注文住宅づくりに携わる業者は慎重に決めるべきです。
業者によって建築費用や担当者の対応、要望の実現度、デザイン性、耐震性や耐久性など、さまざまな点が変わってきます。
満足度の高い家づくりをするためにも、業者選びは妥協しないようにしましょう。
打ち合わせで意見や要望はすべて伝える
業者との打ち合わせの際に、遠慮して意見や要望をすべて伝えきれなかったことで家づくりを失敗と感じる人も少なくないようです。
実現できるかどうか、正しいかどうかは別として、打ち合わせの際は意見・要望は遠慮せずに伝えるようにしましょう。
「素人だから。。」と遠慮する必要はありません。
将来の家族構成やライフスタイルを見据える
「部屋が足りなくなった」「もっと広くしておけばよかった」など、家族構成やライフスタイルが変わって、家づくりを後悔するケースも多いです。
あとで後悔しなくていいように、現在のニーズだけでなく、将来の家族構成やライフスタイルの変化も見据えた家づくりをするようにしましょう。
そうすることで、長期にわたり満足度の高い住まいづくりを実現できます。
デザイン性にこだわりすぎない
「せっかく注文住宅を建てるのだから」「夢のマイホームだし」など、一生に一度の買い物なので、強くこだわりたい気持ちはとてもわかります。
しかし、注文住宅だからといって、デザイン性にこだわりすぎると、住みにくい家になりやすいです。
デザイン性を重視しすぎると機能性や居住性が損なわれる可能性があるため注意しましょう。
また、冷暖房効率が落ち光熱費が余計にかかるなどのデメリットが生じることもあります。
住宅ローン選びは慎重におこなう
返済負担が大きくなりすぎて維持することが難しくならないように、住宅ローンも慎重に選ぶようにしましょう。
各金融機関で住宅ローンの金利が異なります。
以下のように、金利がわずか0.1%違うだけで、毎月返済額は約1,500円、総返済額は約60万円も変わるのです。
住宅ローン金利や団体信用生命保険など、少しでも自分たちにメリットが大きいローン商品を選べるように、複数を比較・シミュレーションして利用商品を決めるようにしてください。
●借入金額3,000万円、返済期間35年、元利均等、固定金利の場合の返済額
・金利1.5%:毎月返済額9万1,855円 総返済額3,857万9,007円
・金利1.6%:毎月返済額9万3,331円 総返済額3,919万9,268円
・金利1.7%:毎月返済額9万4,822円 総返済額3,982万5,335円
・金利1.8%:毎月返済額9万6,327円 総返済額4,045万7,296円
・金利1.9%:毎月返済額9万7,846円 総返済額4,109万5,123円
・金利2.0%:毎月返済額9万9,378円 総返済額4,173万8,968円
土地選びも重要
注文住宅で失敗しないためには、家を建てる前段階である土地選びも重要です。
なぜなら、土地選びによって、交通利便性や生活利便性、周辺の治安、将来的な資産価値、災害への強さなどが変わってくるためです。
また、土地の形や広さによって、建てる家の形や広さも変わってきます。
土地に多くの予算を割いてしまうと、建築費用は安く抑えなければなりませんし、土地選びが建物や今後の生活に与える影響は大きいです。
家づくりに失敗しないためにも、慎重に土地選びをするようにしてください。
将来家を売る可能性があるなら注文住宅より建売住宅?
一般的に、注文住宅と建売住宅であれば、建売住宅の方が売りやすいと言われています。
なぜなら、注文住宅は建主の要望を反映した設計・デザインになっているのに対し、建売住宅は大衆向けのつくりだからです。
建主の家族構成やライフスタイルが同じ人であれば注文住宅が良く感じるかもしれませんが、そうでない場合は住みにくい設計・デザインに感じてしまいます。
建売住宅の場合は、ハウスメーカー等が市場調査をして人気の高い間取りやデザインを取り入れた家づくりをしています。
そのため、中古市場においても多くの需要があり、注文住宅よりも売れやすいとされています。
まとめ
今回は、売れる家・売れない家の違いや高く売るための攻略法、売却ステップや注意点などについて紹介いたしました。
注文住宅は建売住宅よりも売れないと言われますが、すべての物件がそういうわけではありません。
ここで紹介したようなポイントや注意点、建て方などを参考に進めれば、売りやすい状況をつくることも可能です。
これから注文住宅づくりや売買を検討している方は、売れやすい注文住宅になるようにしていきましょう。
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